1回中山・1回京都7日・8日目

開催替わりを機に猛反撃を期す ~日曜中京8R 4歳上500万下~

1000m通過61秒5という予想通りのスローペースとなった「AJCC」は、絶好位3番手からアッサリと突き抜けたネヴァブションが1着ゴール。良発表とはいえ時計を要すパワー優先の馬場だけに、積極策を取った鞍上・横山典の好判断が光る。正直なところG1では悲しいほど勝ち切れない乗り役だが、G2・G3においては信頼性絶大と言っていい。それにしても前走の「中山金杯」とは別馬のような行きっぷりを見せたネヴァブション。逃げに回って健闘した「ジャパンC」の走りを思えば不思議ないのだが、ならば「中山金杯」の後方待機策は何? という印象もある。中位から差したエアシェイディが2着に入り鮮やかな伊藤正徳厩舎の『親子丼』完成。馬場状態&他馬より1キロ重い58キロを背負っての結果だけに一定の評価は必要。1番人気ドリームジャーニーは直線伸びを欠き離された8着という惨敗。決め手を削がれる馬場が全てだった。
それでは本題へ。今週斬るのは日曜中京8R「4歳上500万下」ダート1700m。このレースで弊社予想部が軸馬として期待したのは2番人気の11番ブチカマシ。「近走一連の安定したレース内容を評価してブチカマシを軸馬とする。この鞍上の▲3キロ減がかなり効いている感じで、以前の同馬からは考えられないほど行きっぷりが良くなった。デキは高いレベルで安定しているし、前走あたりに比べると組み合わせも楽。待望の中央初勝利が期待できる」という見立て。
レースは3番トランプの先導で1000m通過63秒4というスローペース。2番手に8番ユメイッポ。以下12番マイディアサン、7番エーシンエヴァンと続いた。軸馬ブチカマシは当初中団に待機。しかし、緩い流れにかなり行きたがる感じで、向正面に入ると外を回ってスーッと前に接近していく。結果的にはここで脚を使ったことが最後に響いてくる。4コーナーで2番手に上がったマイディアサンが直線に入り楽々と先頭に立つ。残り200m地点でこれの首位は確定、焦点は2着争いとなった。その2着争いはエーシンエヴァンとブチカマシの2頭。4コーナーの脚いろではブチカマシ優位と思えたが、道中で脚を使った分ラストの詰めを欠きエーシンエヴァンに軍配。結果、「3連複7-11-12、970円」は1点目の大本線的中。1・2・3番人気の決着としてはマズマズの配当になった。
このひと鞍だけに関して言えば渋々納得もいくのだが、先週のこのコラムでも記載した通り、ここ2週間は明らかに提供レースの選択ミスが目立ち、『アスコットさんらしくない』という会員の方のご指摘が多かった。こういった言葉を皆様から頂けるのは、裏をかえせばそれだけ昨年は結果を出してきたからこそとも言えるのだが、いずれにしろ到底満足のいかない開幕開催。特にこの開催で目立ったのが「軸馬快勝→2着ヌケ」という実に歯痒いパターン。無論、忸怩たる思いは会員の皆様も我々も同じ。今ひとつ実を結ばない中山・京都開催ではあったが、こういった状況が長く続かないのが弊社アスコットシステムズ。次々と打開策を講じることに加え、幸いなことに今週末は開催替わり。場所が替われば流れも変わる。必然的に結果も変わってくることは間違いない。競馬情報会社の意地と矜持をかけて事にあたっていく所存。まずは開幕週、引き続き多大なるご期待をお寄せいただきたい。

1回中山・1回京都5日・6日目

的中は的中として ~日曜京都8R 4歳上1000万下~

『気楽に後方で待機していた人気薄の馬が前崩れに乗じて浮上してくる』。『人気上位馬が後方で牽制し合った結果、無欲で逃げた人気薄の馬が粘り切る』。数十年前から語り継がれる展開関係の、いわゆる「荒れパターン」の二大格言だ。最近のレースから典型的な例を挙げると、前者が「有馬記念」2着時のアドマイヤモナーク。そして後者が先週末の「日経新春杯」を逃げ切ったテイエムプリキュア、ということになる。このレース、テイエムプリキュアの逃げペースは1000m通過61秒1だから超スローというほどではない。とはいえ、2番手以下が全く絡む気配すら見せず文字通りの単騎逃げとなった点は望外の「オイシイ形」だったはず。テイエムプリキュアとて、腐ってもG1ウイナーだ。しかも最軽量ハンデの49キロ……等々。まぁ、それも全て終わってみれば、のお話。仮にこの展開がレース前から読めていたとしても、大概は「それでも勝手にいなくなる」と考えるはず。改めてレースは生き物と再認識する一戦ではあった。それにしても、つくづく重賞レースは難しい。
それでは本題へ。今週斬るのは日曜京都8R「4歳上1000万下」ダート1900m。このレースで弊社予想部が軸馬としたのは1番人気となった1番ミッキーウィスパー。「中央再転入初戦の前走を余裕残しの馬体で完勝したミッキーウィスパーが軸馬。ダークメッセージやケアレスウィスパーの下で素質十分だし、まだまだ上積みも見込める馬。1000万がカベになる素材ではなく、昇級初戦から狙い撃ちといきたい」という見立て。
レースは最内枠を利して軸馬ミッキーウィスパーが先導する展開。1000m通過63秒8という、いい感じの平均ペースの逃げ。2番手に2番スズノマグマ。以下9番インプレスゴールド、3番ワンダームシャと続き、ほとんど隊列に変動のないまま4コーナー。快調に逃げるミッキーウィスパー。直線に入り4番アドマイヤレグルスが外から並びかけてきたが、残り100mから再加速。最後は3/4馬身突き放して1着ゴール。2着はアドマイヤレグルスが確保して「馬連1-4、580円」の本線的中となった。
とはいえ、先週末は弊社らしからぬ不的中が目に付く提供内容。ここで『提灯記事』的なものを書くつもりは毛頭ない。ひと言で先週の予想部は、何よりも「レース選択の誤り」が目立ちすぎた。無論、巻き返しを期して週明け早々から様々なことに取り組み、試行錯誤を繰り返していることは百も承知。特に次開催、東京・京都開催からは高的中率を維持しつつ、更なる回収率向上のために様々なシステムを導入することがすでに決定している。しかし、それはまだ先の話。悲しいかなこの世界は「週単位での結果」で評価される。会員の皆様から大事なお金を預かって情報を提供している以上、ハッキリ言えば的中して当たり前の世界だ。「大事の前の小事」「嵐の前の静けさ」と言えなくもないが、予想部には猛省を促すとともに、今一度全ての情報、そして作業の見直しを厳命しておく。
早くも年明け開催の最終週を迎える今週末。不完全燃焼続きの過去3週を忘れさせるような会心の的中を期し、弊社に属する全ての人間が動き出している。そして最高の形で次開催に繋げるので会員の皆様には引き続きご期待いただきたい。

1回中山・1回京都3日・4日目

安心の的中鞍 ~日曜中山12R 4歳上1000万下~

平均ペースの好位から問題なく押し切った「シンザン記念」のアントニオバローズ。これで未勝利→重賞の2連勝というエリートコースに乗ったわけだが、この「シンザン記念」のレースレベル自体はそれほど高くない。アントニオバローズの能力が極上であることは間違いないが、その点でロジユニヴァースと完全に肩を並べたとは言い切れない。次走、もう一度注意深く見守る必要がありそうだ。言うまでもなく、このレースで2着以下に敗れた馬たちの評価はかなり落として構わない。
それでは本題へ。今週斬るのは日曜中山12R「4歳上1000万下」芝1600m。このレースで弊社予想部が軸馬として期待したのは1番人気に推された11番キョウエイストーム。「2・2・1・0のコース実績通り中山だとまるで走りが違うキョウエイストームが軸馬。差し・追い込み型が大半を占めるここでは、この馬の好位差しのレースパターンが何よりも心強い。距離の1600mもベストで頭ひとつ抜けた存在だ。危なげなく抜け出してくれるはず」という見立てだった。
レースはシルクパナシアの先導で戦前からの予想通り半マイル通過49秒0というスローペースになった。軸馬キョウエイストームの位置取りは外目の3番手、まさに正攻法のレース。しかし、そのすぐ前の番手にキッチリとはまった10番オリオンザドンペリの存在が道中から気にはなっていた。4コーナーから直線に入り、満を持してという感じでオリオンザドンペリが抜け出す。それを追ってキョウエイストームが脚を伸ばす。レース内容としては文句のないものだったが、結果的に半馬身差まで追い詰めたところがゴール。残念ながら道中の位置取りの差がそのまま結果に反映された格好だ。とはいえ「馬連10-11、1230円」は危なげのない的中。僅かに届かず馬単とのダブル的中は逃したが、3番人気-1番人気の組み合わせでこの配当ならマズマズ、ひとまず納得はいく。アスコットらしい安心の的中鞍という自負もあるのだが、開幕週に続き「もう一本」という切実な思いもまた、隠しきれない。会員の皆様から寄せられる声も「的中は出ているけど……」という『煮え切らない感』満点のものが大半。無論その思いは弊社としても同じ。他の提供でも土曜京都9R飛梅賞の8番人気メイショウダグザ、日曜中山7Rの2番人気サクラリーバポート、同じく日曜中京11R名鉄杯の8番人気ニシノナースコールなど、連軸としては自他共に認められる提供を行っているものの、馬券的に的中をお届けできていない。全くもって歯痒くて歯痒くて仕方がないが、年明けからの提供内容からもちょっとしたきっかけでガラッと状況が変わる現状であることもまた事実。今週末こそ完全燃焼を、社員一同そう心に刻んで黙々と仕事に入っている。会員の皆様には引き続き多大なるご期待をお寄せいただきたい。

1回中山・1回京都1日・2日目

焦点はハナ差の3着争いだった ~日曜中山9R 寒竹賞~

G3、あるいはG2なら強いのに、G1となるとどうにもレースにならない。そんな馬は少なくない。と言うより、ごく一部の超A級を除くオープン馬はほとんど全てがそれ。たとえば少し前のエアシェイディあたりがその典型。「中山金杯」を連覇したアドマイヤフジもどうやらそんな一頭のよう。ディープインパクト世代の顔役的存在で、この日のレース内容も堂々たる横綱相撲。しかし、G1で同じレースができるかというと甚だ疑問。まぁ「中山金杯」を勝つような馬は所詮その程度、と言ってしまえばそれまでなのだが……。
それでは本題へ。今週斬るのは土曜中山9R「寒竹賞」3歳500万下・芝2000M。このレースで弊社予想部が軸馬として期待したのは5番人気と意外なほどの低評価だった6番ピースオブラック。「全体の時計も上がりも平凡なピースオブラックの新馬戦だが、仕掛け詰めの追走から直線で更にもうひと伸びのレース内容がかなり衝撃的。このタイプ、あるいはケタ違いの可能性がある。ここは素質を感じる牡馬との対戦となるが、得体の知れない強さに期待して軸馬とする」という見立て。
レースは9番タイフーンルビーが1000M通過58秒3という超ハイペースで大きく離して逃げる展開。軸馬ピースオブラックは後方3番手という、流れを考えるとある意味で絶好位を追走。4コーナーでも2番手以下を離していたタイフーンルビーだが、残り100M地点でさすがに失速。それを真っ先に交わしたのが1番ベストメンバー。続いてピースオブラックも問題なく抜き去る。そのままの順番でゴール板を通過。3着は内で逃げ粘ったタイフーンルビーと外から差したメイショウパルマの写真判定。結果、後者がハナ差で3着。「馬連1-6、1610円&3連複1-2-6、1040円」という、幕開けイキナリのダブル的中が成立した。それはそれで大いに結構。会員の皆様には本当の意味で「明けましておめでとうございます」のひと鞍にはなったと自負している。しかし、返す返すも残念なのがハナ差の3着争い。逆の目が出ていれば、3連複1-6-9の最終オッズは何と53.7倍。これなら皆様への格好のお年玉となったのだが……。繰り返しビデオで確認しても残っているように見えるは、恐らく『欲目』ということなのでしょう。いずれにしても「ダブル的中はダブル的中」と心の内に言い聞かせてはみるのだが、それにしても、という思いは人情としてご理解いただけるはず。間違いなく、会員の皆様も同じ思いを抱いているのだから。
正直なところ勝負鞍でもう一本的中が欲しかった開幕週だが、まずは無難な滑り出しとなったアスコットの2009年。昨年度のトータル的中率42%は例年通り特筆すべきことではないものの、下半期は50%をキープする安定感のある内容。しかも全敗週が一度もなしとまずまずの結果。今年はその的中率を維持しつつ、例年以上に『配当妙味のあるレース選択』で攻めの姿勢を忘れず、皆様に毎週末の的中をお届けする所存である。今週末からは早くも3場開催となるが、言うまでもなくその準備は万端に整っている。競馬開催日の提供を楽しみにお待ちいただきたい。