12/7-12/8 5回中山・7回京都・4回中京3日4日目

展開不利もなんのその 〜土曜中京10R・鳴海特別〜

先週12月8日、香港のシャティン競馬場で香港国際競走が行われた。毎年12月、恒例となったこのイベント。1200mから2400mまでの4つのカテゴリーに、今年も日本から9頭が参戦。地元香港勢や欧州勢、いまは夏のオーストラリアからやってきた馬たちと頂点を争った。

日本馬の結果は、1600m香港マイルのソウルラッシュ(牡6・池江)、メインレース2000m香港カップのリバティアイランド(牝4・中内田)の2着が最高着順となった。これにより今年の海外G1における日本馬の「未勝利」が確定したことになる。では、海外の高額賞金レースで躍進を続けていた日本馬の勢いは衰えたのか。結論から先に言えば、半分はその通りだろう。こと今回の香港で未勝利に終わったことは不思議ではない。

これには各国が重要視するカテゴリーが関係している。有名なのは米国のダート主体のレース形態。合理主義のアメリカらしい特色(彼らはコンディションが一定でない芝コースをナンセンスと考える)といえるだろう。そんな各国のカラーが今回の香港にも出ていた。

まず2400mの香港ヴァーズは欧州馬が1、2着を独占。これで香港国際ヴァーズ時代を含めて全31回中23回を欧州調教馬が勝っている。凱旋門賞の結果が示す通り、この距離はヨーロッパ調教馬の独壇場なのである。特に今年は日本最強のドウデュースやイクイノックスが不在だった以上、妥当な結果といわざるをえないだろう。

また、1200mから1600mは香港勢がもっとも得意とするディスタンスだ。実際に同国の馬はほとんど馬体重500キロ以上の屈強なタイプばかり。しかも香港デビュー前から結果を出している馬を海外から買ってくるのだから筋金入りだ。なお、香港には坂路はないが、コース追いの前後にプール調教を行うなど、筋肉増強(=瞬発力)に余念がない。

一方、日本のカラーは万能性だ。本来は最も輝く香港カップ=2000mにロマンチックウォリアーというとんでもなく強い馬がいただけ。芝、ダート、ウッドチップ、ニューポリトラック、そして坂路といった充実した施設で行われる入念な日本の調教はさまざまなタイプの馬を生み出すことが可能なのだ。そういう意味では、全カテゴリーで日本馬が総ナメする可能性も十分。来年末の香港では日本馬の勝利に期待したい。なお余談だが、ルールが簡単かつ決着の速いトランプゲームのバカラは香港で人気だ。諸説あるが、その発祥は中国にあるらしい。それが競走馬のタイプと関係あるのかはわからないが…。

それでは本題へ、今週斬るのは土曜中京10R「鳴海特別」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に3番人気となった13番アルファヒディだった。

『序盤に引いて外を回した前走2着は取りこぼしに等しい内容。ダート中距離では底見せておらず左回り大歓迎。中間順調でこの枠なら絡まれづらい。前走を悔やむ鞍上が勝ちにいく』という見立て。

レースはほぼ想定内の流れ。軸馬13番アルファヒディは好発を決めると、スムーズに好位の5番手を確保。周囲から絡まれることなく順調な序盤となった。
しかし結果論でいえば、向こう正面で内の馬に割り込まれたのが痛恨だった。これにより軸馬は勝負どころで外に振られるロスが発生してしまう。一方、マイペースで逃げる5番スナークラファエロは一気に楽な展開に…。
結局、展開利を得た5番スナークラファエロが逃げ切って1着入線。距離損が響いた軸馬13番アルファヒディが猛追およばずの2着。3着は中団から伸ばした4番人気・1番シャパリュが確保する。なお、1番人気の15番レッドリベルタは後方ポジションが響いて11着敗戦となった。

この結果により、「馬連5-13、1,120円&3連複1-5-13、5,620円の的中をお届け。軸馬はまたしても展開のアヤで2着となったが、見立て通り一番強い内容だったといえるだろう。他にもこの週は日曜中山11R・カペラS「馬連6-9、2,560円、そして「中日新聞杯」などなど、随所で回収鞍を配給した次第。
例年、弊社が成績好調なこの時期。2024年もラストへ向けて視界良好とお伝えしておこう。本年も残り2週と1日。まずは勝負鞍多数の今週末にご期待いただきたい。