9/7-9/8 4回中山・3回中京1日2日目

勝負どころ目白押しの3日間開催へ 〜日曜中京12R・3歳上1勝クラス〜

先週8日(日)、中山競馬場でサマーマイルシリーズ最終戦・G3京成杯オータムハンデ(芝外1600m)が行われた。戦前に大きく取り上げられたのが3歳牝馬アスコリピチェーノ(黒岩)の斤量55.5キロについてである。JRAの定量戦では基本的に3歳が-2キロ(時期や距離により多少異なる)、牝馬はさらに-2キロの負担重量が設定されている。今回のアスコリピチェーノは4歳以上の牡馬換算で59.5キロであり、「さすがに重いのではないか」との論争が発生したわけだ。

だが、終わってみれば独壇場ともいえる圧勝劇。中団の外めで一切慌てずに脚をためると、4角からは大外を回ってきっちりと突き抜けた。当週の中山は超がつくほどの高速馬場であり、本来は外を回ると間に合わないが、レース後のルメール騎手は「一番強いと思っていたので安全に乗った」とのコメントを残している。アスコリピチェーノへの信頼が集約されたひと言だ。

なお、3歳牝馬が京成杯AHを勝利したのは1985年エルプス以来、実に39年ぶり。同時に、「4歳以上牡馬相手のハンデ重賞」を「55.5キロ」で勝利した唯一の3歳牝馬となった。後者に関しては昨年からの斤量規定変更(全ての馬の負担重量が+1キロされた)があるとはいえ、偉業には変わりないだろう。

大きな可能性を秘めた存在だけに、気になるのはこの先だ。3歳牝馬ながら秋華賞路線ではなく京成杯AHを秋のスタートに選択した以上、このままマイル路線を歩むことが濃厚である。はたして次はマイルCS(11月17日=京都・芝1600m)か、はたまたゴールデンイーグル(11月2日=豪ローズヒルガーデンズ・芝1500m)か。今回の勝ち方を見れば、期待するのはやはり海外遠征である。世界の舞台は甘くはないが、挑戦する資格は十分に満たしている。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜中京12R「3歳上1勝クラス」ダ1400m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった5番ハリウッドブルースだった。

『今回と同舞台だった前走は後方から36秒7の末脚で追い込んできて3着。それまでの6戦はすべて1200mだったが、前走を見る限り1400mのほうが明らかに向いている。スタート直後に忙しく前を追走する必要がなく、じっくり追いあげてこられるのだ。特に今回は前走で掲示板(現級)に載った馬が不在という低調なメンバー構成。自身はひと叩きされて上積みが見込めるうえに、頭数も13頭なので捌きやすくなる。勝ち負け濃厚』という見立て。

レースは良場で行われ、序盤から激しい先行争いを展開する。大外枠から好スタートを決めた13番オールドマインが先手を窺うと、2番グランファラオもこれに追随。しばらくハナ争いを続けたが、結局13番オールドマインが主導権を奪った。だが好位にいた1番ストレングス(2番人気)がプレッシャーをかけ続けて、逃げ馬に楽をさせない構え。その直後に4番人気の6番ドゥータップ、軸馬5番ハリウッドブルースは先団を見る形の中団待機という隊列となった。
先行激化により、前半600m通過は34秒6のハイペース。一団が4角を回ると、まずは好位にいた1番ストレングスが抜け出しを図る。後方にいた軸馬5番ハリウッドブルースも外に進路を移してエンジン全開へ…。
結局、先手を打った1番ストレングスが後続を凌いで1着確保。軸馬5番ハリウッドブルースが上がり最速36秒9の末脚で追い込んで2着、番手から残した6番ドゥータップが3着入線となった。

この結果により、「馬連1-5、500円&3連複1-5-6、1,000円」の大本線的中。地味目の配当となった同レースだが、それでもこの週ラストの勝負鞍を「的中」という形で締めたことは及第点をあげられる結果だったと言えよう。ただし、残念ながら先週の勝負鞍において的中は上記のみ。正直なところ土曜の勝負どころを獲り逃しているあたり、甘いと言わざるを得ない。無論、競馬のことだから毎回毎回、好配当をお届けできるというわけにはいかない。そのことは百も承知しているのだが、会員の皆さまにとっては毎週毎週が勝負。常々この場で言っているがひと鞍ひと鞍、納得のいくものを提供してこその生業という点を常に忘れて欲しくない。幸いにも、今週末は秋序盤の勝負どころとなる3日間開催、そして秋のG1第一弾「スプリンターズS」まであと3週である。なにより数々の実績を持つ弊社予想部のこと、週中の地道なルーティンワークをより丹念に行っていけばおのずと結果がついてくるだろう。すでに現地からは勝負鞍、及び勝負馬に関する情報が次々に舞い込んでいる。“稼ぎどころ”と銘打った初秋のアスコットに、引き続きご注目いただきたい。