6/15 6/16 3回東京・3回阪神5日6日目・1回函館1日2日目

馬場状態を読み切った的中劇 ~土曜東京6R・3歳未勝利~

以前にもこのコラムで書かせて頂いた記憶がある「展開不問の◎」のお話。スポーツ紙や専門紙の見出しで頻繁に登場するフレーズだが、実際のところそんな馬はごくごく稀。過去の名馬で言えばディープインパクト、全盛時のナリタブライアン、その程度。従って、今の競馬において『展開』が最重要ファクターであることは断言できる。極端な言い方をすると「展開が向いた馬が勝ち負けになる」という感じ。だから「展開推理」に予想検討の大半の時間を費やすのは当たり前のこと。無論「展開推理」の中にはコース形態・馬場状態・コース状況などが含まれる。しかし、苦労を重ねて導き出した「展開推理がまるでハズレ」という悲しいケースも残念ながら存在する。その典型的な例が「ユニコーンステークス」だった。先行したい馬がある程度揃っていたレースで、前半3F33秒9、上がり49秒7-37秒1の前掛りのハイペースはある程度想定内。にも関わらず、終始レースを引っ張ったワイドファラオと、好位5番手で脚をタメていたデュープロセスのワンツー。3着にも好位3番手から粘ったダンツキャッスル。展開利があると思われていた「差し・追い込み軍団」は枕を並べて全く出番なし。特殊な馬場状態ということもあっただろうが、展開は生き物ということを改めて痛感させられる一戦、ではあった。


それでは本題へ。今週斬るのは土曜東京6R「3歳未勝利」ダ2100m。このレースで弊社予想部が軸馬として期待したのは2番人気に支持された2番ペイシャラトゥールだった。

『ダートの長丁場を使うようになって2、4、3着と、安定した戦績を残して適性を示しているペイシャラトゥールが軸馬。前走も前々でしぶとく粘り最後まで集中して0秒5差3着に力走。一戦ごとに時計も詰めているようにこの条件は相当水が合うのだろう。馬格ほどパワータイプでもないだけに、今日の馬場も問題ないはずで、むしろ先行力を活かせるこの馬場はプラスになる公算大。しかも、発馬さえ決めればすんなり先行できそうな組み合わせ。今回は勝ち上がりの絶好機とみた』という見立て。

レースは10番タイセイグリードが好スタートからハナを主張。続いて内から軸馬2番ペイシャラトゥールが自然体から先行策。以下、1番フォースキャリア、8番コットンスノー、3番ナグラーダと続き、断然の1番人気に支持された9番ジェイケイエースは中団でじっくり構える形。少頭数だったこともあり隊列はすんなり落ち着き、淡々とした流れで1000m通過62秒6のミドルペース。勝負どころの3コーナー〜4コーナーにさしかかっても、ペースや隊列も変わることなくそのまま直線の追い比べに。レースを先導していた10番タイセイグリードが早々に脱落し、押し出される形で軸馬2番ペイシャラトゥールが先頭へ。直線では後続各馬も差を詰めてくるが、終始楽な手応えだった軸馬2番ペイシャラトゥールもしぶとさをフルに発揮。思惑通り、最後までしっかり良い脚を使って粘りに粘って断然の支持を集めた9番ジェイケイエースの追撃こそ凌いだものの、その更に後方から一気に追い込んできた伏兵馬・5番スタンサンセイの予想外の決め手に屈し、軸馬2番ペイシャラトゥールはハナ差2着。5番スタンサンセイにはわずかに及ばなかったものの、この結果により、「馬連2-5、1,790円」の的中。単勝1倍台の断然人気馬を対抗評価にとどめ、馬場状態や脚質を踏まえた軸馬選定。4番人気→2番人気の組み合わせでこの配当ならばマズマズといったところだろう。

他にも土曜函館9R「3歳1勝クラス」をはじめ、イチオシ鞍と断じて提供に踏み切った日曜函館10R「木古内特別」、さらに重賞「函館スプリントS」など、先週末は土日を通じて勝負鞍で3鞍、重賞で1鞍の的中をお届けした弊社予想部。だが、だからこそ、あえて予想部には苦言を呈しておきたい。「アタリを出している時こそ気を引き締めよ」。『結果、週単位でプラスが出せればOK』という考えもあるが、それは利用者の方だから口にできること。提供する側は、それに加えて常に『的中率の向上』を念頭に置かなければならない。結果論であり「気を抜いた」とは言わないが、日曜日はやや不満の残る結果となった勝負鞍。レース選定にブレこそ感じなかったが、馬場状態を踏まえ軸馬選定にミスした印象があるだけに反省材料となる。そのことを肝に銘じてほしい。

今週末で東京・阪神開催も終了となり、次週からは暑くて長い夏のローカル開催が始まる。一般の競馬ファンはここを敬遠しがちだが、馬券プロの考え方は全く逆。厩舎関係者の思惑が、結果にハッキリと反映されるローカル開催こそが稼ぎどころ。自然、勝負鞍も増える傾向にある。実際のところ今週末の登録馬を俯瞰しても気になる存在が少なくない。夏こそ馬券の季節。弊社からの情報の全てを、楽しみにお待ちいただきたい。