2/24-2/25・2回中山・2回阪神1日2日・2回小倉5日6日

開幕週の会心の一撃 〜日曜阪神11R・阪急杯〜

映画「アラビアのロレンス」の主人公邸宅はサウジアラビア西部。世界的名作の舞台となった同国はイスラム教の厳しい戒律下にあり、実はテレビやコンサートのみならず、映画の上映も厳しく制限されてきた。そういう意味では、先週の「サウジカップ・G1(キングアブドルアジズ競馬場)」に隔世の感を覚えた方も多いのではないか。なにせ、数年前まで映画館すらなかった砂漠の国で、世界最高の1着賞金1千万ドル(約15億円)の競馬が開催されたのである。
施行4回目となった今年も日本からウシュバテソーロにデルマソトガケ、そしてレモンポップの現役3強が参戦。これまでよりタフな馬場との前評判からも「差し勢有利」との見立てだったが、ゴール前は想像を上回る迫力だった。
米国の先行馬も揃った今回は800m通過46秒01秒という驚異のハイペース。最後は激しい差し合いの末、セニョールバスカドール(牡6歳/米)が、川田将雅騎手が手綱をとる日本のウシュバテソーロ(牡7歳)をアタマ差交わして優勝した。土曜深夜のテレビ中継に手に汗握ったファンも多かったはず。惜しくも敗れたとはいえ、日本代表ウシュバテソーロの激走は印象深かった。
その悔しさをいくらか和らげたのが、同日に行われたその他の重賞。サウジダービー・G3に出走したフォーエバーヤング(牡3歳/矢作厩舎)と、リヤドダートスプリント・G3のリメイク(牡5歳/栗東・新谷厩舎)の優勝だ。こと前者は今春のケンタッキー・ダービー(チャーチルダウンズ競馬場)を目指すと公言しており、偉業達成に期待がかかる。かつて国際ダートG1では歯が立たなかった日本馬がここ数年は世界を舞台に大活躍。今年からは国内ダート路線の競走体系が整備され、より一層の強化が図られるのだから楽しみは尽きない。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜阪神11R「阪急杯」芝1400m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった1番ウインマーベルだった。

『昨年の阪神Cを勝利して24年の初戦に臨むウインマーベルが主役。その前走は22年のスプリンターズS・2着以来の快走。前半33秒1というハイペースを好位で追いかけて後続を抑え込んだ。好メンバー相手にレコードと0秒1差は極めて価値が高い。一時の不調はスタートの不安定さや状態由来のものだが、昨秋からスイッチが入って調教も動くようになってきたことを強調できる。
この中間も僚馬を7馬身追走して楽々併入。6ハロン83秒5-ラスト11秒4を余力十分にマークするのだから具合は相当いい。言わずもがな今回は前走快走している舞台だし、課題のゲートも鍛錬を重ねて大きく改善が見られる。戦績から雨馬場カギだが進化した現状なら対応する可能性が大。ポジションを取れるセンスから内枠歓迎だし、能力はアタマひとつ抜けた存在。あっさりも』という見立て。

レースはフルゲート18頭立て。週中から天候が悪く日曜は朝から終日雨。芝は重、ダートは不良馬場。開幕週も時計がかかる状態だった。スタートで10番デュガが大きく出遅れたが、その他は各馬の発馬が揃った序盤。なかでも16番アサカラキングが好ダッシュで先手を主張し、もう一頭の逃げ候補5番メイショウチタンが引いたことでハナを取り切った。
スプリント戦らしく中団がごった返すなかで、番手には9番サトノレーヴと軸馬1番ウインマーベル。2番人気の15番ダノンティンパニーは中団より後ろの位置取りとなった。
前半3ハロン通過は33秒9。これは良馬場で行われた昨年と変わらず、今年の馬場を鑑みれば明らかにハイペース。それでも16番アサカラキングは手綱を抱え気味で最後の直線へ向かう。
4角の時点で予想されたことだが、最後の3ハロンは11.4-12.0-12.5と減速する消耗戦に。結局、逃げ切り態勢だった16番アサカラキングに軸馬1番ウインマーベルが並びかけたところがゴール。最後はクビの上げ下げの際どい勝負だったが、ハナ差で後者に軍配が上がる。勝ち馬1番ウインマーベルの直後で狙っていた2番サンライズロナウドがクビ差まで詰め寄って3着を確保した

この結果により、「馬連1-16、1,000円&3連複1-2-16、7,140円の的中をお届け。軸馬ウインマーベルは過去の道悪で着順が悪く、戦前に適性を危惧する声も上がっていた。だが「一時の不調から脱却して充実期に入った今なら雨馬場も適応可能」とした予想部の見立てが正しかったといえる。また、調教欄に時計のなかった(ウッド・坂路以外で調教していた)ことで取捨が問われたサンライズロナウド(9番人気)を迷わず対抗に据えた点も素晴らしい。結果、馬連のみならず3連複70倍も大本線的中。まとめて勝負した会員様も納得の成果だった。
他にも、土曜阪神10R伊丹S「馬連7-11、650円&3連複5-7-11、1,880円の本線的中など厳選勝負鞍は4の3をマーク。その中に日曜中山9Rの◎エルフストラック(8番人気・2着)が含まれていたことは強調したい。安定的中が求められる同コンテンツで後ろから数えた方が早い穴馬(日曜中山9Rは13頭立てだった)をピックアップしたことには大きな価値があるはずだ。他にもこの週は新馬未勝利予想で2戦1勝。高アベレージの維持はもちろん、予想部には今後も「攻めの予想」を届けることを強く要望する。

ハイシーズンの入り口ともいうべき2回中山開催の初週も上々の結果を残した弊社予想部。得意の春開催だけに今後も勝負鞍候補は枚挙に暇がない。本格化するトライルはことに注目だ。会員様におかれましては、早春の大爆発を期す弊社アスコットになお一層のご期待をお寄せいただきたい。