4/20-4/21 2回東京・3回京都1日2日・1回福島5日6日目

経験を活かした完勝劇 〜土曜東京2R・3歳未勝利〜

葉桜の新緑がまぶしくなった先週、競馬シーンも開催替わりを迎えた。宝塚記念まで続く東京・京都開催のはじまりである。なかでも注目を集めたのは日曜・京都のマイラーズCだろう。

前評判は2強。3年連続の参戦となる6歳ソウルラッシュは22年覇者(阪神開催)で、昨年も3着と好走。このレースとの相性は抜群といえる。対するセリフォスは昨年4戦して未勝利だったが、なんといってもマイルCS・G1の覇者。両者共にこのメンバーなら地力が抜けた存在とみられていた。

一方、気になったのが京都芝コースの状態だ。年始の冬開催はコンディションが悪いまま開催され、当時は多くの騎手が「緩い」と口を揃えていたのだ。その原因のひとつに挙げられたのは、改修に伴って植え替えた芝の「根づき」だ。そこから約2ヵ月でどれほど回復しているのか。答えからいえば、その心配は無用だった。土曜の芝1600m(2勝クラス)が1:32.1の高速決着。まさに絶好の芝コンディションである。

だが春の空模様はなんとも気まぐれ。マイラーズCの日曜は朝から小雨に見舞われ、ひとつ前の10Rでついに稍重発表に。こうなるとファンの決心もオッズも揺れ動いた。

そんな難しい一戦を勝ったのはソウルラッシュ。1番人気の期待に応える走りで重賞3勝目を手にした。1馬身3/4差の2着に2番人気セリフォス。終わってみれば前評判通りの決着である。しかし、興味深いのは配当の方だろう。前述の通り抜けた2頭の馬連配当が4.0倍で確定。馬場や天候に翻弄されたファン心理を表す配当だったような気がする。

そして、肝心の決着タイムは1分32秒5。雨の影響下で序盤600m・34秒1のペースは速く、実力がないと乗り越えられないレースだった。これを1、2着したソウルラッシュ、セリフォスはやはりトップクラスの存在。現状、マイル路線はこの2頭とナミュールを中心とする勢力図だといえる。

それでは本題へ、今週斬るのは土曜東京2R「3歳未勝利」ダ1300m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に2番人気となった5番ジェットブレイクだった。

『前走は序盤に押していって中団を確保。キックバックを気にしてやや追走に戸惑ってはいたが、最後に決め手を発揮して2着とクラスにメドを立てた。成績が示すように使う毎に力をつけている点も強調したい。この中間はややモタれを見せたが、時計や気配自体は好調そのもの。前走を見る限りゴチャつく中山より広い東京の方が追走しやすいはずだし、決め手を活かせる長い直線も歓迎だ。クセを知る鞍上の連投もプラスであり、前進必至』という見立て。

レースは16頭立ての良馬場で、未勝利戦らしくバラついたスタート。結果的に、発馬から押していったこと、そして広い東京コースが軸馬5番ジェットブレイクに奏功した格好だ。前走から続投の内田騎手は砂被りを避ける戦法を選択。距離ロスを承知で外目の好位につけると、最後は前で粘る1番グランプリショットと3番フェレザを外から簡単にパスしてみせた。馬の地力を信じているからこその好騎乗Vだったといえる。

この結果により、「馬連1-5、2,040円&3連複1-3-5、9,950円」の的中をお届け。配当もさることながら、このレースで1番人気だったエイブラムスの気性を不安視したジャッジが素晴らしい。実際、エイブラムスは発馬でヨレて横の馬と接触。これで軸馬にポジションを譲ったことがアダとなり、5着に敗れている。3連複は惜しくも100倍を逃したが、危ない人気馬を避けての“準万馬券”は高評価だろう。開催替わりの土曜の一発目、それも十分過ぎるほどの回収劇となった。

他にもこの週は前述の日曜京都11RマイラーズCで「馬連3-14、400円&3連複3-9-14、2,070円を無難にヒット。さらに土曜福島11R福島牝馬では「馬連1-14、3,240円&3連複1-8-14、8,880円の長打を放つなど、随所で回収をお届けしている。

春の開催替わり。ハイシーズンの入り口となる先週を良い形で切り抜けた弊社予想部。今週末からはいよいよG1連戦が再開。最大の注目はその緒戦となる「天皇賞・春」だろう。なにより弊社では、有馬記念→日経新春杯→ダイヤモンドS→阪神大賞典と直近の長距離路線でパーフェクト的中を継続中。当然ながらその集大成こと今週の「天皇賞・春」は特別な勝負鞍のひとつとなる。無論、各路線の有力馬がこぞって登場するこの時期は、平場や未勝利戦にも勝負鞍候補が目白押し。会員様には引き続き「アツい」勝負をしていただくので、どうか腕を撫してお待ちいただきたい。

4/13-4/14 3回中山・2回阪神7日8日・1回福島3日4日目

週一番の勝負鞍で大本線的中 〜>日曜中山9R・利根川特別〜

スローペースで流れて、上がりだけの瞬発力勝負。今年の牡馬クラシックのトライアルはこうしたレースが目立った。そのトライアル組がこぞって出走したこと、さらに暮れのG1ホープフルSを獲った牝馬が参戦したことで大混戦となったのが先週の皐月賞である。しかし、いざ本番となるとスピード勝負のぶつかり合いなったのだから競馬は面白い。
ダノンデサイルの馬体検査で発走が遅れたスタート前。高い気温はもちろん、待たされたことで発汗する馬も少なくなかった。そのイレコミで力を出せなかった有力馬もいたはず。結局、7分遅れでスタートした大一番は、戦前の予想通りメイショウタバルが先手。しかし、かかり気味に出たことで序盤の600mは34秒2。気がつけば、前半1000m通過が57秒5とかつてないハイペースに。タバルは二番手以下を7、8馬身離す大逃げだったとはいえ、後続も強度を問われる流れだったことは間違いない。
そんな急ペースを制したのは、右回り初体験だったジャスティンミラノだった。好位5、6番手に付けると完璧な折り合い。最後の直線もキャリア3戦目とは思えない悠然としたフットワークで伸びると、2着コスモキュランダをクビ差押しのけてみせた。3着ジャンタルマンタルは距離適性の差が出たかもしれないが、3番手早め仕掛けから一瞬で3馬身ほど突き放した瞬発力は際立っていた。
勝者ジャスティンミラノが残したV時計は1分57秒1のレコード。まさにスピード適性が問われる一戦だったといえる。実際、1・3着に好走したのは共同通信杯組。2頭ともワンターン1800mの超高速レースを経験していた。2着だったコスモキュランダも例外ではないだろう。同馬は2017年皐月賞馬アルアインの産駒。本年同様、当時の皐月賞も高速決着だった。
また、牝馬にして堂々の1番人気に支持されたレガレイラにも触れたい。急遽の乗り替わり、かつ発走を待たされ、発汗した首を上下に振っていたのがレース前。それでも最後方から上がり最速タイの脚で6着まで追い上げたのは立派だ。この先も対牡馬ローテを続けるのか未定ではあるが、ダービーでの捲土重来に挑んでもらいたい。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜中山9R「利根川特別」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった3番ヴァナルガンドだった。

『強敵相手(同レース2・4着馬がすでに勝ち上がり)に正攻法からメドを立てた前走が上々。改めて中山適性を示したことも悪くないだろう。だが3走前の勝ち時計1分53秒2(3勝クラス相当)を思えば、まだまだ物足りない内容だったことも確か。その点、ひと息入れた今回はリフレッシュ効果に強く期待できる。実際、先週・今週と上々の動きを披露してデキ完調。ここは相手関係も楽になるし、連投の鞍上もプラスだ』という見立て。

レースは14頭立て。内と外で2頭ほど発馬のタイミングが合わなかったものの大方は揃ったスタートだった。なかでも好発を決めた5番ショウナンカブトが積極的に押していく構え。気性にやや課題を抱えていることを考えての先手だろう。これに9番シェットランドが並びかけ、軸馬3番ヴァナルガンドや14番ライラスターは好位を選択。一方、2番人気の12番カンピオーネは後方に控えた。
隊列は早くも向こう正面へ。しかし、先頭を走る5番ショウナンカブトと9番シェットランドが併せ馬の状態だったことが問題だ。当然ながらペースは落ちず、1000m通過は1分1秒2と良馬場としては速い流れ。集団はそれほど間隔を開けずに隊列を維持しており、なかでも好位各馬は楽な状況ではなかったはず。実際、4番手にいた軸馬3番ヴァナルガンドは3コーナー過ぎで反応が遅れてしまった。
いよいよ勝負の4コーナー。ここで、周囲の不安を吹き飛ばすように軸馬3番ヴァナルガンドが再点火を見せた。鞍上のアクションに応えるように徐々にギアを上げると、4コーナーを上手く捌いて位置を上昇。直線では逃げる9番シェットランドをついに捕らえたが…。
しかし勝ったのは、道中最後方にいた12番カンピオーネ。2着の軸馬3番ヴァナルガンドが先頭に立った瞬間、強襲してみせた。もともと決め手がある馬だけにハイペースがハマった形。差し馬向きの展開を思えば、軸馬3番ヴァナルガンドも大いに地力を示したといえる。なお、3着には軸馬同様に好位から粘り込んだ14番ライラスターが入線した。

この結果により、「馬連3-12、910円」の的中をお届け。配当面こそ物足りないが、この週一番の勝負鞍だったことは特筆すべき。馬連1点目の大本線ということも合わせて、納得の回収劇となった。他にも先週は上記の「皐月賞」土曜中山10Rなどで的中を配信。クラシックの大一番で結果を残したことはもちろん、的中アベレージをキープして3回中山開催を締めくくった。

さて、いよいよ2回東京開催がスタート。大一番が連なる、春の佳境中の佳境である。今週はひとまずG1はお休みとなるが、皐月賞的中の勢いに任せて、まずはオークストライアル=フローラSをキッチリ仕留める次第だ。会員様におかれましては、開催替わりとなる今週以降も引き続きご安心のうえ勝負していただきたい。

無題

訃報に触れて

4月11日(木)、栗東に所属する藤岡康太騎手が亡くなったことが発表された。35歳だった。同騎手は6日(土)の阪神競馬7Rで落馬負傷後、病院へ搬送。意識のない状態が続いていた。

藤岡康太騎手は2007年に宮徹厩舎の所属でデビュー。3月3日の中京競馬場1Rで父・藤岡健一師の管理するヤマニンプロローグで初騎乗・初勝利を挙げるなど、鮮烈なスタートであった。また、09年ファルコンSのジョーカプチーノでは重賞初勝利。同馬とともに挑んだNHKマイルCでは10番人気にの評価を覆し、好位の二番手から押し切って瞬く間にG1ジョッキーの仲間入りを果たした。

その後はけがに泣いたこともあり長らくG1と縁がなかったが、昨秋に転機が訪れる。G1・マイルCSで鞍上を予定されていたR.ムーア騎手のアクシデントを受け、急遽ナミュールのジョッキーに抜擢されたのだ。結果は多くの競馬ファンがご存知の通り。テン乗り、大外枠という不安要素を跳ねのけて鮮やかに末脚一閃。見事に同馬を優勝に導いたのである。

折り合いの巧いジョッキーだった。思い返せば、18年・神戸新聞杯のワグネリアンも福永騎手の代打、そして21年・京都大賞典では不振のさなかにいたマカヒキを復活に導いた。強調すべきは、両頭ともにダービー馬だったという点だろう。3歳の頂点に立つような驚異的なポテンシャルの陰には、得てして危うさが同居するもの。それがサラブレッドという生き物であり、普段から乗り慣れた騎手でさえ手こずることは珍しくない。しかし藤岡康太騎手は、ワグネリアンをテン乗り、マカヒキも2度目の騎乗で結果を残した。

前記のナミュールしかり、それがどれほど難しいことか。成績が振るわなかったなかでも努力を惜しまず、自らの騎乗馬以外の追い切りも買って出ていた藤岡康太騎手。そうした積み重ねが大舞台での感動的な勝利をもたらし、ファンもその腕を買っていたのではないか。同騎手は昨年に63勝のキャリアハイを記録。つい先日もJRA通算800勝を達成し、今年すでに28勝と自身の年間最多記録を塗り替えようとしていた。

明るい性格で礼節を欠かさず、ファンサービスも熱心に行っていた愛すべきジョッキー。そんな藤岡康太騎手の訃報に触れて言葉が出ない。心よりご冥福をお祈りするとともに、才気あふれる若武者がいたことを胸に競馬を見続けていきたい。

会員様へ
今週の当欄は特別編成でお送りいたしました。ご了承ください。

3/30-3/31・3回中山・2回阪神3日4日

見立て通りの強い競馬 〜>日曜阪神11R・大阪杯G1〜

先週はドバイ・メイダン競馬場にて2024年のドバイワールドカップデーが開催。2022年はシャフリヤール、パンサラッサなど5勝、2023年はイクイノックス、ウシュバテソーロなど3勝と日本馬が大活躍したことは記憶に新しい。
今年も牝馬3冠を達成したリバティアイランド、有馬記念を制したドウデュースなど22頭の日本馬が、かの地に集結した。当然ながら期待は高まっていたが、現実はそう甘くなく、日本馬の勝利はフォーエバーヤング(矢作・牡3歳)のUAEダービーのみにとどまった。しかし、唯一の勝ち星をあげた同馬はケンタッキーダービー(米国・G1)につながる譲れない一戦。サウジダービーに続く海外重賞連勝によって、米国行きの切符をほぼ手中にした価値は計り知れない。
奇しくも、矢作厩舎に初の海外G1タイトルをもたらしたのが、フォーエバーヤングの父リアルスティール(16年ドバイターフ)だった。それから8年間、同厩舎のリスグラシューやラヴズオンリーユー、パンサラッサによる活躍はご存知の通り。なにより、昨年はコンティノアールがケンタッキーダービー2日前に出走取消となる苦い経験があった。そういった背景を知っている日本の競馬ファンにとっても、今回のケンタッキーダービーは特別なものである。フォーエバーヤングが無事にゲートインすること、そしてかの地で全力疾走する姿を見たいものだ。勝利すれば史上初、日本馬によるケンタッキーダービー制覇。2024年のケンタッキーダービーは5月4日、米国チャーチルダウンズ競馬場で施行される。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜阪神11R「大阪杯・G1」芝2000m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に3番人気となった2番ローシャムパークだった。

『軸馬ローシャムパークは昨春から秋にかけて3連勝。特に3連勝目となったオールカマーでは楽なペースで逃げたタイトルホルダーを簡単にパスする強い勝ち方だった。前走の香港遠征は崩れたものの、スタートが決まらなかったうえに国内と異なる重馬場。直前にカイ食いが落ちる誤算まであったから完全にオミット可能である。そこからおよそ3ヵ月、今回は臨戦態勢がきっちり整った。実際、精神もフィジカルもさらに良化。今週は美浦ウッド馬なりで6ハロン80秒8という好時計。フットワークの迫力、気合い乗りも万全のG1仕様だといえる。良馬場のスピード勝負は歓迎かつ、コーナー4つの舞台もOK。高い総合力はもちろん、オールカマーでG1馬3頭を倒した地力は大きな魅力であり、国内4連勝に期待する』という見立て。

ご存知の通り、16頭立ての同レースは外枠から積極的に好位を奪った11番ベラジオオペラが勝利。軸馬2番ローシャムパークは発馬で置かれたものの、向こう正面の早々にマクる奇策を実行。メンバー中でもっとも苦しい競馬だったが、勝ち馬とタイム差なし(クビ差)の2着を確保した。ハナ差の3着には、インから鋭く差してきた13番ルージュエヴァイユが入線。

この結果により、「馬連2-11、1,930円&3連複2-11-13、2万2,720円」の的中などをお届け。軸馬2番ローシャムパークは勝利こそ逃したが、前述の通り“もっとも強い競馬”を見せたといえる。最終追い切りで明らかにワンランク上の時計を出しており、それが結果に結びついた形といえよう。同馬を管理する田中博康厩舎は慎重にじっくり成長に合わせる調整が特徴。負荷をかけた調教自体が本格化の証でもあった。前半1000m通過が60秒2のスローだったことを考慮すれば勝ちタイム1分58秒2も水準以上である。
また、11番人気に止まった13番ルージュエヴァイユ(3着)を「エリ女2着が高評価。前走は敗因明確であり、一切見限れない」とした予想部の判断も的確。牝馬が活躍しているレースだけに、正直言ってここまでの人気落ちとは思わなかった。アスコット会員様にとっては“簡単に獲れた高配当”である一方、世間からすれば波乱の決着。回収率や配当以上の充足感を覚える、まさに会心の的中劇となった。

他にもこの週は、土曜中山8R「馬連5-13、970円の大本線的中などをお届け。痛恨の出遅れによる取りこぼしが1鞍あったものの、この週の厳選勝負鞍は4戦3勝の準パーフェクトを達成。得意の春開催、弊社の看板こと厳選勝負鞍ではここまで『的中率=6割5分』、言わずもがな回収率も『余裕の黒字収支』となっていることをお伝えしておこう。

気が付けば今週末は「桜花賞」。いよいよ春本番のクラシックが目前に迫ってきた。今年も、何ひとつ不安材料が見当たらぬままこの季節を迎える。そう強調させていただく。G1シリーズを迎えるにあたり、まずは今週末の桜花賞、そして来週の皐月賞が肝要だ。ここで潤沢な軍資金調達が至上命題。収支上乗せとなる勝負鞍候補目白押しの今週末に一層のご期待をお寄せいただきたい。

3/23-3/24・3回中山・2回阪神1日2日・1回中京5日6日

地力上位馬に展開利 〜土曜中山12R・4歳上2勝クラス〜

先々週は「レース史上最速」というワードが躍ったが、先週の毎日杯も興味深いレコードが出現。日曜の中山芝は若駒にとって過酷な重馬場だったが、メイショウタバルがスタートから主導権を握ると、坂井瑠騎手が4角過ぎに軽く促しただけで後続を置き去り。アッという間に差を広げ、一糸乱れぬフォームで「レース史上最大=6馬身差」の圧勝を決めた。
1番人気のノーブルロジャーは2着と格好はつけたがその差は歴然。勝ち馬と“その他大勢”となった決勝写真は、案外、「道悪の巧拙」だけでは片付けられないかもしれない。
メイショウタバルは今年の若駒Sを直前の挫石で競走除外。レース間隔が肝となる昨今のクラシックを思えば大きな誤算だったはずだ。それは、同馬を管理する石橋守調教師の「ホッとした」というコメントにもにじみ出ている。同師が開業11年目で重賞初制覇だったことはもちろん、一頓挫あったタバルを3歳牡馬戦線に復帰させたことの価値は計り知れない。
道悪といえば、先週のG1高松宮記念もあいにくの重馬場。だが同レースの結果を左右したのは道悪適性のみではないだろう。当日の中京芝は、一見すると馬場の外目の方が良い状態。しかし、芝が剥げて荒れている内ラチ沿いを通っても、外を通った馬と遜色ない伸びを見せていたことがポイントだ。勝ち負けを演じたマッドクールとナムラクレアの実力に疑いの余地はないが、両馬ともインの経済コースを通ったことは念頭に入れておきたい。そういう意味では、初のG1挑戦で1番人気に応えられなかったルガルを含め、ここで敗れたメンバーの今後の巻き返しに注意が必要だろう。

それでは本題へ、今週斬るのは土曜中山12R「4歳上2勝クラス」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に2番人気となった13番プラウドヘリテージだった。

『2走前に中距離路線に転向して成績が上昇。このくらいの距離があっているようで、以降はしっかりと自分のリズムで走れるようになった。前走は向こう正面で激突される不利がありながらタイム差なしの2着と、地力的にもクラス上位に位置している。ここは中2週もデキ上々で、今週は美浦坂路で4ハロン51秒台の好時計。特に今回はメンバー的にマイペースが叶いそうな組み合わせでもある。道悪OKのセンスは頼もしく、展開利の見込めるここで勝ち切り濃厚』という見立て。

当週の土曜、西の開催場は雨に見舞われたが、中山はかろうじて良馬場で開催。12Rはフルゲート16頭立て。各馬揃ったスタートを決めると、外枠から押していった軸馬13番プラウドヘリテージが先手を主張する。出脚が良かった1番人気の4番シゲルカミカゼはハナを譲り、15番ウインザナドゥや16番ラレイナとともに好位を確保。3番人気の1番メテオールライトは中団待機を選択した。
一団が向こう正面に入っても軸馬13番プラウドヘリテージが先頭。1000m通過63秒9という落ち着いたペースを演出し、後方まで10馬身ほどに詰まった隊列を先導していく。集団が3コーナーを目指して進むと、しびれを切らした後方各馬が進出を開始。4角直前ではマクリにきた4頭が前を飲み込もうと仕掛けるが…。
しかし、スローペースを作り出した軸馬13番プラウドヘリテージはまだ余裕の手応え。マクリ勢を目一杯に引き付けて直線に向くと、残り200m地点で簡単に抜け出しを決める。以降は追いすがる4番シゲルカミカゼとの差を広げて2馬身差の完勝。1着13番プラウドヘリテージ、2着4番シゲルカミカゼ、3着は地力で差し込んだ1番メテオールライトが入線となった。

この結果により、「馬連4-13、790円&3連複1-4-13、1,270円」の本線的中をお届け。「クラス上位の地力+展開利なら勝ち切り濃厚」とした判断が光る。それでいて軸馬は単勝4.0倍の2番人気。不安定な天候のもと、土曜のうちに利益を確定した点においても評価をいただける的中劇となった。
他にもこの週の厳選勝負鞍は、土曜中山7R「3連複8-11-15、3,230円&ワイド8-11、1,420円など複数の回収シーンをお届け。厳選勝負鞍の軸馬成績は2日間を通して「2.1.1.0」と馬券内率100%となった。またメインレース予想においても、日曜中山11RマーチS「3連複1-13-14、1万3,130円などをヒット。本来は高いハードルであるはずだが、弊社予想部は当週も“打率5割”の水準をあっさりとクリアしている。

今週末は春G1の第二戦目となる「大阪杯」が待機。昨年の同レースは◎ジャックドール(2番人気・1着)から3連単3万1,240円をお届けしたように、今年も有力な勝負鞍後候補のひとつである。世間では混戦と伝えられる今回の大阪杯ではあるが、現在の弊社に予想のブレは微塵も感じない。無論、会員様におかれましては、引き続き大船に乗ったつもりで馬券を仕込んでいただきたい。お見逃しなく。

3/16-3/17・2回中山・2回阪神7日8日・1回中京3日4日

自信の勝負鞍で本命圧勝 〜日曜阪神11R・阪神大賞典〜

競馬シーンは春の最盛期に差し掛かり、先週は土日で重賞4鞍が施行。なかでも目を惹いたのは「レース史上最速」というキーワードだった。
ひとつは土曜のファルコンS。7番人気ダノンマッキンリーが豪快な後方一気を決めて勝利。鞍上の北村友一騎手は21年阪急杯(レシステンシア)以来の重賞制覇となった。落馬による長期休養を乗り越えて久々の勲章だけに、感慨もひとしおだろう。
レースは先行馬多数。どうしても逃げたいクチは不在ながらハナを切ったオーキッドロマンスにキャプテンネキなどが続き、前半600m通過は33.8秒のハイペース。しかし逃げたオーキッドロマンスは追い出しを待つ余裕すらあり、これは決まったと思われた瞬間の強襲劇となった。
勝ち時計1分20秒2は(現行条件の)ファルコンS史上2位の好タイム。ダノンマッキンリーが繰り出した上がり3ハロン33秒6はレース史上最速である。近走は折り合いの難しさを出して着順を落としていた同馬だが、本来はセレクトセールで2億4200万円の値がついた良血。凡走した際の傾向を見るに、流れが速く質の高いレースの方が向いていると推察可能だ。スプリント重賞なら前半33秒台は珍しくない。今後、陣営がどの路線に目を向けるのか注目だ。
もう一頭の最速ワードはスプリングSに出現。勝ち馬シックスペンスが記録した上がり33秒3はやはりレース史上最速である。今年は前半1000m通過1分03秒1と顕著なスローになったが、後半800m・46秒3も特筆すべき速さだった。そんな急加速展開かつAコース4週目という状況下、逃げたアレグロブリランテを3馬身半離したのだから他とはレベルが違う。
シックスペンスがキズナ産駒ということもポイントだろう。これまで同産駒牡馬は切れ味不足を指摘されてきた。しかし先日の共同通信杯を勝った同産駒・ジャスティンミラノ(上がり32秒6)に続いて本馬が上記の切れ見せたことに意味がある。血統背景とあわせて、牡馬クラシックの勢力図にも変動が起きつつある。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜阪神11R「阪神大賞典・G2」芝3000m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に2番人気となった6番テーオーロイヤルだった。

『22年のステイヤーズS・1着、天皇賞春3着という実力馬。22年秋の骨折から11カ月休養し復帰戦のアル共杯は惨敗に終わったものの、2戦目ステイヤーズSですぐに連対。前走のダイヤモンドSにいたっては、トップハンデ58.5キロをものともせず勝利して復調を大きくアピールしている。
ここは中3週だが、疲労残りの心配は無用だ。実際、先週のCウッドでは馬場のど真ん中を堂々と加速する軽快ぶり。今週のウッドでも絶好の手応えを保ったまま、体全体を使ってラスト2ハロン23秒9-11秒9(不良馬場・馬なり)をマークしている。調子がいいからここを使うのだろう。上々の仕上げだった前走時からさらにもう1段上げてきた。そもそも本馬は、天皇賞・春で全盛期のタイトルホルダーと肉迫したスタミナ自慢(当時が阪神開催だったことも見逃せない)。充実期に入った現状、斤量57キロの別定G2は落とせない場面だ』という見立て。

ご存知の通り、軸馬6番テーオーロイヤルは圧巻の強さを誇示。2着の9番ワープスピードにつけた着差は5馬身もあった。3着に滑り込んだのは1番人気に支持されたブローザホーン。人気には応えられなかったが、転厩初戦、初距離だったことを思えば好走の部類ではないか。

この結果により、「馬連6-9、1,590円&3連複2-6-9、1,770円」の的中などをお届け。わかっていたとはいえ、早々に抜け出した軸馬テーオーロイヤルの強さには会員様も唸ったご様子。重賞としては極めて高い自信度でお送りしたことも含め、会心の的中鞍となった。
他にもこの週は、土曜中山12R「馬連4-10、1,700円や、日曜阪神12R「馬連4-11、600円&3連複、1-11-14、3,820円など随所で的中をお届け。今年の当欄で毎週のように記している内容ではあるが、この週の「厳選勝負鞍」、「新馬未勝利予想」ともに「打率5割以上」のアベレージをマークしている。また、先週の重賞では4鞍すべてで弊社の本命馬が馬券内を確保。まさに順風満帆、的中量産の2日間となった。

吹き続けるアゲインストに乗って臨む今週末は、引き続き4つの重賞がスタンバイ。なかでも短距離G1『高松宮記念』は大注目の存在だろう。なにより、弊社はその前哨戦となる『阪神C』『シルクロードS』『阪急杯』『オーシャンS』できっちりと的中をお届け済み。いよいよ総決算となれば、否が応でも期待は高まるというものだ。会員様におかれましては、引き続きご安心のうえ弊社の買い目で勝負していただきたい。

3/9-3/10・2回中山・2回阪神5日6日・1回中京1日2日

安心安全の的中劇 〜土曜阪神12R・4歳以上2勝クラス〜

牧場(外厩)とトレセンの連携は、現代競馬において極めて重要度が高まっている。実際、前哨戦を使わずぶっつけでのG1挑戦はいまや当たり前、1ヵ月程度のレース間隔でも放牧に出すことが珍しくない。限られた馬房をコスパよく回転させた厩舎が勝ち星を重ねていく。
先日、千葉県香取市に新たな施設「NEW ERA」が開場した。平均勾配3.8%、高低差およそ33mと美浦に匹敵する坂路と周回800mのウッドチップコースを兼ね備える。これまで、ノーザンや社台など大手グループを除くと手薄だった関東に、新たな外厩拠点が誕生したことになる。
同施設を内包するエスティファーム小見川は、「トーセン軍団」で知られる島川氏が所有する自家生産施設のひとつ。美浦トレセンから車で約40分という立地、昨今の気候変動を考慮した馬房など、利点を挙げれば枚挙に暇がない。すでに調教師たちの間でも評価の声が出ており、西高東低を解消する起爆剤として期待される。
前述の通り、いまや馬券において切っても切り離せない存在となった外厩。なかなか一般競馬ファンには届かない内容ではあるが、G1シーズンともなれば重要度はさらに増してくる。もちろん弊社では、引き続き外厩も含めた各馬の動向に目を光らせていく次第。会員様は配信コンテンツに添えられる詳細にもご注目いただきたい。

それでは本題へ、今週斬るのは土曜阪神12R「4歳以上2勝クラス」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に3番人気となった10番チュウワハートだった。

『再転入初戦の前走V。最後に2頭に外から並ばれつつ渋太く粘った勝負根性は極めて高く評価すべきだ。思い起こせば当該舞台の新馬戦3着時の勝ち馬はあのセラフィックコール。その後は芝を3戦して未勝利も笠松の初勝利から4連勝中である。ここは3ヵ月ぶりも乗り込み十分で、併せ馬で格上をあおるなど仕上げに抜かりはない。ダートではまだ底見せておらず、5連勝期待だ』という見立て。

レースは14頭立て。スタートで2番人気の8番シンヨモギネスが大きく出遅れ。軸馬10番チュウワハートも立ち上がるように出たがすぐに立て直す。外から勢いよく12番シゲルショウグンが先手の構えを見せたが、軸馬10番チュウワハートがこれを制して簡単にハナ。1番人気の4番フルングニルは出たなりで好位の4番手。4番人気の5番ハギノサステナブルは中団やや後方に構えた。
向こう正面に入っても軸馬10番チュウワハートは先頭。1000m通過1分3秒5のミドルペースを刻む。3角手前では先頭からシンガリまで約10馬身ほどの隊列。後方集団が活性化しつつ集団は4角へと向かった。
ここで番手にいた12番シゲルショウグンや4番フルングニルが前に並びかけるが、最内先頭を走る軸馬10番チュウワハートはまだ余裕の手応え。一方、出遅れた8番シンヨモギネスも猛烈な勢いで大外をマクってくる。いよいよラストの直線、早々にエンジンに点火した軸馬10番チュウワハートが後方を千切りにかかる。残り200m地点で後ろとの差はおよそ4馬身の独走態勢。対する追撃勢の中では、8番シンヨモギネスと5番ハギノサステナブルの脚色が目立ったが…。
結局、終始楽な手応えで先頭を守り切った軸馬10番チュウワハートが1馬身1/4差で優勝。2着、3着には最後に脚を伸ばした8番シンヨモギネスと5番ハギノサステナブルがそれぞれ入線する。1番人気の4番フルングニルは決め手を欠いて4着まで。

この結果により、「馬連8-10、1,600円&3連複5-8-10、3,150円」の的中などをお届け。残り200m地点で軸馬独走、そして2、3着争いも対抗馬であり、「安心安全のアスコット」らしい回収劇だったといえるだろう。また、馬連は1点目の大本線的中ということで資金集中していたことも強調すべきか。いずれにせよ、土曜のうちに当週のプラスを確定させたという意味で一定の評価をいただける会心鞍となった。
他にもこの週は、土曜中山7R「馬連3-5、940円や、日曜中山5R「3連複、7-8-16、3,460円など随所で的中をお届け。厳選勝負鞍、新馬未勝利予想といったメインコンテンツで「打率5割」の水準を堅守した。

実績十分の春シーズンとはいえ、いささかも衰えない弊社予想部。そして今週末は昨年に3連単的中をお届けした「阪神大賞典」をはじめ、4つの重賞がスタンバイしている。いずれも今後のG1を占う重要な一戦であると同時に、馬券的にも興味の尽きない顔ぶれだろう。果たして、追い風に乗る弊社予想部はどんな切り口で攻略するのか。会員様各位は首を長くして今週末の配信をお待ちいただきたい。

3/2-3/3・2回中山・2回阪神3日4日・2回小倉7日8日

勢いを象徴する的中劇 〜日曜阪神12R・4歳以上2勝クラス〜

先週の注目は3歳クラシックの前哨戦・弥生賞。今年は6番人気コスモキュランダが勝ち、単勝は3490円、3連単は30万円超えの高配当決着となった。勝因のひとつは、1000m通過60秒4というスローペースに対する鞍上の判断ではないか。コスモキュランダは3角手前から大マクリを打って見事に重賞初制覇となった。そのデムーロ騎手はこれまで皐月賞を4勝。そんな男が弥生賞を勝ったのだから本番でも要注目である。
実際、今年の弥生賞の勝ちタイム1分59秒8は優秀な部類。弥生賞が2000m戦になった1984年以降、2分を切ったのは2016年のみである(勝ち馬はその後ダービー馬となるマカヒキ)。特に今年の芝は良馬場に回復した直後だった。スローの上がり勝負とはいえ自ら動いて勝ちに行った内容は価値がある。なお、コスモキュランダの父アルアインは2017年の皐月賞馬。当時は9番人気の伏兵だったが、本番では前後半1000m=59秒0-58秒8、勝ち時計1分57秒8という高速決着を好位から押し切っている。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜阪神12R「4歳以上2勝クラス」ダ1400m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に4番人気となった9番ジュストコルだった。

『小倉の西日本新聞杯(芝1200m)を除外されこちらに回ってきたが、ダートも走れるのは3走前=京都ダ1400mの3着で証明済みだ。今回のメンバーを見ても前走で掲示板入りしているのは自身も含めて4頭と小粒な構成。自身が持つ1分24秒1だけ走れればここでも上位争い必至である。3走前より斤量が4キロ軽くなることも大きな魅力。栗東坂路で馬なりのまま4ハロン51秒4-12秒5をマークしたようにデキも特筆可能であり、ここが狙い目』という見立て。

一頭除外が出て14頭立ての施行。ダートは昼間まで稍重だったが9R時点で良馬場に回復していた。レースは各馬が綺麗な好スタートを切ると、芝を長く走れる外枠勢が先手を伺う。軸馬9番ジュストコルもハナを切れそうな開幕ダッシュを見せたが、鞍上の古川奈穂騎手は一歩引く構えだ。結局、好発を決めた13番モズブーナーが自然な形で逃げ態勢に。
有力どころでは1番人気の5番ヴィヴァンおよび2番人気の11番カッティングジェムが中団やや前目の位置取り。弊社が穴馬として注目した14番メイショウキッド(8番人気)は最後方待機を選択する。
逃げる13番モズブーナーが快調に飛ばし、前半800mは46秒5のハイペース。だが直前まで稍重だった馬場は脚抜きが良く、3角を過ぎてもモズブーナーの手応えには余裕あり。その後ろをピッタリとマークする軸馬9番ジュストコルも余力十分だ。4角で各馬が一斉にスパートをかけると勝負はいよいよ最後の直線へ。
コーナーを回り切ると、軸馬9番ジュストコルが逃げる13番モズブーナーをあっさりパス。残り200m地点で追い込み勢との差は約5馬身というリードで、この時点で軸馬の馬券圏内はほぼ決まりの情勢。残すは相手だが、逃げた13番モズブーナーが意外な粘りを発揮して…。
結局、1着は軸馬9番ジュストコルが確保。猛追した5番ヴィヴァンは1/2馬身差の2着、3着は残り50m付近で13番モズブーナーをかわした11番カッティングジェムが入線。大外を急追した14番メイショウキッドが4着となった。

この結果により、「馬連5-9、1,590円&3連複5-9-11、2,940円」の的中などをお届け。無論、いずれの買い目も大本線の回収劇となった。なお、軸馬が4番人気・1着ということで単勝770円はもちろん、3連単2万0,700円をビッシリ獲った会員様も多数。得意の2回中山開催の二週目ラストを大団円で締めくくった次第だ。
他にもこの週は、土曜小倉8R「馬連6-13、1,730円&3連複6-9-13、2,150円の本線的中など、厳選勝負鞍は4戦4勝を記録。新馬未勝利予想、メインレース予想の的中も含めて、まさに的中量産の2日間となった。

実績ある2回中山開催の2週目でさらに勢いを増す弊社予想部。今週末は昨年に「3連複2万4,760円」の高配当的中をお届けしたフィリーズレビューも控えている。いずれにせよ、弊社予想部の引き出しには勝負馬の在庫がまだまだ豊富。会員様におかれましては、もう一段の加速を期すアスコットに多大なるご期待をお寄せいただきたい。

2/24-2/25・2回中山・2回阪神1日2日・2回小倉5日6日

開幕週の会心の一撃 〜日曜阪神11R・阪急杯〜

映画「アラビアのロレンス」の主人公邸宅はサウジアラビア西部。世界的名作の舞台となった同国はイスラム教の厳しい戒律下にあり、実はテレビやコンサートのみならず、映画の上映も厳しく制限されてきた。そういう意味では、先週の「サウジカップ・G1(キングアブドルアジズ競馬場)」に隔世の感を覚えた方も多いのではないか。なにせ、数年前まで映画館すらなかった砂漠の国で、世界最高の1着賞金1千万ドル(約15億円)の競馬が開催されたのである。
施行4回目となった今年も日本からウシュバテソーロにデルマソトガケ、そしてレモンポップの現役3強が参戦。これまでよりタフな馬場との前評判からも「差し勢有利」との見立てだったが、ゴール前は想像を上回る迫力だった。
米国の先行馬も揃った今回は800m通過46秒01秒という驚異のハイペース。最後は激しい差し合いの末、セニョールバスカドール(牡6歳/米)が、川田将雅騎手が手綱をとる日本のウシュバテソーロ(牡7歳)をアタマ差交わして優勝した。土曜深夜のテレビ中継に手に汗握ったファンも多かったはず。惜しくも敗れたとはいえ、日本代表ウシュバテソーロの激走は印象深かった。
その悔しさをいくらか和らげたのが、同日に行われたその他の重賞。サウジダービー・G3に出走したフォーエバーヤング(牡3歳/矢作厩舎)と、リヤドダートスプリント・G3のリメイク(牡5歳/栗東・新谷厩舎)の優勝だ。こと前者は今春のケンタッキー・ダービー(チャーチルダウンズ競馬場)を目指すと公言しており、偉業達成に期待がかかる。かつて国際ダートG1では歯が立たなかった日本馬がここ数年は世界を舞台に大活躍。今年からは国内ダート路線の競走体系が整備され、より一層の強化が図られるのだから楽しみは尽きない。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜阪神11R「阪急杯」芝1400m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった1番ウインマーベルだった。

『昨年の阪神Cを勝利して24年の初戦に臨むウインマーベルが主役。その前走は22年のスプリンターズS・2着以来の快走。前半33秒1というハイペースを好位で追いかけて後続を抑え込んだ。好メンバー相手にレコードと0秒1差は極めて価値が高い。一時の不調はスタートの不安定さや状態由来のものだが、昨秋からスイッチが入って調教も動くようになってきたことを強調できる。
この中間も僚馬を7馬身追走して楽々併入。6ハロン83秒5-ラスト11秒4を余力十分にマークするのだから具合は相当いい。言わずもがな今回は前走快走している舞台だし、課題のゲートも鍛錬を重ねて大きく改善が見られる。戦績から雨馬場カギだが進化した現状なら対応する可能性が大。ポジションを取れるセンスから内枠歓迎だし、能力はアタマひとつ抜けた存在。あっさりも』という見立て。

レースはフルゲート18頭立て。週中から天候が悪く日曜は朝から終日雨。芝は重、ダートは不良馬場。開幕週も時計がかかる状態だった。スタートで10番デュガが大きく出遅れたが、その他は各馬の発馬が揃った序盤。なかでも16番アサカラキングが好ダッシュで先手を主張し、もう一頭の逃げ候補5番メイショウチタンが引いたことでハナを取り切った。
スプリント戦らしく中団がごった返すなかで、番手には9番サトノレーヴと軸馬1番ウインマーベル。2番人気の15番ダノンティンパニーは中団より後ろの位置取りとなった。
前半3ハロン通過は33秒9。これは良馬場で行われた昨年と変わらず、今年の馬場を鑑みれば明らかにハイペース。それでも16番アサカラキングは手綱を抱え気味で最後の直線へ向かう。
4角の時点で予想されたことだが、最後の3ハロンは11.4-12.0-12.5と減速する消耗戦に。結局、逃げ切り態勢だった16番アサカラキングに軸馬1番ウインマーベルが並びかけたところがゴール。最後はクビの上げ下げの際どい勝負だったが、ハナ差で後者に軍配が上がる。勝ち馬1番ウインマーベルの直後で狙っていた2番サンライズロナウドがクビ差まで詰め寄って3着を確保した

この結果により、「馬連1-16、1,000円&3連複1-2-16、7,140円の的中をお届け。軸馬ウインマーベルは過去の道悪で着順が悪く、戦前に適性を危惧する声も上がっていた。だが「一時の不調から脱却して充実期に入った今なら雨馬場も適応可能」とした予想部の見立てが正しかったといえる。また、調教欄に時計のなかった(ウッド・坂路以外で調教していた)ことで取捨が問われたサンライズロナウド(9番人気)を迷わず対抗に据えた点も素晴らしい。結果、馬連のみならず3連複70倍も大本線的中。まとめて勝負した会員様も納得の成果だった。
他にも、土曜阪神10R伊丹S「馬連7-11、650円&3連複5-7-11、1,880円の本線的中など厳選勝負鞍は4の3をマーク。その中に日曜中山9Rの◎エルフストラック(8番人気・2着)が含まれていたことは強調したい。安定的中が求められる同コンテンツで後ろから数えた方が早い穴馬(日曜中山9Rは13頭立てだった)をピックアップしたことには大きな価値があるはずだ。他にもこの週は新馬未勝利予想で2戦1勝。高アベレージの維持はもちろん、予想部には今後も「攻めの予想」を届けることを強く要望する。

ハイシーズンの入り口ともいうべき2回中山開催の初週も上々の結果を残した弊社予想部。得意の春開催だけに今後も勝負鞍候補は枚挙に暇がない。本格化するトライルはことに注目だ。会員様におかれましては、早春の大爆発を期す弊社アスコットになお一層のご期待をお寄せいただきたい。

2/17-2/18・1回東京・2回京都7日8日・2回小倉3日4日

盲点を突く会心の一撃 〜土曜東京12R・4歳上1勝クラス〜

ウシュバテソーロやレモンポップなどの一線級が揃って不在。そしてドライスタウトやウィリアムバローズといった安定株、加えて根岸Sの上位馬までもが回避した今年のフェブラリーS。戦前から大混戦と称されたように各出走馬が色気を持って臨んでいたはずだ。そんなパワーバランスが関係したのか、序盤のレース展開は前半600mが33秒9、800mは45秒6という芝でもハイペース判定がつく急流となった。それも厳冬期のタフさが求められる馬場。先週はいくらか時計の出る馬場だったとはいえ、先行馬にとってはたまらないペースである。

だが、勝利したのは好位外目を追走していたペプチドナイル。前を追いかけた馬が次々と脱落するなか、先行抜け出しで押し切ったのだから並外れた心肺機能である。顧みれば、昨夏のオープンで先行して連勝した本馬は、控えたエルムSで13着大敗。ブリンカーを装着していることからメンタルの脆さが指摘され、その後の2戦は掲示板も確保できなかったことは記憶に新しい。

だが、昨年末のベテルギウスSでまさに一変、勝負どころで位置を下げながらも鮮やかな差し切りVを決める。ここが本馬のターニングポイントだったのではないか。結局、フェブラリーSでは初のマイル戦かつG1という新たな課題をクリアしてのタイトル奪取となった。

サラブレッドの「変化」というのは得てして急激に起きるもの。そんなことを再認識させられた今年のフェブラリーS。なお、地方から参戦したミックファイアは当レースでマイルの時計を4秒以上詰めた。伸び盛りの明け4歳とはいえ初の東京コースでこの「変化」は何を物語るのか。敗れた他の馬も含めて、より注意深く観察していきたい。

それでは本題へ、今週斬るのは土曜東京12R「4歳上1勝クラス」ダ1600m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に5番人気となった1番ピックアップラインだった。

『5走前に未勝利戦を勝ち上がると、1勝クラスでも健闘中。特に今回の舞台となる東京ダ千六では【0-1-1-1】で唯一の馬券外も4着と安定した走りを見せている。なお、2走前は8着と惨敗だったが、これは久しぶりの中山ダ1800mだから参考外。詰まった間隔の方が良いタイプであり、この中間は大きなストライドかつラストの伸び上々と引き続き好調である。前走で時計レベルもクリアしており、このメンバーなら好走必至』という見立て。

レースはフルゲート16頭立て。スタート直後に3番人気の8番ノルドヴェストが躓くアクシデントが発生するなか、大外の16番ベネロングポイントが好発を決める。同じく好スタートの6番アンジュールも先行する構えを見せるが、これに待ったをかけたのが軸馬1番ピックアップライン。鞍上の武士沢騎手に促されるとそのままハナを奪う強気の競馬。これで早くも縦長の展開となり、中団に13番イエヴァンポルッカや10番ケンキョ。当クラスの安定勢力で今回は1番人気の12番ホワイトクロウは後方待機となった。800m通過は46秒4。速いペースでレースは進み、4角手前で馬群がやや凝縮すると、勝負は早くも最後の直線へ。

残り400m地点。先頭は依然として軸馬1番ピックアップラインだったが、3番手を追走していた16番ベネロングポイントも追い出しを開始する。この時点で3番手以下との差がだいぶ開き、勝負は前を行く2頭に絞られた。残り200mで軸馬1番ピックアップラインはまだ先頭。だが、ハイペースで逃げたことを考えれば少し分が悪いか…。

結局、1着でゴールを駆け抜けたのは速い流れを自ら作り押し切った軸馬1番ピックアップラインだった。16番ベネロングポイントは懸命に追いすがるも半馬身差の2着。3着争いは外に切り替えた10番ケンキョに軍配。スタートでアクシデントに見舞われながらインを猛追した8番ノルドヴェストはアタマ差の4着と挽回した。

この結果により、「馬連1-16、2,270円&3連複1-10-16、1万3,380円の的中をお届け。明確に外枠有利の東京ダート1600mだが、デキの良さと能力比較から最内1番を軸馬に指名したことは予想部の慧眼。軸馬1番ピックアップラインはむしろ内枠を引いたことで5番人気まで人気を下げてくれたとも言えるだろう。無論、数少ない買い目の中に7番人気の10番ケンキョを抜粋していたこと、そして万馬券の的中ということもあって会員様からは高い評価を頂戴した。他にもこの週は日曜東京9RヒヤシンスS「馬連1-11、1,480円の本線的中など、「厳選勝負鞍」は4戦3勝をマーク。高打率を続ける「新馬未勝利予想」も2戦1勝として、1回東京の開催最終週を難なく締めくくった。

さて、今週末開幕の2回中山、1回阪神開催といえばG1レースの前哨戦目白押し。いよいよ本格的な春競馬の到来となる。また、翌週で小倉開催も終了し、開催3週目からは1回中京の開幕も控え、ここからはまさに競馬のハイシーズン。会員様におかれましては、まずは開幕ダッシュを誓う今週末の提供を楽しみにお待ちいただきたい。