1回東京・1回京都5・6日目

単なる的中とは意味が全然違う ~日曜東京10R 金蹄S~

東京3400m、我が国の平地レースで最も過酷な競争条件下行われた「ダイヤモンドS」は1番人気のアドマイヤモナークが制した。それも3頭による熾烈な2着争いを尻目に2馬身半の大差をつける楽勝。57.5キロのトップハンデを背負ってこの快走だから「天皇賞(春)」の有力候補となったことは確かだが、ともすれば「スローペース→上がりの瞬発力勝負」となる京都3200mと、とにかくスタミナ最優先の東京3400mは別次元。そのことを忘れるべきではない。驚異的とも思えるのはアドマイヤモナークの父ドリームウェル。サドラーズウェルズ直仔だが、現役時はスピード不足歴然で、記憶では準オープンまで行かなかったはず。しかし産駒に伝えるスタミナ能力は絶大で長距離の活躍馬は少なくない。今後も2400m以上のレースで産駒を見つけたら注目してほしい。閑話休題、「ダイヤモンドS」は2着入線の2番人気コンラッドを軸に据えた弊社予想部。「馬連1-8、1160円」は一点目の大本線的中となった。
それでは本題へ。今週取り上げるのは日曜東京10R、古馬準オープンによるダート2100m「金蹄S」。このレースで弊社予想部が軸馬としたのは5番人気の11番エスケーカントリー。「東京2100mダートなら多少不利な流れになってもグイグイ追い込んでくる馬。昨年10月以来の実戦だが、丹念に乗り込まれ仕上がりは文句なし。極端なスローペースは考えにくい組み合わせで豪快に追い込む」という見立て。レースはコンプレッソの逃げで1000m通過63秒7という若干遅い流れ。しかし、軸馬エスケーカントリーは委細構わず最後方待機。このあたり、『決め打ち』の騎乗をさせたら天下一品の横山典ならではの大胆さ。4コーナーでようやく馬群に取り付いたが、それでも相変わらず16番手のまま。とはいえここからがエスケーカントリーの真骨頂。やおら大外に持ち出すと鬼神の追い。瞬く間に前を行く15頭を抜き去り、残り100m地点で先頭に踊り出た。最後は手綱をおさえて余裕のゴール。問題は2着争い。残り50mまでは1番メイショウゲンスイがリードしていたが、最後の最後、内田博幸の豪快な追いに応えて1番人気の16番ヴァンデグローブが差した。ヴァンデグローブは対抗一番手で「馬連1-16、1470円」の大本線的中となった。
本来ならスリリングな2着争いにアツくなるはずの弊社予想部だが、このレースの時ばかりはただただ静粛。それというのも、過去一度もない二週連続勝負鞍全敗の瀬戸際に立たされていたから。そのため声も出せず息を呑むばかり、というゴール前だった。その後安堵のため息に変わったわけだが、ここで誤解のないよう念のために言わせていただく。弊社予想部にとって二週連続不的中を回避するためだけの、いわば「当てるだけの」レースなら他に数鞍あった。『配当を考えずただ的中させるだけ』という意味のレースなら。しかし、それでは何のために順延された前週月曜の提供を見送ったのか? ということになってしまう。2着に1番人気が入線したため、胸を張れない14.7倍の的中だったが、それは結果論。要するに、「買っても儲かる可能性の低い的中」になるくらいなら『攻めの予想』で外れた方がマシという、この業界ではタブーの思考法を今週はあえて選択したのだ。本来、「安定的中」が使命でもある弊社ならば「好位で競馬ができるムラ駆けの少ない能力上位馬」を軸指名するのがセオリーのひとつ。だが、今回は脚質的に後方待機がみえみえの、しかも5番人気馬を軸に据える攻めの予想で勝負して的中を呼び込んだわけだから、いつもの単なる14.7倍の的中とは意味が全然違うことをご理解いただきたい。思っている以上にこの的中は大きい。今週末に控える大勝負鞍「フェブラリーS」に向けていい流れが出来上がった。これ以上は多言無用。とにかく、絶大なるご期待をお寄せいただきたい。