3回東京・2回中京7日・8日目

苦闘の末のダブル的中 ~土曜中京10R 知多特別~

「展開不問の◎」。スポーツ紙や専門紙の見出しで頻繁に登場するフレーズだが、実際のところそんな馬はごくごく稀。たとえばディープインパクト、全盛時のナリタブライアン、その程度。従って、今の競馬において『展開』が最重要ファクターであることは断言できる。極端な言い方をすると「展開が向いた馬だけが勝ち負けになる」という感じ。だから「展開推理」に予想検討の大半の時間を費やすのは当たり前のこと。無論「展開推理」の中にはコース形態・馬場状態・コース状況などが含まれる。しかし、苦労を重ねて導き出した「展開推理がまるでハズレ」という悲しいケースも残念ながら存在する。その典型的な例が「CBC賞」だった。あれだけ行きたい馬が揃っていたレースで、前半34秒0~後半34秒0のスローペースは到底読めない。結果、番手から抜け出したスリープレスナイトと、インの好位で脚をタメていたスピニングノアールのワンツー。展開絶対有利と思われていた「外差し軍団」は枕を並べて討ち死に。展開は生き物ということを改めて痛感させられる一戦、ではあった。
それでは本題へ。今週斬るのは土曜中京10R「知多特別」。4歳上1000万下の芝1200mに17頭が出走してきた。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは4番人気の17番トーセンマエストロ。「特に1200mは先週から歴然の外差し傾向となってきた。その意味で絶好枠を引き当てたトーセンマエストロが軸馬。ダート主体のローテーションだが、ここよりはるかにメンバーが揃っていた休養前の京都芝1600m木津川特別で、ハナ+クビ差の3着という実績がある馬。従って芝替わりは何ら問題ないし距離の1200mも大丈夫。一気の差し切りが期待できる」という見立て。
レースはシゲルダイノウカイ・カゼノアルペジオ・ロングフラワーという3頭雁行のハナ争いで、予想通り3F通過33秒1のハイペースになった。にしても、軸馬トーセンマエストロの位置取りは4コーナー最後方。舞台は直線短い中京。鞍上もさすがに外を回す余裕はなく、荒れているのを承知でインに突進していく。残り100mで突き抜けたのはライブリシュロム。その時点で頭は確定的。問題は2着争い。これもゴッドスマイルユーが確保したかと思えたが、ゴール寸前軸馬トーセンマエストロがインから強襲、最後は馬体を合わせてゴール。いかにも微妙な写真判定となったが、結果ハナ差でトーセンマエストロが先着。「馬連11-17、4610円。ワイド8-17、580円」のダブル的中なら、長い写真判定を待ったかいもあったというもの。このレースの回収率は741%を計上した。
土曜日を2戦2勝で折り返した先週末。今週斬った土曜中京10Rの好配当を含め、十分な払戻しを受けていただけたわけだが、だからこそ、あえて予想部には苦言を呈しておきたい。「いいアタリを出した次こそが肝心」。『結果、週単位でプラスが出せればOK』という考えもあるが、それは利用者の方だから口にできること。提供する側は、それに加えて常に『的中率の向上』を念頭に置かなければならない。「気を抜いた」とは言わないが、日曜日の勝負鞍、購入法のミスで好配当的中を逃したことは大きな反省材料となる。そのことを肝に銘じてほしい。
今週末からは暑くて長いローカル開催が始まる。一般の競馬ファンはここを敬遠しがちだが、馬券プロの考え方は全く逆。厩舎関係者の思惑が、結果にハッキリと反映されるローカル開催こそが稼ぎどころ。自然、勝負鞍も増える傾向にある。実際のところ今週末の登録馬を俯瞰しても気になる存在が少なくない。夏こそ馬券の季節。弊社からの情報の全てを、楽しみにお待ちいただきたい。