3回新潟 3回小倉 1回札幌3、4日目

熱発明けにはご用心 ~臨時コラム~

1971年以来というインフルエンザによる競馬開催中止。元号でいうと昭和46年だからハイセイコーの2年前ということになる。もちろん当時はまだ私もこの業界にいたわけではないが、残念ながらちゃんと生を受けていた。まぁガキの頃、としておこう。有馬記念で取消馬が3頭出て、たった6頭立てだったことをよく憶えている。確か勝ったのはトウメイという女傑だった。
当時は今のように東西の交流が盛んではなかった。と言うよりクラシックなどごく一部のレースを除くと別々に開催されていた。だから関東馬の90%以上がインフルエンザに感染しても、関西の感染馬はゼロ。みんな元気で競馬が行われていた。片や関東の開催は翌年の2月まで中止。調教も思うように進まない。当然、春のクラシックは皐月賞…ランドプリンスダービー…ロングエース(乗っていたのは武邦彦現調教師←言うまでもなく豊パパ)と関西馬がさらっていった。と言うか、タイテエム(翌年春の天皇賞馬)を加えた『関西三強』が席巻していた。今なら「強い関西馬」と言っても当たり前すぎる話だが、当時は関東馬がメチャメチャ強かった時代。ハッキリ言って関西馬など「ゴミ扱い」だった。まぁ、そんなことひとつをとっても文字通り隔世の感、ではある。ちなみにこの年(昭和47年)にしても、結果的には菊花賞→有馬記念を連勝した関東馬イシノヒカルが年度代表馬に輝いている。あれから36年も経っているのだから医学は飛躍的に進歩しているはず。とにかく早く、できれば今週末からでも再開してほしい。
さて、インフルエンザの付き物といえば「熱発」だが、これほど始末に悪いものもちょっと思い当たらない。私個人的にはインフルエンザに限らず「熱発明け」の馬は『力半分』と考えて予想を組み立てる。つまりディープインパクト級でもない限り全て消し、ということ。熱発明けの馬、とにかく不思議なほど走らない。それがかなり前の熱発、たとえば1ヶ月程度前であっても結果は同じ。ビックリするほど馬券にならない。試しに専門紙やスポーツ紙のコメントで熱発が判明している馬の成績を調べてみると面白い。ウソは言わない、90%以上が4着以下のはずだ。「美浦からの輸送熱が出た」というケースも同じ。熱発は熱発で結果はタカが知れている。厩舎コメントを読む際に一番注意していただきたい言葉、それは熱発の二文字。どうかお忘れなく。