6/7-6/8 3回東京・3回阪神1日2日目

鉄板級の高回収劇 〜阪神8R・3歳上1勝クラス〜

久しぶりに雨の心配がない開催となった先週の東京。メインの安田記念も好タイムを想定する予想が多かったが、フタを開けてみれば過去10年で2番目に遅い低速決着となった。

確たる逃げ馬、飛ばす馬がいない東京マイルの典型のような競馬だった。スプリント路線から回ってきたマッドクールとウインマーベルが先行する形で展開。両馬とも距離延長に不安があるのだから飛ばす理由はない。前半600mが35秒0、800mは46秒7。同日の1勝クラスの前半600mが34秒8だから、G1としては珍しいスローペースである。ひと塊で進む馬群をみても、どの馬にも余裕があった。

こうなると圧倒的に有利なのはポジションが取れる馬。勝利したジャンタルマンタルはスタート直後に外目3番手と理想的な位置におさまった。そこからラスト11秒2-11秒3で行かれたら後方勢に成す術はない。正攻法かつ必勝パターンだった。

ジャンタルマンタルはこれでG1を3勝目。意外なことに、これはJRA現役馬として最多のJRA・G1勝利数となる。ちなみに、「朝日杯FS→NHKマイルC→安田記念」と2歳から3年連続でマイルG1を制した史上初の一頭となった。その快挙を、実に半年ぶりの実戦で達成するのだから陣営の手腕に拍手を送りたい。高野厩舎はこれで5年連続のG1勝利。同陣営は今週末の宝塚記念にショウナンラプンタを送り込む。

なお、先週の当欄で触れたソウルラッシュは1番人気を裏切る3着止まり。もとより瞬発力勝負は得意とはいえないが、ラストに伏兵ガイアフォースに差し込まれたあたり、激走した前走・ドバイターフの疲労残りがあったのかもしれない。この秋に国内G1を使うのかわからないが、巻き返し注意の一頭といえる。

それでは本題へ。今週斬るのは阪神8R「3歳上1勝クラス」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった6番ライノだった。

『内枠だった前走は3番手の馬混みでリズム良く運べなかったのが敗因。実際に3~4角で外から絡まれる厳しい展開に陥った。しかし、当時の勝ち馬は次戦重賞で5着、2着馬が次走勝ち上がりのハイレベル戦。そこで不利あっての5着なら昇級初戦としてはメドの立つ内容といえる。2走前は余裕タップリの6馬身独走と即反撃の下地は十分。立て直した効果で今週坂路はラスト1ハロン11秒秒台と抜群の動き。巻き返しの態勢は整った』という見立て。

レースは13頭立て。ややバラついたスタートだったが、軸馬6番ライノは馬なりで3番手を確保。先頭4番ソングコレクターに続き、5番アートレスマインドが2番手で先団を形成した。

逃げる4番ソングコレクターは淡々とペースを刻み、800m通過は50秒1のミドルペース。軸馬6番ライノは外目の好位で虎視眈々といった構えである。一方、少し意外だったのは対抗1点目=13番チュウジョウの動きだ。この日の同馬は、軸馬のすぐうしろ5番手あたりを追走してきた。戦前、弊社予想部は同馬について「ズブいタイプだけにポジション課題だが、勝ち負けに持ち込む決め手がある」と評価。その点、今日のポジションは絶好といえた。

その予感が現実となったのは4コーナー過ぎのことだ。早くも先頭に立つ軸馬6番ライノの直後に13番チュウジョウ。これだけマークされると前をいくライノにとっては分が悪い。案の定、残り200m過ぎに13番チュウジョウが先頭にたつと、軸馬ライノは1馬身差の2着。そこから5馬身離れた3着争いは激戦だったが、ラストに猛烈に追い込んだ7番エイユーファイヤーに軍配が上がった。

この結果により、「馬連6-13、450円、3連複6-7-13、2,500円」の的中をお届け。配当的には堅い決着とはいえ、弊社予想部はこの馬連をほぼ“1点買い”で推奨。ガッツリ絞った3連複でも人気薄のエイユーファイヤー(8番人気)をおさえており、配当から感じる印象を遥かに上回る回収劇となった次第。こと、近時はダートの1勝クラスが混沌としていたが、先週から3歳馬が条件戦に入ってきたのはありがたい。今後はおそらく、上記のように狙い澄ました勝負鞍が増えていく。

また先週は、冒頭の日曜東京11R・安田記念でも「3連複7-10-13、1万0,250円」の的中をお届けしている。ちなみに弊社予想部は、9番人気にすぎなかった2着ガイアフォースを「ダート好走で迷彩がかかっているが本来は速い芝向きで、ワンターンの東京マイルはベスト」と特注馬に挙げていた。

さて、今週末は春G1の閉幕を告げる「宝塚記念」。今年はファン投票1位のベラジオオペラ(牡5歳、栗東・上村洋行厩舎)、2位のレガレイラ(牝4歳、美浦・木村哲也厩舎)、3位のアーバンシック(牡4歳、美浦・武井亮厩舎)が揃って参戦する。ちなみに、ファン投票1~3位の馬が揃って出走すれば、2014年以来11年ぶりのこと。まさにグランプリに相応しい一戦となりそうだ。

そして、長いお付き合いの会員様ならご存知の通り、グランプリといえばアスコットの十八番。目下、5年連続で馬券を仕留めている有馬記念を筆頭に、数々の好的中を残してきた舞台である。そうでなくとも、今年は日経新春杯、AJCC、大阪杯など猛烈な勢いで回収をマークしている古馬中距離戦線。はたして、今年の宝塚記念、弊社予想部はどんな的中をお届けするのか。いまから楽しみで仕方がない。会員様は、引き続き首を長くして今週末の配信をお待ちいただきたい。