7/27-7/28 2回新潟1日2日・1回札幌3日4日目

次週へ繋がる的中鞍 〜日曜新潟5R・3歳未勝利戦〜

先週のクイーンSは3歳馬が存在感を示した。勝ったコガネノソラ、2着のボンドガールともに斤量51キロ。過酷な減量で臨んだ丹内騎手、武豊騎手ともに溢れる熱意を結果に結びつけた格好だ。アタマ差の勝利をもぎ取った丹内騎手は4年ぶりとなる51キロでの騎乗で、3週間かけて減量に取り組んできたという。その上、平日も追い切りに騎乗し、日曜の競馬では全12レース中7鞍で3着以内。大車輪の活躍とはこのことだ。

勝ったコガネノソラに話を戻そう。同馬の父ゴールドシップは現役時代、札幌で【1-2-0-0】の好成績。凱旋門賞の壮行レースに選択した札幌記念ではハープスターとマッチレースを演じ、3/4馬身差2着。間違いなくコース巧者だった。産駒たちも少し時計を要する決着に強い傾向で、クイーンSが稍重でもコガネノソラにとっては問題にはならなかった。そもそも、この馬は好走レンジが広い。春にはスイートピーSを1分45秒6で走っているのだから、むしろ万能型と思っておいた方がいいだろう。

何より、初の古馬相手に一発回答を示した成長力が素晴らしい。前走のオークスは中2週続きのタイトなローテや初距離が響いて12着に敗れたが、それを除けば近5走で4勝の充実ぶりだ。目標は当然、牝馬三冠目の秋華賞となるはず。伸びしろたっぷりの芦毛のニュースター候補から目が離せない。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜新潟5R「3歳未勝利戦」ダ1200m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に3番人気となった7番ビーコングだった。

『前走は運悪くスタートで置かれてしまったが、最後に4着まで詰め寄った点は高評価。やはりこの時期の未勝利では地力上位といえる。ここは中2週も中間の追い切りは活気にあふれて素軽い脚取り。馬体も上々で好仕上がりという点も強調可能だ。使い込んで徐々に力をつけてきたし、なにより今回は54キロの減量騎手。近2走の忙しい1000mより当条件の方が向いており、ここは勝ち負け必至』という見立て。

レースは曇り空の良馬場で15頭立て。7月末となればこの世代にとって正念場の未勝利戦なのだが、かなりバラバラのスタートとなってしまった。中でも軸馬7番ビーコングは好発。これに内から押してくる6番ウインオーブも並びかけてくる。バラけた隊列を見渡すと、1番人気のメイショウヴァイゼ、2番人気の4番アンモードはまだ中団だ。
熾烈な先行争いは3角手前でも続いており、600m通過は34秒2のハイペース。わずかな差で先頭を走る6番ウインオーブと、それにピタリと並走する軸馬7番ビーコング。この2頭の熾烈な先行争いは、ついに最後の直線まで続き…。
結局、2頭はゴールまでマッチレースを展開。残り200mでもしのぎを削ると、軸馬7番ビーコングがクビ差だけ前に出たところがゴール。そのまま2着に6番ウインオーブ、離れた3番手に中団から伸ばした4番アンモードが入線した。

この結果により、「馬連6-7、2,980円」の的中をお届け。新潟ダート1200mは圧倒的に逃げ・先行馬が有利というのが定石。終わってみればこのレースも“行った行った”の決着となった。中でも、6番人気に過ぎなかった6番ウインオーブを引き切ったのは好判断。配当も含め、アスコットらしい目の付け所だったと言えるだろう。

とはいえ、先週末に関してはひと言で「イレギュラー」なレースが目に付いた。ひと押しが利かずハナ差で取りこぼしや、軸馬の不可解な凡走。無論、JRA初の「サマータイム導入」の初週だったとはいえ、レース後いただいたメールなどからは会員の方々の歯痒い思いがヒシヒシと伝わってきた。先週の当欄で「今夏も順風満帆」と記した直後だけに、なおさら驚いた方も見受けられた次第。競馬である以上仕方のないこととはいえ、回避すべく出来うる限りのケアを施していくことはもちろん、開幕ダッシュを果たせなかっただけに、次週でガラリと流れを変える所存である。幸いにも今週日曜は弊社得意のダート重賞がふたつ並んでおり、反撃の下地は十分。会員様におかれましては、巻き返しを期するアスコットに引き続きのご期待をお寄せいただきたい。

7/20-7/21 2回福島・3回小倉7日8日・1回札幌1日2日目

順風満帆の夏競馬 〜日曜小倉6R・3歳未勝利戦〜

小倉で行われた先週の中京記念は5番人気のアルナシームが優勝。同馬は3年前の東京スポーツ杯2歳Sでラスト5ハロン57秒6というスピードを披露。勝ち馬イクイノックスのポテンシャルを引き出したことからも、将来が有望視されていた一頭だ。
とはいえ折り合いの難しさによる不安定さがあったことも事実。その転機となったのが今年5月・都大路Sからコンビを組む横山典弘騎手の存在だろう。馬のメンタルやリズムを一番に考えるベテランが気分よく走らせながら、それでいて勝ちを狙えるポジションをとれるように方向修正。同騎手の騎乗機会3度目、集大成となったのが今回の中京記念である。
レース後に担当の五十嵐助手が横山騎手に抱きついたシーンが印象深い。アルナシームの能力の高さを感じながらも、上手く噛み合わないもどかしさ。長きにわたる試行錯誤を経た末の勝利は格別だったはずだ。馬の能力はもちろん、ついに全力を引き出した陣営の手腕に惜しみない拍手を送りたい。

ここで会員様に改めてお知らせ。今週から始まる新潟開催では暑熱対策として、休止時間が設けられる。今後2週間は下記のタイムスケジュールに変更されるので、ご確認をいただきたい。

————————-
◆2回新潟開催に伴う営業体制
1R  9時35分
5R  11時35分
↓(午前のレース終了で休止時間へ)
6R  15時10分(準メイン)
7R  15時45分(メイン)
12R 18時25分
※前日発売・払戻終了は現金では18時45分まで
※WIN5発売レース 〈1〉札幌9R→〈2〉札幌10R→〈3〉新潟6R→〈4〉札幌11R→〈5〉新潟7Rの順
————————-

それでは本題へ、今週斬るのは日曜小倉6R「3歳未勝利戦」ダ1700m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった3番カフジテルビウムだった。

『渋った馬場にも対応した前走が高評価。斤量が3キロ軽い勝ち馬にこそ逃げ切られたが、自身も好位からキッチリ粘って連対を確保。その勝ち馬は次走1勝クラスでも連対した強敵だったこともポイントだ。この中間は素軽いフットワークで好調を維持しており、今回は先行馬が有利な小倉替わりと条件が大幅好転。輸送後もテンションを保っており鞍上連投もOK。買い要素揃った』という見立て。

レースは曇り空の稍重馬場。16頭立てでスタートすると、いきなり2番レーウィンが大きく出遅れてしまう。一方、綺麗に出た軸馬3番カフジテルビウムは3番手、好発からジワッと押していった5番のクアトロジャックが先頭を確保する。しかし、掛かり気味に追いかける9番タプファーアイが前に並びかけたことで一団は徐々にスピードを速めていく。
さらに向こう正面では、出遅れた2番レーウィンが最後方から先頭まで一気に追い上げる奇襲を敢行。これは未勝利戦としてはかなり特殊な流れであり、実際に、900m通過は54秒8という激流に。軸馬3番カフジテルビウムは好位の内でジッと機を伺っていたが…。
結局、奇襲に出た2番レーウィンがマクリ切って先頭でゴールイン。好位から伸ばした軸馬3番カフジテルビウムは2着を確保。中団から追い上げた1番メイショウマツリが3着に入線した。

この結果により、「馬連2-3、1,180円&3連複1-2-3、1,720円」の的中をお届け。向こう正面ではどうなることかと感じたが、終わってみればほぼ実力通りの決着。ハイペースから出入りの激しい競馬になったことでむしろ誤魔化しの利かないレースとなった。同レースは事前オッズも大混戦。一見難解なレースだったことも含め、高い評価のお声をいただいている。
他にもこの週は、土曜小倉11RテレQ杯「馬連7-10、1,620円&3連複2-7-10、4,360円や、前述の中京記念「馬連2-6、1,630円&3連複2-6-7、3,570円などなど、数々の回収鞍をお届けしている。

そして今週末は夏競馬佳境の札幌・新潟開催が開幕。絶好調で迎える稼ぎどころの勝負開催である。これら夏のローカル開催本番ともなると、普段は競馬などやらない『素人衆』には難解な鞍が多くなるもの。そのため「妙な売れ方」をするケースも少なくない。文字通りの“お客さん”を横目に、オイシイ思いをするのがプロ集団である我々であることは言うまでもないだろう。会員様におかれましては、引き続き大船に乗ったつもりで今週末を楽しみにお待ちいただきたい。

7/13-7/14 2回福島・3回小倉5日6日・1回函館11日12日目

過去データの意義とは 〜土曜函館11R・函館2歳S〜

夏の重賞には難解なイメージがつきまとう。一線級の馬は暑いこの時期を休養にあてるのが基本。あえてこの季節を使うのは秋に向けて賞金加算が必要な馬、もしくは大きなところではやや地力不足というクチが大半だ。さらにハンデ戦ともなれば難解度はさらに増すというもの。そこで競馬ファンが頼るのが過去データだ。例えば、「過去10年で○番人気は1度も好走していない」「前走○○組が苦戦している」といった内容が代表例である。

先週の函館記念はデータ派にとっては難しい結末となった。戦前、強調されたのが「前走・巴賞組が苦戦している」という傾向。なかでも巴賞1、2着馬は過去10年で[0-0-0-14]という逆風が示されていた。前走の好走馬はハンデが切り上がることが多く、巴賞組は中1週の詰まったローテ。合理性のある傾向だったといえる。

だが、勝ったのは前走・巴賞1着だったホウオウビスケッツ。巴賞逃げ切りから中1週。斤量0.5キロ増で決して楽な状況ではなかったが、ハナを奪いにきた伏兵アウスヴァールに逃げを譲ったこと、そして二番手でも折り合えた点が勝利を呼び込んだといえる。もちろん、同2戦の手綱をとった岩田康誠騎手の判断も冴えた。また、当日の馬場状態も見逃せないポイントだろう。函館最終週の傷んだ洋芝は差し比べをイメージしやすいが、天候に恵まれた今年は見た目ほど悪い馬場ではなかった。速い時計が出るなら、先行型を中心にマークすべきだったのかもしれない。

いずれにせよ、過去データは軽視こそできないものの、当日のシチュエーションやメンバー構成も極めて重要だということ。当然ながら、出走馬は毎回違うわけであり、天候や馬場状態も毎年異なるのである。はたして、そのデータは本当にあてになるのか。季節を問わず、冷静な判断力が求められる。

それでは本題へ、今週斬るのは土曜函館11R「函館2歳S」芝1200m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった7番サトノカルナバルだった。

『サトノカルナバルの前走はただ1頭、次元の違う脚で圧勝。次位に1秒差の上がり3ハロンはもちろん、開催最終週かつ稍重の東京芝を難なくクリアした点を高く評価すべき。さらに中間の調整にも好感が持てる。実際、当地に着いてからも環境の変化に物怖じせずカイ食い良好。美浦の乗り込み時もテンションが程よく、クビを上手に使って重心を下げる好内容だった。走り方もダイナミックかつ推進力があるため、洋芝への対応も問題はないはず。もちろん今回は距離短縮、右回りと課題は少なくない。しかし、名門・堀厩舎がここを使うのはスピードの良さやミオスタチン遺伝子型(3型あってTT型は長距離、CT型は中距離、本馬のCC型は短距離向きに分類される)など強い根拠があってのこと。ポテンシャルの高さから不安より期待の方が上回っており、世代初の重賞Vに期待する』という見立て。

レースは良場発表の14頭立て。2歳戦ということでバラけたスタートだったが、内から5番ニシノラヴァンダが勢いよく先手を主張。これに6番モズナナスターと1番エンドレスサマーが続き、軸馬7番サトノカルナバルも加わって好位を形成する。外枠の14番ヤンキーバローズと13番エメラヴィは中団より後ろの位置取りとなった。
前半600m通過は34秒0のハイペース。好位勢はポジションを保ったまま、いよいよラストの直線へ。逃げた5番ニシノラヴァンダが粘り込みを図るが…。結局、一頭だけ脚色が違う軸馬7番サトノカルナバルが強襲して1着ゴール。2着に5番ニシノラヴァンダ、好位の2番手で耐え忍んだ1番エンドレスサマーが3着に入線した。

この結果により、「馬連5-7、2,280円&3連複15-5-7、3,370円」の的中をお届け。戦前のデータでは「前走函館組が優勢」「距離短縮は苦戦」「関西所属馬が強い」などデータが示されていたが、軸馬7番サトノカルナバルはいずれも該当せず(前走=東京1400m/美浦所属)。奇しくも、前述の函館記念と同様に“データクラッシャー”が出現した形である。なお、2着の5番ニシノラヴァンダも関東馬で8番人気だった。人気やデータに拘泥しなかったこと、2歳世代最初の “一番星”を綺麗に仕留めたこともあって、会員様からは高評価のお声をいただいた次第。
この週は他にも、厳選勝負鞍で4戦3勝を達成。日曜は小倉で「線状降水帯」が発生するなど難しい局面ではあったが、それでも準パーフェクトなら上々といえる。引き続き弊社は、天候や馬場傾向、そして「過去データの信憑性」を疑いつつ、夏競馬を邁進していく構え。会員様におかれましては、夏本番へ右肩上がりで向かうアスコットに多大なるご期待をお寄せいただきたい。

7/6-7/7 2回福島・3回小倉3日4日・1回函館9日10日目

展開ズバリのダブル的中 〜日曜小倉9R・八女特別〜

ゲートが開くまで何が起きるかわからないのが競馬の奥深さだろう。なかでも極端なケースとなったのが先週の七夕賞およびプロキオンSではないか。
前者は、2頭の逃げ馬が序盤から競り合って超ハイペース&超縦長という特殊な流れ。終わってみれば先行馬は総崩れとなり、重賞初Vのレッドラディエンスを含めて上位は差し馬が占めた。前日まで内枠先行有利だった馬場が外寄りへシフトしたことも含め、騎手の馬場&ペース読みが結末を左右したともいえる。これまで先行してきたレッドラディエンスで中団待機を選んだ戸崎騎手の判断が光った。
敗戦組の中では、4角13番手から5着のリフレーミングがもったいない内容。勝負どころで外から蓋をされたのが痛恨だった。馬券内はありそうな脚色だけに惜しいが、どんな展開利があっても捌きが必要な後方差しはやはりリスキーといえる。競馬の難しい一面だ。

小倉で施行されたプロキオンSも極端なペースが各馬を翻弄。同レースは21、22年と小倉ダート1700mで行われている。いずれも重、稍重と今年より速い時計が出る馬場で、21年(重)は前半500m28秒9-700m41秒4、22年(稍重)が29秒3-41秒4。対して今年は「良馬場」で28秒5-40秒4という流れだ。
勝ったヤマニンウルスが3番手から悠々と抜け出したからわかりづらいが、この数字は芝レース並みのハイペース。大多数は追走に手一杯であり、展開云々というよりも究極の消耗戦と化した。そういう意味では、力尽きた逃げ勢をはじめ、差しタイプにも力を発揮できなかった馬は多い。無論、勝ったヤマニンウルスは別次元である。
いずれにせよ、特殊な流れとなったレースは記憶に止めておきたい。敗れたのは力負けか、それとも別の要因があるのか。そんな分析の積み重ねがのちの馬券に活きてくる。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜小倉9R「八女特別」ダ1700m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に2番人気となった1番ダイメイセブンだった。

『前走の京都では先手を打って連対を確保。同レースのように逃げもOKだが、気性が成長した現在は番手でも我慢できることが心強い。いずれにせよ小回り当地での有利性は大きい。特に今回はデキの良さを強調可能。実際、今週はCウッドで6ハロン80秒8-ラスト11秒7と攻めたラップ。6ハロン、5ハロン時計とも自己最速をマークしてデキ万全だ。前走の時計も上々であり、スピードと器用さでここもV圏濃厚』という見立て。

良場発表の12頭立てで各馬揃ったスタート。なかでも出脚の良かった3番レアンダーが先手を奪う。同じく好発だった軸馬1番ダイメイセブンが2番手、5番マコトゴコタイも好位に続く。1番人気の10番カズペトシーンは中団やや後方の位置取りだ。
楽に先手を奪った3番レアンダーは1角過ぎから早くも手綱を引いて緩ペースに持ち込む作戦。向こう正面に入っても流れは変わらず、一団はほとんどひと塊で3角へ進入することになる。当舞台は圧倒的に前有利の小回りだが…。
案の定、終わってみればあっけない前残り競馬。逃げた3番レアンダーが労せず1着ゴールを決め、4角で2番手にいた軸馬1番ダイメイセブンが次位を確保。中団にいた1番人気の10番カズペトシーンが3着に滑り込んだ。

この結果により、「馬連1-3、1,070円&3連複13-3-10、1,380円」の的中をお届け。端的に述べればなんの面白味もない競馬だったが、裏を返せば必然の的中ともいえる。目論み通りの“展開勝ち”で4ケタの配当なら上出来としたい。獲りやすいところを的確に獲っていくアスコットらしい提供と自負している。

とはいえ、先週末に関してはひと言で「ツキのない」レースが目に付いた。これは大丈夫という勝負鞍で、ことごとく本命馬が出遅れ。夏競馬においても打率5割の水準を堅実にキープしていただけに、レース後いただいたメールなどからも会員の方々の歯痒い思いがヒシヒシと伝わってきた。競馬である以上仕方のないこととはいえ、回避すべく出来うる限りのケアを施していくことはもちろん、今週末の函館ラスト開催は大団円で締めくくる所存である。大丈夫、アスコットの夏競馬はこんなものでは終わらない。函館ラストウィークとなる今週末の提供を楽しみにお待ちいただきたい。

6/29-6/30 2回福島・3回小倉1日2日・1回函館7日8日目

右肩上がりのローカル開催 〜日曜小倉7R・3歳上1勝クラス〜

福島競馬場といえばローカル特有の小回り平坦と考えがちだが、実際は細かいアップダウンのある特殊コース。全10場で一周の距離がもっとも短いが、各コーナーがわずかに下り坂となっており、坂を2回以上通過する周回コースでは高低差が最後に響いてくる場合がある。

その典型となったのが先週のラジオNIKKEI賞だろう。メイショウヨゾラの先手で道中の緩みが一切なく、本来は先行有利のはずが極端な追い込み決着に。勝ったのがスタートで出遅れ、最後方の追走となったオフトレイルというのも象徴的だ。第一の勝因は速いペースに付き合わなかったことは確か(田辺騎手らしい割り切った判断も奏功した)であり、今回はケガの功名や漁夫の利に見えなくもない。

ただし、オフトレイルは今回のメンバー中で唯一の外国産馬だったことは見逃せない。父Farhhは芝2000mの英チャンピオンSの勝ち馬で、ヌレイエフ系の持続力に秀でた血筋。それが極端な展開で頭角を現したともいえる。血統的にもう一段上がある可能性も十分だ。

とはいえ、この手のタイプは毎回ハマるとも言い切れないから難しい。少し強引に教訓を得るとしたら、「意外性(未知数)のある血筋には注意」というところか。特にローカル開催では、オフトレイルのような大駆けタイプに強く警戒すべきである。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜小倉7R「3歳上1勝クラス」ダ1000m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に2番人気となった1番フレイミングパイだった。

『前走はソエを気にしつつの調整だったが、途中から先手を奪うと簡単に圧勝。外に張る面があるため内枠が奏功したとはいえ、2着以下に0秒6差は高く評価できる。また、この中間の除外で出走が伸びたこともポイント。かえって仕上げが入念に進んでおり、併せ馬では自己ベストで駆け抜けて見せた。引き続きの最内枠かつデキ上昇の今回は時計短縮の期待が大きく、斤量減の51キロも好都合。思い切りのいい鞍上の魅力も含めて勝ち負け期待』という見立て。

当日は重馬場発表の14頭立て。先手もあると想定していた軸馬1番フレイミングパイがやや伸びあがった発馬で一旦後手。替わりに好スタートだった3番人気の2番プリンセスカレンが主張する。その番手に伏兵4番イミュータブルや9番メイショウキルギスが位置し、単勝1.8倍の11番テーオードラッカーは中団より後方だ。
1000m戦ゆえにすぐに3角。軸馬1番フレイミングパイはまだ先団後ろの7番手インベタというポジション。距離を思えば後手を踏みそうな位置ではあったが、最終コーナーで鞍上の永島まなみ騎手が動いた。一気に大外に持ち出すと、マクリ気味に追い出しを開始。脚抜きのいい馬場で先行有利の情勢ではあったが…。
結局、逃げた2番プリンセスカレンを半馬身差まで追い詰めた瞬間がゴール。2着が軸馬1番フレイミングパイ、道中は2番手追走だった4番イミュータブルが3着。圧倒的な1番人気だった11番テーオードラッカーはいいところなしの10着に終わっている。

この結果により、「馬連1-2、1,590円」の本線的中をお届け。弊社の見立て通り、軸馬1番フレイミングパイはデキ上々かつ最内枠がハマってくれた印象。実際に大幅に時計を短縮したうえに、期待した永島騎手のヘッドワークも冴えていた。また、1番人気で凡走に終わった11番テーオードラッカーについて、「モタレ癖と発馬に不安」と断じたことも奏功した。単勝1.8倍の人気馬を嫌ったという点においても、一定以上の評価をいただけるだろう。
なお、この週の弊社は、土曜福島10R「馬連2-6、820円をはじめ、土曜小倉7Rや土曜小倉11Rなど的中を量産。土曜に至っては未勝利戦予想&メインレース予想も含めて全勝をマークしており、収支はもちろん満足度も十分。多くの会員の方からありがたい声を頂戴することとなった。

十八番のローカル開催は順風満帆の滑り出し。まだ始まったばかりのこの夏が楽しみである。ご存知の方も多い通り、開催が進むに連れて、さらに右肩上がりに調子を上げるのがアスコット。この時季に数々の伝説を残してきた我々の夏のローカルはここからがまさに佳境である。引き続き、今週末の勝負鞍にアツイご期待をお寄せいただきたい。