9/28-9/29 4回中山・3回中京8日9日目

高打率で締めた4回中山開催 〜日曜中山8R・3歳上2勝クラス〜

1ハロン9秒9という驚異的なスピードが刻まれたのが先週のスプリンターズS。同ラップは前半の2ハロン目で、次の3ハロン目が10秒4。前半3ハロンは実に32秒1(1986年以降の同レース最速)とは恐れ入る。極限の流れを作ったのはピューロマジックだ。今回は横山和生騎手から父・横山典弘騎手への手替わり。これまで通り序盤から飛ばすのか、もしくは何か別の作戦があるのか…。多くのファンが乗り替わりの“意図”を探ったはずだ。だが思い返せば、この日の同馬はややイレ込んでいた。対して、鞍上の典弘騎手は馬のリズムを重視するタイプである。この2点を踏まえると、ピューロマジック逃げを無理やり抑え込む選択肢は、そもそもなかったのかもしれない。

その過酷なペースを好位から流れに乗って押し切ったのがルガルだ。同馬は今春の高松宮記念1番人気だったが、レース後に骨折が判明し、不完全燃焼の10着からのカムバックだった。今回はそれから6ヵ月ぶりの実戦のも関わらず、好メンバー相手にこのパフォーマンスならケチのつけようがないだろう。4代母ミエスクはG1を10勝、BCマイルを連覇したスピード自慢の牝馬であり、その初仔キングマンボは日本国内お馴染みの主流種牡馬。父ドゥラメンテにもトニービン、エアグルーヴ、サンデーサイレンス、キングカメハメハといった名馬の血が凝縮されている。しかも本馬はまだ4歳。これからさらにタイトルを重ねて、真のチャンピオンになる期待は十分だ。

2着トウシンマカオも現在の充実ぶりを表すかのような好走だった。差しに回る脚質から内枠が危惧されたが、インベタで伸ばしてくる、まさにこれしかないというレースぶりだった。もちろんピューロマジックが作ったハイペースに助けられた部分はある。それでも、かつてよりいい位置をとって巧みに馬群を捌いてきた点を高く評価すべき。前走のセントウルS(1着)で課題の左回りを克服したこともしかり、ここにきて器用さや操縦性に磨きがかかってきた。

対称的に、ナムラクレアは外を回しての3着。レース後に鞍上横山武史騎手が述べたように、本来はトウシンマカオのようにイン差しを実行したかったはず。それでも直線は目を惹く伸び脚だった。これでG1は〈0-2-1-1〉。またしても“負けて強し”の勲章を増やすことになった。なお、4着ママコチャ、5着ウインマーベルまではいずれも一線級の力を発揮している。こと2~5着までの順番は展開のアヤであり、序盤のペースがコンマ数秒遅ければまた違った着順になっていたはずだ。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜中山8R「3歳上2勝クラス」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった11番ウンガイソウテンだった。

『昇級戦の前走は五分の発馬から少し押して楽に先手。道中を折り合い良く進むと、ラストでさらにグイッと伸ばしての押し切りVだった。終始後続にマークされるキツイ展開だったことはもちろん、勝ち時計1分52秒6も昇級即通用のタイム。先手から全体2位の上がりを使えたことも大きな加点材料である。この中間は体全体を使って素軽さ抜群。ここは昇級も先行馬が兼ね合いそうな組み合わせだし、引き続きの同舞台&同騎手。連勝濃厚』という見立て。

レースは13頭立ての良馬場。およそ揃ったスタートから9番カンジが飛ばしていくと、外から軸馬11番ウンガイソウテンも続いて2番手を確保する。その後ろには3番人気の6番ブレイゼスト。2番人気の12番アラレタバシルや5番デフィニティーボは中団待機となった。
レースは淡々と進み、1000m通過は1分03秒4のスローペース。こうなると先行有利は明白であり、結末もあっけないものだった。後続馬が押し寄せてくるラストの直線手前で“持ったまま”だった軸馬11番ウンガイソウテンが追い出すと、あとは独走態勢である。4馬身差の2着は遅れ差しの12番アラレタバシル。3角手前でマクリ気味に進出した5番5番デフィニティーボが3着に粘り込んでいる。

この結果により、「馬連11-12、680円&3連複5-11-12、1,650円の的中をお届け。馬連は1点目の大本線、3連複も目数を絞っていたため、弊社らしい安心の回収劇といえるだろう。だがこのレースは直前までオッズが乱高下していたことが興味深い。特に的中した馬連11-12は午前中の9倍台から、レース1時間前に5倍台へ急騰。最終的に約7倍に落ち着いたとはいえ、肝を冷やしたことに違いはない。何があったのかはおよそ見当つくが、ことG1開催日のオッズ変動は油断ならないと改めて感じた次第である。
この週は他にも、土曜中山11R・秋風S「3連複1-12-14、1,780円の本線的中や、特注で挙げた日曜中山10R・サクラバクシンオーC「馬連3-10、4,140円&3連複3-6-10、8,370円などなど、土日を通じて数々の回収鞍を届け。メインレースをふたつ仕留めたうえに、厳選勝負鞍の軸馬成績も〈1-2-1-0〉なら、無事に4回中山開催を締めたと言って差し支えないだろう。とはいえ、我々の攻勢はまだまだこんなものではない。東京開催に入り、むしろここからが本番と捉えている。そう断言できるだけの材料が我々には確かにある。勝負どころ目白押しの今週末以降に、なお一層のご期待をお寄せいただきたい。

9/21-9/22 4回中山・3回中京6日7日目

現状の馬場に合致した軸馬 〜土曜中山6R・3歳上1勝クラス〜

先週、中山で行われたールカマーはCコース替わり初週&クッション値も高く、かなり内有利の馬場状態。午前中に吹いていた最大風速10m超の強風がお昼を境に弱まったこともポイントとなった(レース中は北西からの風速2~3mほどに)。
それに加えて、前後半1000mが61秒0秒-58秒4と超スローペースなのだから前残り決着は必然である。とはいえ、勝ったレーベンスティールは別格の強さだろう。北海道の重賞で主導権を握ってきたアウスヴァールが前へ行くと、スタート決めた同馬も番手後ろの絶好位へ。道中はいつものようにかなり折り合いを欠くロスがあったが、鞍上のルメール騎手が珍しく強めに抑え込んで事なきを得た。見モノだったのはラスト100mあたりだ。

極端にペースを落とさず、持続力勝負にもちこみたいアウスヴァールの巧みな逃げにより、2番手のリカンカブールも十分に余力を残す最後の直線。その直後に陣取ったレーベンスティールにとっては、切れ込む進路がまったく見当たらなかったが…。それでも僅かなスペースを突き、文字通り瞬く間に抜け出してしまうのだ。事実、この日のレーベンスティールはエプソムCの時ほどテンションが上がらず精神面の成長が見られたし、付くべきところに筋肉が付いて体にもメリハリも出ていた。今回の驚異的な逆転劇の裏には、同馬の「進化」が不可欠だったはずだ。おそらく今がこの馬の充実期。のちに控えるG1戦線が楽しみになってきた。

なお、今週はJRAより2025年度の日程および番組改編が発表されている。当欄でも追って触れていく予定だが、会員様も主催者サイトにてご確認いただきたい。

それでは本題へ、今週斬るのは土曜中山6R「3歳上1勝クラス」芝2000m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に2番人気となった13番コスモレオナルドだった。

『現状の中山芝は先行力と機動力が必要なコンディションであり、本馬の競馬センスは大きな武器になる。昇級後も堅実な取り口を続けているように、地力も現級上位の存在だ。特に前走はゲート内で動いたタイミングで発馬するトラブルがありつつも連対を確保。前残りの展開でもいい脚を使っていたことが好印象だ。美浦に帰厩後もすこぶる順調で脚さばき軽快。強力なライバル不在のここは順当に勝ち負け』という見立て。

レースは13頭立ての良馬場。ほぼ揃ったスタートから11番アブストゥルースが先手を主張する。2番手は12番イージーブリージー、その直後に軸馬13番コスモレオナルドがつける。隊列はかなり縦長な展開となり、6番コスモアバンサや圧倒的1番人気の7番クルミナーレ、9番ホウオウムサシも中団待機となった。
1000m通過は1分0秒9のスローペース。その流れを察したのか、3角過ぎで後方各馬が一斉に追い出しを開始する。4角を回るとマクリ勢が猛追の勢いを見せ、対する軸馬13番コスモレオナルドは先頭で迎え撃つ構え。この時点で追い上げ勢と軸馬の差は4馬身ほどだ。
ラストは息つく間もない熱戦となった。ゴール直前、軸馬13番コスモレオナルドが押し切ろうとした瞬間に大外から9番ホウオウムサシが強襲。2着に軸馬13番コスモレオナルド、差のない3着に伏兵の一角・6番コスモアバンサが入線した。

この結果により、「馬連9-13、2,190円」の的中をお届け。弊社らしく見ていて安心・安全の的中劇とはいかなかったが、事前の見立て通り軸馬がセンスの良さを見せての連対確保。単勝1倍台の7番クルミナーレを嫌ったことは英断でもあり、会員様からは評価のお声をいただいている。
この週は他にも、土曜中山7R・3歳上1勝クラス「馬連7-10、1,680円や、特注で配信した土曜中山11R・ながつきS「馬連11-12、1,010円&3連複11-12-14、2,860円などなど、随所で回収鞍を届けしている。残暑が厳しい中でも秋の深まりは確実に近づいており、弊社の的中配当も右肩上がりの様相。予想部は引き続き攻めの姿勢を胸に、実りの秋をさらに充実させてもらいたい。

さて、早くも最終週を迎える4回中山開催。今週末のメインは秋のG1第一弾となる「スプリンターズS」。今年は海外勢2頭がエントリーしてきたうえに、日本勢の予想された有力どころは全て登録と、なかなかのメンバーとなりそう。中でも中心は「2024年サマースプリントシリーズ」の覇者サトノレーヴだ。今回の「スプリンターズS」のタイトルを取れば、名実ともにスプリント路線の新星チャンピオンとなる。ただし、本当の意味で一線級とぶつかるのは今回が初。それだけに時計の速い中山の馬場をはじめ、不安定な天候や風など、不安がないワケではなくここが試金石だろう。他にも多士済々の出走メンバーで大変に興味深い一戦。また、馬券的な妙味という点でも申し分なし。弊社は秋一発目のG1となるこのレースも勝負鞍候補のひとつとして視野に入れている。他にも今週末は勝負鞍候補が多数揃った。会員様は多大なるご期待をお持ちのうえ、楽しみにお待ちいただきたい。

9/14-9/16 4回中山・3回中京3日4日5日目

安心安全の盤石決着 〜日曜中京6R・3歳上1勝クラス〜

先週の3日間開催はふたつのトライアル重賞が組まれた。秋華賞トライアル「ローズS」中京芝2000m・G2はオークス最先着馬クイーンズウォークが勝利し、クイーンCに続く重賞2勝目をあげた。
例年ほどオークス上位馬が揃わない中で、別路線組との格の違いをみせつけたといえる。当日は稍重ではあったものの雨の影響はさほどなく、ややイン有利のコンディション。そのうえで大逃げを敢行したセキトバイーストですら平均ペースという、トライアルとしてもかなり遅い流れとなった。勝ったクイーンズウォークは2番手集団の好位につけて、直線で外に出すというお手本のような競馬。馬体も飛びも大きいだけにインの2番枠が課題として挙がっていたが、どこ吹く風と言わんばかりの競馬だった。

なお、道中で大きく離れた2番手以下は超Sペースの展開であり、後方にいた馬は物理的に届かない展開だった。言い換えれば、スタートで出脚がつかず最後方となったレガレイラには最悪の流れ。それでも上がり最速33秒1で掲示板を確保するのだから能力は確かだろう。もちろん、今後も発馬難や遅れ差しの課題はつきまとうが、タフな流れになれば(もしくは序盤に流れに乗れたら)、簡単に差し切るシーンまで想定できる。今年のローズSは有利だった先行馬を過剰評価せず、後方で展開が向かなかった馬をしっかりとチェックすべき。そんな一戦となった。

一方、ひと夏を越して大きな成長を見せたのは「セントライト記念」中山芝2200m・G2を勝利したアーバンシックだ。同馬が11着と大敗した前走の日本ダービーは異例の超スローペースで、ラスト1000mはレース史上最速の56秒8。前に行った馬、内を回った馬しか勝ち負けに加われない特殊なレースだったといえる。一方で、2走前・皐月賞のアーバンシックは強烈な上がりを使って4着に健闘。両レースの結果を踏まえると、「地力はあるがポジションが課題」というのが同馬に対する大方の評価だった。
実際、今年のセントライト記念も緩ペースとなったが…。心身が成長したアーバンシックは対応して見せた。レースではこれまで通りゲートひと息だったものの、最内枠からインのポケットをするすると押し上げて序盤に中団を確保。4角前の勝負どころでは、外をマクリあげるコスモキュランダを横目にインの好位でじっと我慢ができた。見ものだったのは、4角での加速力だろう。一気に前方外のスペースへ進出すると、あとは末脚の違いで2着コスモキュランダを差し切るだけ。戦前の不安を一蹴する快勝劇といえよう。
各陣営の悲喜こもごもが見られた秋の3歳トライアル。前述した通り、好走した馬、敗れた馬の今後を注意深く分析するのが弊社の務めである。本番でアスコットがどんなジャッジを下すのか、引き続きご注目いただきたい。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜中京6R「3歳上1勝クラス」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった10番メイショウタムシバだった。

『イレ込みが課題だったが、装鞍のタイミングを工夫した2走前から改善。特に前走は、最内枠から上手く乗った勝ち馬こそ捕え切れなかったが、自身もすぐに2番手を確保して3着以下を突き放した。その走破タイムは同日2勝クラスと同等であり、時計的にも強く支持できる。なお前走退けた3着以下からは、その後に巻き返した馬が出ていることもポイントだろう。引き続き丸みを帯びた馬体かつ力強い動きで好調。キックバックを避けられる外枠歓迎であり、ここも勝ち負け必至』という見立て。

レースは12頭立ての重馬場でほぼ揃ったスタート。出たなりで3番ハイウェイスターが前に行くと、これに5番タマモナポリも続いて行く構え。しかし2頭とも伏兵の立場であり、まったくペースは上がらない。軸馬10番メイショウタムシバは前記2頭をマークできる絶好の3番手を確保している。以降にも有力候補の9番モモンウールー、2番ゼットレジーナが続く。ペースを考慮すれば先行勢が上位独占しそうな展開だろう。
案の定、最後は平穏決着。1着に4番人気の2番ゼットレジーナ、軸馬10番メイショウタムシバもきっちり半馬身差の連対を確保。3着には好位にいた9番モモンウールーが入線した。

この結果により、「馬連2-10、1,200円&3連複2-9-10890円」の大本線的中をお届け。残り200mの地点で上位3頭が抜け出しており、見ていて安心・安全のアスコットらしい的中劇となった。この週は他にも、前記の月曜中山11Rセントライト記念「馬連6-8、570円&3連複1-6-8、1,070円や、土曜中京11RケフェウスSなどで本線的中をお届けしている。また、新馬未勝利予想も3日間で3戦2勝をマーク。得意の秋競馬らしくエンジンが掛かってきたといえるだろう。今開催最終日に控えるこの秋一発目のG1「スプリンターズS」に向けて右肩上がりは好材料。流れは確実に来ている。以降も先週以上の結果をお届けすべく、獲れるところは根こそぎ全て獲り尽くす所存だ。幸いにもオールカマー、そして神戸新聞杯ともに特注馬がエントリーしてきた。引き続き多大なるご期待のうえ、今週末をお待ちいただきたい。

9/7-9/8 4回中山・3回中京1日2日目

勝負どころ目白押しの3日間開催へ 〜日曜中京12R・3歳上1勝クラス〜

先週8日(日)、中山競馬場でサマーマイルシリーズ最終戦・G3京成杯オータムハンデ(芝外1600m)が行われた。戦前に大きく取り上げられたのが3歳牝馬アスコリピチェーノ(黒岩)の斤量55.5キロについてである。JRAの定量戦では基本的に3歳が-2キロ(時期や距離により多少異なる)、牝馬はさらに-2キロの負担重量が設定されている。今回のアスコリピチェーノは4歳以上の牡馬換算で59.5キロであり、「さすがに重いのではないか」との論争が発生したわけだ。

だが、終わってみれば独壇場ともいえる圧勝劇。中団の外めで一切慌てずに脚をためると、4角からは大外を回ってきっちりと突き抜けた。当週の中山は超がつくほどの高速馬場であり、本来は外を回ると間に合わないが、レース後のルメール騎手は「一番強いと思っていたので安全に乗った」とのコメントを残している。アスコリピチェーノへの信頼が集約されたひと言だ。

なお、3歳牝馬が京成杯AHを勝利したのは1985年エルプス以来、実に39年ぶり。同時に、「4歳以上牡馬相手のハンデ重賞」を「55.5キロ」で勝利した唯一の3歳牝馬となった。後者に関しては昨年からの斤量規定変更(全ての馬の負担重量が+1キロされた)があるとはいえ、偉業には変わりないだろう。

大きな可能性を秘めた存在だけに、気になるのはこの先だ。3歳牝馬ながら秋華賞路線ではなく京成杯AHを秋のスタートに選択した以上、このままマイル路線を歩むことが濃厚である。はたして次はマイルCS(11月17日=京都・芝1600m)か、はたまたゴールデンイーグル(11月2日=豪ローズヒルガーデンズ・芝1500m)か。今回の勝ち方を見れば、期待するのはやはり海外遠征である。世界の舞台は甘くはないが、挑戦する資格は十分に満たしている。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜中京12R「3歳上1勝クラス」ダ1400m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった5番ハリウッドブルースだった。

『今回と同舞台だった前走は後方から36秒7の末脚で追い込んできて3着。それまでの6戦はすべて1200mだったが、前走を見る限り1400mのほうが明らかに向いている。スタート直後に忙しく前を追走する必要がなく、じっくり追いあげてこられるのだ。特に今回は前走で掲示板(現級)に載った馬が不在という低調なメンバー構成。自身はひと叩きされて上積みが見込めるうえに、頭数も13頭なので捌きやすくなる。勝ち負け濃厚』という見立て。

レースは良場で行われ、序盤から激しい先行争いを展開する。大外枠から好スタートを決めた13番オールドマインが先手を窺うと、2番グランファラオもこれに追随。しばらくハナ争いを続けたが、結局13番オールドマインが主導権を奪った。だが好位にいた1番ストレングス(2番人気)がプレッシャーをかけ続けて、逃げ馬に楽をさせない構え。その直後に4番人気の6番ドゥータップ、軸馬5番ハリウッドブルースは先団を見る形の中団待機という隊列となった。
先行激化により、前半600m通過は34秒6のハイペース。一団が4角を回ると、まずは好位にいた1番ストレングスが抜け出しを図る。後方にいた軸馬5番ハリウッドブルースも外に進路を移してエンジン全開へ…。
結局、先手を打った1番ストレングスが後続を凌いで1着確保。軸馬5番ハリウッドブルースが上がり最速36秒9の末脚で追い込んで2着、番手から残した6番ドゥータップが3着入線となった。

この結果により、「馬連1-5、500円&3連複1-5-6、1,000円」の大本線的中。地味目の配当となった同レースだが、それでもこの週ラストの勝負鞍を「的中」という形で締めたことは及第点をあげられる結果だったと言えよう。ただし、残念ながら先週の勝負鞍において的中は上記のみ。正直なところ土曜の勝負どころを獲り逃しているあたり、甘いと言わざるを得ない。無論、競馬のことだから毎回毎回、好配当をお届けできるというわけにはいかない。そのことは百も承知しているのだが、会員の皆さまにとっては毎週毎週が勝負。常々この場で言っているがひと鞍ひと鞍、納得のいくものを提供してこその生業という点を常に忘れて欲しくない。幸いにも、今週末は秋序盤の勝負どころとなる3日間開催、そして秋のG1第一弾「スプリンターズS」まであと3週である。なにより数々の実績を持つ弊社予想部のこと、週中の地道なルーティンワークをより丹念に行っていけばおのずと結果がついてくるだろう。すでに現地からは勝負鞍、及び勝負馬に関する情報が次々に舞い込んでいる。“稼ぎどころ”と銘打った初秋のアスコットに、引き続きご注目いただきたい。

8/31-9/1 3回新潟7日8日・2回中京7日8日・2回札幌7日8日目

力関係を見抜いた的中劇 〜日曜新潟10R・両津湾特別〜

夏競馬の掉尾を飾る新潟記念はレース直前にアクシデントが発生。悲運に見舞われたのは、牝馬クラシック連続3着の実績から1番人気に支持されたライトバックだった。

同馬は返し馬のあと、発走地点付近に向かう途中でフリーズ。見かねたスタッフが引き手をつけて誘導を試みたところ、不幸にもハミがずれて放馬してしまった。その後が肝を冷やす顛末となった。壊れた外ラチと客席の間の細い通路を走り抜けると、なんと地下馬道を通って厩舎エリアまで到達。これまで多くの放馬シーンみてきたが、厩舎まで行くのはちょっと記憶にない。関東の地上波ではその一部始終が放送されたことにより、多くの競馬ファンがライトバックの安否を気遣うことになった。

なお、精密検査の結果、同馬の骨には異常が見られなかったとのことだが、やはりメンタルへの影響は心配だ。能力は現3歳世代でも上位の一頭。ライトバックにまた次の機会があることを心より願う。

さて、発走が約7分遅れたレースを制したのは4歳牝馬シンリョクカだ。同馬は阪神JF・2着と将来を有望視された存在で、今年4月の福島牝馬Sでも3番人気に支持されている。しかし、そこで他馬の影響を受けて落馬し、人馬ともにケガを負ってしまったことは記憶に新しい。つまり、今回の新潟記念は待望の復帰戦。ファンも関係者も、まずは無事に…という想いが強かったはずだが、それはいい意味で裏切られことになる。

レースは大方の予想通りアリスヴェリテが逃げるも、ペースが上がらず前半1000mが58秒9。好位の2番手で進んだシンリョクカにとっては格好のペースである。さらに、鞍上の木幡初也騎手のヘッドワークも秀逸だ。ラストの直線は後ろの有力馬を待たずに思い切りよくスパートを開始。終わってみれば、猛追したセレシオンをハナ差おさえての押し切り完勝となった。これでシンリョクカ・木幡初也騎手ともに嬉しい重賞初勝利。新潟の長い直線に臆することなく早め先頭を選んだ鞍上、故障明けでそれに応えた馬の根性と能力に称賛を送りたい。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜新潟10R「両津湾特別」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった11番ハビレだった。

『前走のレパードSは発馬で体勢を崩したうえに勝負どころで接触する二重の不運。だが重賞でも臆せず長くいい脚で5着なら立派といえる。実際、ダート3冠の羽田盃4着、東京ダービー5着があるように、好素材が揃うこの世代でも地力上位の存在。特にここは前回から斤量2キロ減、引き続きの同舞台と好条件だ。中間の行きっぷりや気合い乗りも上々であり、2勝クラスなら勝ち負け必至』という見立て。

レースは良場発表の15頭立て。まずまず揃ったスタートから4番サンライズパスカルが先手を主張すると、1000m通過1分01秒9のミドルペースを展開。3角手前の時点で軸馬11番ハビレや2番人気の9番ボールドゾーンはまだ中団あたりに位置している。しかし馬群が一団となって最終コーナーに差し掛かると、有力馬が一気にギアを切り替え。あとは新潟の長い直線を使っての地力比べとなった。
結局、4角でマクリ気味に進出した軸馬11番ハビレが能力の差で完勝。最後に猛追した9番ボールドゾーンがクビ差の2着、番手から粘り込んだ8番マンマリアーレが3着に入線となった。

この結果により、「馬連9-11、410円&3連複8-9-11、1,060円の的中をお届け。当然のことながら2着馬、3着馬はいずれも対抗馬。ハッキリ言って弊社と会員の皆さまにとっては「どちらでもいい」状態の、余裕の2着争いだったが、対抗1点目での大本線的中だったことにより、厚めに勝負した方も多かったようだ。獲れるところは獲るスタンスで『アスコットさんらしい手堅さ』というお声を少なからず頂戴している。他にも、土曜の札幌2歳Sでは◎2番マジックサンズ(3番人気・1着)から「3連複1-2-8、4,100円の的中などをお届けしている。

先週末で終了となった夏のローカル開催。諸手を挙げて大団円とはいかなかったが、2歳重賞で4戦3勝のハイアベレージをマークするなど、先々につながる結果を残した弊社予想部。改めて全体を振り返ってみると、不的中となったレースにおいてレース選択自体は問題なかったものの、「軸馬快勝→2着ヌケ」という実に歯痒いパターンが例年以上に目立ったことは強調すべきだろう。その点を考慮して、弊社では現在次々と打開策を講じていることをお伝えしておきたい。幸いなことに今週末は開催替わり。多くの会員様が楽しみにしている秋競馬となれば流れも変わる。ひとつひとつ丁寧な作業を積み重ねることが好結果に繋がることは間違いないだけに、開幕週となる今週末には多大なるご期待をお寄せいただきたい。