8/31-9/1 3回新潟7日8日・2回中京7日8日・2回札幌7日8日目

力関係を見抜いた的中劇 〜日曜新潟10R・両津湾特別〜

夏競馬の掉尾を飾る新潟記念はレース直前にアクシデントが発生。悲運に見舞われたのは、牝馬クラシック連続3着の実績から1番人気に支持されたライトバックだった。

同馬は返し馬のあと、発走地点付近に向かう途中でフリーズ。見かねたスタッフが引き手をつけて誘導を試みたところ、不幸にもハミがずれて放馬してしまった。その後が肝を冷やす顛末となった。壊れた外ラチと客席の間の細い通路を走り抜けると、なんと地下馬道を通って厩舎エリアまで到達。これまで多くの放馬シーンみてきたが、厩舎まで行くのはちょっと記憶にない。関東の地上波ではその一部始終が放送されたことにより、多くの競馬ファンがライトバックの安否を気遣うことになった。

なお、精密検査の結果、同馬の骨には異常が見られなかったとのことだが、やはりメンタルへの影響は心配だ。能力は現3歳世代でも上位の一頭。ライトバックにまた次の機会があることを心より願う。

さて、発走が約7分遅れたレースを制したのは4歳牝馬シンリョクカだ。同馬は阪神JF・2着と将来を有望視された存在で、今年4月の福島牝馬Sでも3番人気に支持されている。しかし、そこで他馬の影響を受けて落馬し、人馬ともにケガを負ってしまったことは記憶に新しい。つまり、今回の新潟記念は待望の復帰戦。ファンも関係者も、まずは無事に…という想いが強かったはずだが、それはいい意味で裏切られことになる。

レースは大方の予想通りアリスヴェリテが逃げるも、ペースが上がらず前半1000mが58秒9。好位の2番手で進んだシンリョクカにとっては格好のペースである。さらに、鞍上の木幡初也騎手のヘッドワークも秀逸だ。ラストの直線は後ろの有力馬を待たずに思い切りよくスパートを開始。終わってみれば、猛追したセレシオンをハナ差おさえての押し切り完勝となった。これでシンリョクカ・木幡初也騎手ともに嬉しい重賞初勝利。新潟の長い直線に臆することなく早め先頭を選んだ鞍上、故障明けでそれに応えた馬の根性と能力に称賛を送りたい。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜新潟10R「両津湾特別」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった11番ハビレだった。

『前走のレパードSは発馬で体勢を崩したうえに勝負どころで接触する二重の不運。だが重賞でも臆せず長くいい脚で5着なら立派といえる。実際、ダート3冠の羽田盃4着、東京ダービー5着があるように、好素材が揃うこの世代でも地力上位の存在。特にここは前回から斤量2キロ減、引き続きの同舞台と好条件だ。中間の行きっぷりや気合い乗りも上々であり、2勝クラスなら勝ち負け必至』という見立て。

レースは良場発表の15頭立て。まずまず揃ったスタートから4番サンライズパスカルが先手を主張すると、1000m通過1分01秒9のミドルペースを展開。3角手前の時点で軸馬11番ハビレや2番人気の9番ボールドゾーンはまだ中団あたりに位置している。しかし馬群が一団となって最終コーナーに差し掛かると、有力馬が一気にギアを切り替え。あとは新潟の長い直線を使っての地力比べとなった。
結局、4角でマクリ気味に進出した軸馬11番ハビレが能力の差で完勝。最後に猛追した9番ボールドゾーンがクビ差の2着、番手から粘り込んだ8番マンマリアーレが3着に入線となった。

この結果により、「馬連9-11、410円&3連複8-9-11、1,060円の的中をお届け。当然のことながら2着馬、3着馬はいずれも対抗馬。ハッキリ言って弊社と会員の皆さまにとっては「どちらでもいい」状態の、余裕の2着争いだったが、対抗1点目での大本線的中だったことにより、厚めに勝負した方も多かったようだ。獲れるところは獲るスタンスで『アスコットさんらしい手堅さ』というお声を少なからず頂戴している。他にも、土曜の札幌2歳Sでは◎2番マジックサンズ(3番人気・1着)から「3連複1-2-8、4,100円の的中などをお届けしている。

先週末で終了となった夏のローカル開催。諸手を挙げて大団円とはいかなかったが、2歳重賞で4戦3勝のハイアベレージをマークするなど、先々につながる結果を残した弊社予想部。改めて全体を振り返ってみると、不的中となったレースにおいてレース選択自体は問題なかったものの、「軸馬快勝→2着ヌケ」という実に歯痒いパターンが例年以上に目立ったことは強調すべきだろう。その点を考慮して、弊社では現在次々と打開策を講じていることをお伝えしておきたい。幸いなことに今週末は開催替わり。多くの会員様が楽しみにしている秋競馬となれば流れも変わる。ひとつひとつ丁寧な作業を積み重ねることが好結果に繋がることは間違いないだけに、開幕週となる今週末には多大なるご期待をお寄せいただきたい。