7/29 7/30 ・2回新潟1日2日目分・1回札幌3日4日分

狙っていたオープン特別 ~土曜新潟11R・関越S~

先週は夏の風物詩といえる新潟の芝千直アイビスサマーDが施行された。同レースは、競馬ファンであれば誰もが認知している通り、同設定の韋駄天Sと関連が強く、外枠が断然有利。当日も外枠から売れた。
だが終わってみれば、1、3着は内枠の2頭。外枠の人気サイドは総崩れで3連単80万超の大波乱となった。その立役者となったのが3番オールアットワンス(牝5歳・9人気)。同馬は昨年こそ6着だったが一昨年Vの実績。千直適性が高いのは分かっていたが、ここが1年ぶりの実戦かつ3番枠で人気を落とした。
一方、今回は勝ち時計54秒9と馬場を考慮すれば平凡以下(前日の1勝クラスが53秒9だった)の決着。この程度のレベルなら、いくら休み明けでもオールアットワンスの実績で十分足りた、ということだろう。実際、残り3ハロンから馬群を捌きつつの突き抜けは秀逸のひと言。また、C.ホー騎手の怪我により急遽乗り替わった石川騎手は、過去2回の本レースで手綱を取った元々のパートナーである。同馬を知り尽くしていた鞍上の力は、ことに大きかった。
2着の10番トキメキ(牝6歳・6人気)は韋駄天S・3着からの直行組で唯一、レース傾向に合致した一頭。早仕掛けになったことを鞍上も悔やんでいたが、勝負どころで前が早めに開いたのなら仕方ない。道が閉ざされる前に動くのが騎手の本能であり、決して力負けではないはずだ。
そして、昨年と同じく3着に入線したのが2番ロードベイリーフ(牡6歳・12人気)。こちらは、出遅れたことが怪我の功名だったクチ。結果的に、馬群の後ろを回って外ラチに寄せられたのが大きかった。馬場の真ん中に出すと上がり最速(32秒2)で2着馬とはクビ差。枠順を考えれば立派な内容だし、やはり千直適性は高い。
結局のところ、勝負の明暗を分けたのは本レースへの適性と騎手の勝負勘。そして、「過去23回中、牝馬が16勝」という、もうひとつの強力データがものを言った形だろう。とはいえ、「新潟千直=外枠有利」の定説がいきなり変わるはずもないから、また来年以降も気をつけたいところである。

それでは本題へ。今週斬るのは土曜新潟11R「関越S」芝1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは4番人気となった13番ストーリアだった。

『オープン特別にしてはいいメンバー構成だが、重賞通用の力量を持つ本馬が一歩リードしている。実際、格上挑戦だった中山牝馬Sで2着と好走。当時の勝ち馬は6月の宝塚記念でイクイノックスにクビ差まで迫ったスルーセブンシーズだったから価値は高い。以降の重賞も内容が濃く、前走・マーメイドSも大きな不利あっての7着だから一切マイナスにはならないだろう。なお、今週の栗東坂路は反応を確かめる程度の予定だったが、それでもラスト11秒台とデキも上々。昨年同時期も好走しているように新潟外回りは歓迎だし、上がりの速い開幕週の斤量55キロも有利に映る。若手急先鋒の鞍上を背に反撃必至』という見立て。

スタートはタイミングの合わなかった2番プレシャスブルーが大きく出遅れ。そして先行したい各馬が横に広がり、序盤から激しいポジション争いに。先行争いはしばらく続くが、1ハロンを過ぎたあたりで徐々に隊列が崩れて、最終的に11番マンオブスピリットがハナ。その1馬身差に4番ビターエンダーが取りついて、半馬身差の内1番スパイダーゴールド、外12番ザイツィンガー。さらに半馬身差に10番エピファニー、14番グランデマーレと大きな先行集団を形成。
中団前に1頭ポツンと7番シュヴァリエローズが進み、半馬身差に1番人気の16番アドマイヤハダル、15番フライライクバードが並走。ここから2馬身ほど開き、早めにポジションを回復してきた18番ホウオウイクセルが取り付く。1馬身差の中団後に8番キングストンボーイ、軸馬13番ストーリア、17番フォワードアゲンなどは折り合いに専念する。さらに後方に6番ヤマニンサンパなどが追走する隊列となった。
逃げた11番マンオブスピリットは600mを34秒4で通過し、後続を4馬身ほど離した逃げを展開。向こう正面では淡々と進んだが、800m~1000mで12秒3と一旦ペースダウン。やや後続を引き付けた格好で、レースは直線の攻防へ。
余力を残す11番マンオブスピリットは後続に2馬身差をキープして追い出しを我慢していたが、番手追走の12番ザイツィンガー、早めに押し上げた14番グランデマーレがジワっと進出を開始。残り400mになると、全馬が横一線となって切れ味勝負に突入する。ここで満を持して抜け出してきたのが1番人気・16番アドマイヤハダル。残り200mあたりで先頭に立ったが、しかしこれを許さないのが軸馬13番ストーリアと7番シュヴァリエローズだった。熾烈な3頭の争いはゴール前まで続いたが、決め手に勝る軸馬13番ストーリアが上がり最速の33秒1の脚を使うと、16番アドマイヤハダルをきっちり競り落として先頭でゴールイン。2着は早め抜け出しがアダとなった16番アドマイヤハダル。3着は、良く伸びた分、直線で手間取ったのが悔やまれる7番シュヴァリエローズが入線する。

この結果により、「3連複7-13-16、1万0,410円&馬連13-16、1,500円」のダブル的中をお届け。相手を6頭まで絞っていただけに、3連単=配当5万5,310円を買われた方も多く、土曜時点で大きな収益を確保したした次第。こと、7番シュヴァリエローズ(8人気)のデキの良さを見抜いて対抗指名したこともファインプレーだろう。予想部の選球眼がキラリと光る一戦となった。
またこの週は、上記の関越Sほどのインパクトではなかったが、日曜・新潟12R・3歳上2勝クラスや、重賞のクイーンSなども的中をお届けしている。

さて、カレンダーが8月に入って来週からは小倉もスタート。ようやく夏競馬本来の姿となるが、今週まではあくまでも新潟、札幌の2場開催。引き続き『ブロック制』(地元馬を優先登録する制度)が解除となるため、関西馬の躍進に注目だろうか。そして注目すべきなのは、常々お伝えしている通り、“夏場は高配当の宝庫”だということ。すでに前述の関越S「3連複1万0,410円(3連単5万5,310円)」のような美味しい配当をお届けしているが、弊社としては「まだまだこれから」というのが本音なのだ。特に今週は弊社得意のダート重賞「レパードS」「エルムS」が控えているから、まさに腕の見せどころ。もちろん厳選勝負鞍や新馬未勝利予想でも大いに高配当を狙っていくので、望外の配当出現にご注意いただきたい。
というわけで、会員様におかれましては、馬券の買い逃しがないようお願いします。また、折しもの不安定な気候ですから、どうか体調に気をつけた上で、今週末の配信を楽しみにお待ちください。

7/22 7/23 ・2回福島7日8日目分・3回中京7日8日・1回札幌1日2日分

札幌開幕も好スタート ~土曜札幌8R・3歳上1勝クラス~

今週から新潟が開幕して国内が夏競馬本番を迎える一方、海の向こうの欧州では上半期を締めるG1・キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(アスコット競馬場・芝2390メートル)が日本時間29日深夜に開催される。言わずもがな、凱旋門賞と並ぶ最高峰の中距離レースだが、今年の注目は何といってもオーギュストロダン(牡3歳)だ。
同馬はディープインパクトのラストクロップで、英愛ダービーを連勝しての参戦。ここを制すれば、1970年のニジンスキー以降、過去に7頭しか成していない“ハットトリック達成”となる。ちなみに、最後に3連勝を達成したのが、かのガリレオ(Aオブライエン調教師)であり、もう22年も前のことだ。
そして、オーギュストロダンを管理するのは、ガリレオと同じくAオブライエン調教師(同馬の母父がガリレオでもある)。現代競馬界のマスターと称される彼なら偉業達成の期待も高まる。
とはいえ、古馬との初対戦、アスコット競馬場の柔らかい馬場など超えるべきハードルは低くない。こと、軽い馬場を得意とするディープ産駒にとって週中にも降った雨は鬼門。事実、重馬場だった英1000ギニーでは12着に惨敗しているから、気がかりではある。
もはや伝説となったディープインパクト。すでに世界的種牡馬という地位は手に入れているが、そのラストクロップがさらなる偉業を達成すれば、価値は計り知れない。果たして、今年キングジョージはどんな結末を迎えるか。今週土曜の深夜決戦から目が離せない。

それでは本題へ。今週斬るのは開幕週の札幌から土曜8R「3歳上1勝クラス」ダ1700m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは前走が好内容の割に2番人気となった12番タマモタップダンスだった。

『前走は楽に先行したが、後続から早めに突つかれる厳しい展開。しかし、ラスト50mまでは先頭を死守。また、久々で8キロ増の余裕残しだった点も加味すれば、むしろ上々の内容だったと言える。一転、ひと叩きした今回は上積みが見込めるし、輸送で絞れるのも好都合。得意の北海道で2度目の鞍上もプラス材料となる。そもそも牝馬同士なら能力上位は明白。押し切り必至』という見立て。

レースは、ほぼ揃ったスタート。積極的に先手を主張するのは6番リトルポピー。差がなく番手におさまった2番グァルジャーと10番シャドウレディー、軸馬12番タマモタップダンスも早めに先行ポジションを確保する。直後も差はなく、1番人気・5番イモータルフェイム、9番タガノチョコラータ、人気の一角3番オルノアなどが続いて前は密集する。後続は8番マテンロウアイ、その1馬身差に11番ジョリーブレス。最後方にポツンと7番フラッシングレートという隊列となった。
先手を取り切った6番リトルポピーは後続に1馬身ほど差をつけると、500mを過ぎで1ハロン13秒3までペースダウン。自分のペースに持ち込む算段だが、番手追走の10番シャドウレディー、軸馬12番タマモタップダンスがこれを許さずプレッシャーをかける。さらに遅い流れを嫌った13番デームフォーチュンも中団後方から一気にマクってくるが、これを許さずハナを奪ったのが軸馬12番タマモタップダンスだった。序盤戦こそ出入りの激しい展開になったが、途中からハナをきった軸馬12番タマモタップダンスの1000m通過は62秒6の平均ペースとなる。
レースが向こう正面終盤に差し掛かると、後方待機の8番マテンロウアイも押し上げを開始。それを合図に3コーナー手前では、6馬身差の中に10頭がひしめく混戦模様となる。一方、後続に迫られた軸馬12番タマモタップダンスは、慌てる様子なく余力十分。そのまま先頭で直線に入ると一気にラストスパートを開始する。後続を1馬身、2馬身と引き離しにかかるが、これを一頭だけ猛追したのが8番マテンロウアイだった。
激しい2頭の競り合いは残り100mまで続くも、追う側の8番マテンロウアイの脚色は歴然。軸馬12番タマモタップダンスも頑張ったが、目標にされた分と斤量差3キロは大きかった。最終的に、8番マテンロウアイが豪快に突き抜け1馬身1/2差で1着入線。2着はそのまま粘り込んだ軸馬12番タマモタップダンス。3着は久々の影響から直線で伸びを欠いた5番イモータルフェイムが入線した。

この結果により、「馬連8-12、2,030円&3連複5-8-12、2,160円」のダブル的中をお届け。2番人気→5番人気の馬連で上記の配当なら上々だし、3連複のおまけも確保。この週も、もはやアスコットのお家芸となったダブル的中をお届けした次第だ。
またこの週は、土曜・中京10R清州特別「馬連1-2、1,000円や、メインレース予想の土曜・福島11RTUF杯「3連複1-5-15、5,540円を射止めるなど勝負レースで次々と的中をお届け。また、好調の「未勝利新馬予想」も土日で連勝と、以前からお伝えしている『稼ぎどころの夏場ローカル』を体現することとなった。

さて、福島、中京最終週をこれ以上ない形で締めくくったわけだが、今週からはいよいよ新潟開催がスタートする。ここからが夏競馬本番となるが、開催場所が変わっても我々の姿勢は何ひとつ変わることはない。これまでお伝えしている通り「配当が美味しい時期」はまだまだ続くし、今週末は「アイビスSD」や「クイーンS」など高配当に期待できる重賞も待っている。いずれにせよ、引き続きプロの目で選別した的確な回収鞍をお届けしていくので、会員様におかれましては馬券購入の準備をきっちりお願いしたい。日ごとに暑さのつのる頃、体調にはご留意いただいたうえで、まずは今週末の配信にご期待を。

7/15 7/16 ・2回福島5日6日目分・3回中京5日6日・2回函館5日6日分

函館最終週も的中を量産 ~土曜函館9R・湯浜特別~

早くも最終週を迎えた2023年の函館開催。最大の注目は波乱が前提の「函館記念」で、能力よりもデータ重視という声も聞こえてきた。実際、強力な“消しデータ”として「前走巴賞を除くオープン、前走が条件戦、牝馬はこない」という法則が存在。また、「先行有利」という強い傾向もあった。これだけで今回の人気馬をバッサリ切れるだけに、ほくそ笑む穴党も多かったかもしれない。
一方、レース当日は週末の激しい雨が残って稍重。好枠から逃げたユニコーンライオンの1000m通過60秒0は例年と比較しても緩いラップだったが、レース上りは36秒6と時計を要した。実際、先行馬が全滅した結果を踏まえれば相当にタフなレースだったと言える。
そんな過酷条件をものともせず勝利したのが、1番人気のローシャムパーク。道中7番手から大外を回しての2馬身差Vは完勝といえる内容だった。振り返ればセントライト記念で1着ガイアフォース(安田記念4着)、2着アスクビクターモア(菊花賞1着)に次ぐ3着という実績の持ち主。これで、出世馬を多数輩出している“伝説のセントライト記念”からまた一頭、重賞馬が出現したことになる。
さて、冒頭でお伝えしたデータに話を戻すと、1着ローシャムパーク、3着ブローザホーンともに「前走・条件戦」の昇級組。さらに2着ルビーカサブランカは「牝馬」で、上位3頭が「差し・追い込み」の決着になった。ということで、残念ながらデータ派は完全な空振り。時には“取り扱い注意”というのが過去データということだろう。なお、弊社では「Bコース替わり2週目」だった本レースを「例年とは異なる」とジャッジ。前走条件を問わず差し馬有利と見越して、的中をお届けしている。

それでは本題へ。今週斬るのは土曜函館9R「湯浜特別」ダ1700m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは上位拮抗ムードの中、最終的に1番人気に支持された7番オセアフラッグだった。

『前走は休み明けの昇級初戦で5着。だが、直線入り口では進路がなく追い出しが遅れ、しかも前が壁になってまともに追えない厳しい状態。それでいて着差は0秒4と僅かなら情状酌量の余地は大きく、むしろクラス通用のメドは立ったと言える。ここは中2週ながら、今週の函館ウッドでは推進力のある力強い動きで上積みも十分。継続騎乗の鞍上も頼もしく、スムーズならV濃厚』という見立て。

当日は不良馬場。スタートは内から3番ラッキーミーティアが発馬を決めて先手を取る勢い。強引に競りかける馬はいないが、直後に内から4番トゥーテイルズは虎視眈々。そして5番タロファイター、8番メイクザビート、14番サドルまで差はなく、これを楽に追走する軸馬7番オセアフラッグまでが先行集団を形成する。中団も差がなく続いて9番ナチュラルリバー、2番ネッケツシャチョウ、1番ベイビールビオなどが集団で追走。ここから2馬身ほど開き後方待機は6番サンマルパトロール、10番アイファーエポックという隊列とった。
1コーナーで馬群がバラけてくるが、先頭の3番ラッキーミーティアに4番トゥーテイルズがプレッシャーをかける展開。だが、その割にペースは上がらず800m通過は48秒5とほぼ平均ペースだった。向こう正面に入っても淡々としたペースで流れ、1000m通過あたりで後続の動きが激しくなる。
3コーナー手前でもほぼ並走状態の3番ラッキーミーティア、4番トゥーテイルズだったが、前者の手応えは早くも劣勢。変わって先頭の4番トゥーテイルズも残り200mを切ったあたりで脚色が怪しくなり、入れ替わるように3角からマクって進出していた8番メイクザビートが抜け出し。さらに軸馬7番オセアフラッグ、2番ネッケツシャチョウが猛追する。ゴールが近づくにつれて3頭が横一線の大接戦。馬体を併せたままゴールに飛び込んだ3頭だったが、最後に力強く伸びた軸馬7番オセアフラッグがアタマ差制して1着入線。2着は渋太く粘った8番メイクザビートが死守する。3着は最後までよく追い上げた2番ネッケツシャチョウとなった。

この結果により、「馬連7-8、890円&3連複2-7-8、2,700円」のダブル的中をお届け。上位人気での決着となったが、人気が分散していたことから配当もまずまず。さらに、「本命と対抗各馬で上位独占の可能性大」として、3連複で配当を上乗せに成功した次第。
また他では、前述の日曜・函館11R函館記念「3連複7-8-9、4,210円&ワイド7-8・7-9、760円&680円のトリプルヒットや、土日連勝の「未勝利新馬予想」などの的中をお届け。先週に「数々の勝負鞍をご用意」と予告した通り、函館最終週の節目で数々の回収鞍を提供できた。

さて、いよいよ今週末からは札幌、そして次週からは新潟と、『稼ぎどころの夏場ローカル』が中盤戦に突入する。一般的には、難解な夏はひと休みという向きもあるだろうが、むしろ「配当面が美味しいこの時期を見逃す手はない」というのが我々プロの意見。引き続き、この先のローカル戦線においても、「さすがアスコット」という的中を随時お届けする所存である。どうか片時も目を離さず弊社の動向にご注目いただきたい。まずは今週末の配信にご期待を。

7/8 7/9 ・2回福島3日4日目分・3回中京3日4日・2回函館3日4日分

酷暑に動じぬ的中力 ~土曜福島9R・須賀川特別~

今週の月曜日と火曜日に、夏の風物詩こと国内最大の競走馬セリ市「セレクトセール2023」が北海道苫小牧のノーザンホースパークで行われた。
本セールは日本競走馬協会主催。従来のセリ市では登場し得なかった良質馬を主催者が厳選し、あえてオークションに出品。これによりサラブレットの流通を活性化させることはもちろん、競馬関係者にコネクションのない馬主にも購入機会を提供している。実際、セレクトの名の通りにこれまで数々のG1馬を輩出。近2年では本セール出身のアスクビクターモア(菊花賞)、ジャスティンパレス(天皇賞)、ウシュバテソーロ(東京大賞典、川崎記念、ドバイWC)など計8頭がG1タイトルを獲得した。このように、開催を重ねるごとに注目が高まっており、今年は2日間で総取引281億1500万円を記録。昨年の257億6250万円を大幅に塗り替える売り上げレコードとなった。

中でも注目を集めたのはキタサンブラック産駒。言わずと知れた世界ランク1位のイクイノックスや皐月賞馬ソールオリエンスの父であり、取引額が高騰するのはもはや必然。実際、1歳馬の最高落札額は3億1千万円、当歳馬は3億8千万円を記録した。しかも9頭が1億円オーバーである。昨年の同産駒の最高額が8200万円だったことを考えれば躍進ぶりがわかるだろう。なお、来年からはイクイノックス、ソールオリエンスらの活躍後に交配された産駒が登場する。

また、新種牡馬コントレイル産駒の最高落札額は5億2千万円と上記をさらに上回る。これは歴代3位の高値であり、上場20頭の総額が25億円を超えた。見た目にも顔つきがよく、体がシッカリして走りそうなタイプが多かったことは事実だが、やはり偉大なるディープインパクトが送り出した無敗三冠馬への期待値が反映されているのだろう(これはディープと同血のブラックタイドを父に持つキタサンブラックにも言える)。だが、すでに実績のあるキタサンブラック産駒とは異なり、こちらはあくまでも初年度産駒。例年のことだが、今年の新馬戦でも良血馬の敗戦シーンが見られているからちょっと心配ではある。コントレイル産駒の答え合わせは約2年後となるわけだが、それでもまた来年セレクトセールは行われる。2024年の落札額にどんな変化が現れるのか、関心は続いていく。

それでは本題へ。今週斬るのは土曜福島9R「須賀川特別」芝1200m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは、 1番人気に支持された3番ルーラルハピネスだった。
『前走は出遅れたうえに馬群の大外を回す形。本来のスタイルではなかったが、それでもV争いに加わってきたのは非凡なスプリント能力の証。自在な脚質も1勝クラスでは大きな武器だ。ここは久々も好調な仕上がりはプラス材料。実際、1週前の美浦ウッドでは遼馬を圧倒して5ハロン66秒8、ラスト1ハロン11秒4(馬なり)と上々のデキにある。坂の緩い福島はもちろん斤量53キロも歓迎であり、突破濃厚』という見立て。

発馬では外枠が好スタート。その中から7番ラナキラが他の出方を伺いながら前に出るが、これに対し内からジワッと進出して主張したのが5番ダレモトメラレナイ。ハナに行く気のなかった7番ラナキラも競り合わず番手に収まる。この後ろは2馬身差でやや固まり、内から軸馬3番ルーラルハピネス、8番デフィデリが並び、ここから半馬身差の間隔で4番マイネルラッシュ、11番サンマルクレイジー、人気の一角6番ダノンゴーイチが先頭集団を形成。中団前にいた1番トモジャシーマも早めに前に取りつく勢い。そこから2馬身差に9番ヴィントミューレ、12番ウインアステロイドが並走する。ここから大きく離れた後方に2番ホウオウカグヤがポツンと追走し、最後方が10番トロピカルヒーローという隊列となった。
先手を取った5番ダレモトメラレナイは600m通過34秒0の平均よりもやや速めのペース。後続もこの流れに合わせ一団で追走したまま3コーナーを向かえる。3~4コーナーでは順列こそ変わらないが直線入り口で馬群はさらに密集。先頭をキープしている5番ダレモトメラレナイを先頭に、後続各馬が追い上げ態勢で最後の直線勝負へ。
ここで抜け出したのは先頭を守っていた5番ダレモトメラレナイ。一気に後続を2馬身ほど突き放して逃げ切り態勢へ突入する。これを追うのは、内から軸馬3番ルーラルハピネス、7番ラナキラ、8番デフィデリ、1番トモジャシーマの好位にいた各馬。だが、派手なアクションの割に5番ダレモトメラレナイとの差が詰まる気配はない。いよいよ直線も残り200m。この時点で各馬の脚色を比較すると5番ダレモトメラレナイを交わす勢いのある馬はおらず逃げ切りは濃厚。焦点の2着争いは、好位から脚を伸ばす軸馬3番ルーラルハピネス、内で懸命に粘る1番トモジャシーマ、さらに後方から脚を伸ばす9番ヴィントミューレ、外に持ち出した6番ダノンゴーイチの4頭。
この争いから一旦は先んじた軸馬3番ルーラルハピネスだが、内から渋太く迫る1番トモジャシーマが肉迫。馬体を併せる形になりに連対すら危ぶまれた矢先、地力に勝る軸馬3番ルーラルハピネスがグイッと最後にもうひと伸び。逃げた5番ダレモトメラレナイこそ交わせなかったが、きっちり2着確保となった。結果、積極策で逃げ切った5番ダレモトメラレナイが1着。1馬身1/2差の2着に軸馬3番ルーラルハピネス。クビ差の3着に1番トモジャシーマが入線した。

この結果により、「馬連3-5、1,080円&3連複1-3-5、1,280円」のダブル的中をお届け。人気サイドの決着となったが、人気割れも手伝って納得のいく配当。また、「対抗6番ダノンゴーイチも馬券圏内は堅い」として3連複2頭軸を推奨したのもファインプレーである。週1発目の提供としては十分な成果となった。
また、他ではメイン予想の土曜・中京11RマレーシアC「3連複7-11-12、8,150円日曜・中京11RプロキオンS「馬連610円」、そして安定的中を続ける新馬未勝利予想などなど、この週は随所で的中をお届けしている。

さて、早くも夏競馬は3週目に突入。そして6月初旬から開催されていた函館もいよいよ今週末がフィナーレである。例年のこととはいえ、今回の函館開催も滞在効果でデキ一変した人気薄の激走が目立った。実際、そういった穴馬の買い要素がわからなかった競馬ファンは少なくないだろう。しかし、そんな状況でも競馬を見続けてきたプロだからこそ狙えるレースが存在することも確か。実際、弊社では、この函館最終週に大団円を迎えるための大勝負レースをご用意している。会員様にとっては7月後半戦に向けた重要な勝負となるため、しっかりと馬券購入の準備をお願いしたい。どうかお楽しみに。

7/1 7/2 ・2回福島1日2日目分・3回中京1日2日・2回函館1日2日分

夏開幕を告げる的中鞍 ~土曜中京12R・3歳上1勝クラス~

先週から夏のローカルが開幕したが、ひとまず23年上半期を少し振り返ろう。
今年の大きな変更として負担重量の変更(騎手の健康と人材確保などを目的に、基本的に斤量が1キロ増加)が挙げられる。これにより今年は、斤量比(馬体重÷斤量)が小さいほど苦戦という傾向がさらに強まっている。また過去に斤量を経験していることがより重要になっているなど、昨年以前との傾向の違いが出ている。こちらのデータはまた折を見てここで紹介していきたい。
そして何より、今年の競馬シーンを賑わしたクラシックをはじめ重賞戦線にも触れないわけにはいかないだろう。今年の3歳は牝馬こそリバティアイランドという女王がいたが、牡馬は傑出馬不在。また、前述の斤量変更によりどの重賞も昨年より難易度が増していたわけだが、事前準備を周到に重ねた弊社にはあまり関係なかったようだ。実際、前半戦は順調に的中をお届けすることができた。
中でも特筆すべきは、G1シーズン真っ只中の5月中旬に始まった連勝だろう。京王杯SC・3連複8,090円を皮切りにスタートし、続くヴィクトリアマイル、平安S、オークス、葵S、日本ダービー、目黒記念など、難解とされた3歳戦を含む各重賞で連続的中をお届け。6月に入ってもこの勢いは衰えず、続く鳴尾記念、安田記念までをも的中に導き、怒涛の重賞9連勝を達成している。注目度の高い季節、しかも難解なレースが含まれる中で結果を出し続けたことには、大きな評価がいただけるはずだ。
また、配当面の立役者といえば、3月のフィリーズレビュー・3連複2万4,760円や、4月のアーリントンC・3連複6,660円/ワイド1060円&710円のトリプル的中は回収率が大きく反響も強かった。ちなみに、過去の本欄を見直していただければわかることだが、弊社の重賞予想は3連馬券での提供である。
少し長くなったので振り返りはここで留めるが、何より、今年上半期もご愛顧いただいた会員様に深く御礼を申し上げたい。

それでは本題へ。今週斬るのは土曜中京12R「3歳上1勝クラス」ダ1900m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは、 4番人気に支持された9番ルクスフロンティアだった。
『前走はハイレベルなメンバー相手に逃げて前半700m42秒7。先行馬には厳しいペースだったが、それでもタイム差なしの2着だから地力は高い。実際、当時の勝ち馬は昇級の次戦でも連対しているように、本馬にも極めて高い評価が必要である。また、この中間も栗東坂路で自己ベスト4ハロン51秒9をマークするなどデキも特筆レベルだ。安定した先行力が生きる中京コースは良績が集中しているし、この条件なら押し切り必至』という見立て。

レースは多少出遅れた馬はいたが、人気馬はほぼ互角スタート。4番ウラエウスが好発から前を伺うが、外から5番フリーウィーリングがこれを制してハナを主張。さらに外から1番人気の11番バンドマスターも早々と番手を確保する。この直後に内から軸馬9番ルクスフロンティア、15番ベストポイントの2頭が加わり先行集団を形成。この後ろは4番ウラエウスを先頭に半馬身差の間隔で内から6番ロードトラスト、16番レッドダンルース、1馬身差に8番ヴァンドゥラン、10番メイトースイ。2馬身差に1番カズカポレイ、14番シュプリンガーまでが中団。ここから2馬身差の後方集団は2番ジョウショーパワーを先頭に3番マサハヤウォルズを含む3頭が追走し、最後方に13番ディーエスボンバーという隊列となった。
序盤は先手を取った5番フリーウィーリングとその後ろの11番バンドマスターが後続をやや引き離す逃げ展開。先頭の600m通過36秒1、800mは49秒1のミドルペースだったが、隊列は徐々に広がっていく。向こう正面の中間あたりでは、先頭から後方まで約20馬身以上の縦長の展開となった。1000m通過が61秒7と依然として淡々としたペースで流れるが、レースが一気に加速したのが3コーナー。番手追走の11番バンドマスターが5番フリーウィーリングに並び掛けると、これを合図に後続も追い上げを開始する。
コーナーワークで辛うじてハナを守っている5番フリーウィーリングだが、後続も8頭ほどが5、6馬身の勝負圏内に接近。直線に入ると各馬が横に広がりながら最後の追い比べに突入する。
ここで先行2頭をまとめて抜き去っていったのが、他でもない軸馬9番ルクスフロンティア。これを追い掛けるのは、11番バンドマスターと徐々にエンジンのかかってきた6番ロードトラスト。だが、先に抜け出した軸馬9番ルクスフロンティアを捕まえるほどの勢いはなく、6番ロードトラストが半馬身差まで詰め寄ったところがゴール板だった。結果、軸馬9番ルクスフロンティアが1着入線となり、6番ロードトラストが2着。3着は前の2頭には離されたものの、なんとか後続はおさえた11番バンドマスターが入線した。

この結果により、「馬連6-9、1,710円&3連複6-9-11、1,890円」のダブル的中をお届け。4番人気→2番人気の組み合わせだったが、上位拮抗で馬連オッズが割れていたこともあってまずまずの収益。しかも先週に引き続き、11番バンドマスター(1人気)を「地力は最上位で3着までは堅い」として3連複の軸に組み込んだのは上々のサポート。回収率的にも納得できる、週1発目の勝負鞍であった。
また、この週は厳選勝負鞍の日曜・福島9Rさくらんぼ特別「馬連6-16、1,430円や、重賞予想の日曜・福島11RラジオNIKKEI賞「3連複6-7-14、4,690円など複数の的中をお届けしている。先週の当欄で「出走馬の比較すら難しい季節だからこそ弊社のようなプロにとっては“オイシイ馬券”が増えてくる」と記したが、それをまさに体現した1週間となった。

さて、いよいよ始まった夏競馬。この時期は暑さによる体調管理、未体験のコース適性、血統的な夏季成長タイプの存在など、慎重な判断が求められるファクターが多彩。さらに今年は美浦坂路の閉鎖の影響など、例年以上に難解を極めていくだろう。とはいえ、弊社にはこれまで培った膨大なデータが存在する上に、今夏に向けて準備してきた自負がある。というわけで、上半期に引き続き、23年後半戦も会員様のご期待にお応えしていく所存だ。
以上、長くなりましたが、今年下半期も弊社をよろしくお願いいたします。会員の皆様におかれましては、折しもの酷暑に気をつけた上で今週末の配信を楽しみにお待ちください。

6/24 6/25 ・3回東京7日8日目分・3回阪神7日8日・3回函館5日6日分

お馴染みのダブル的中 ~土曜東京12R・「3歳上1勝クラス」~

いよいよ、今週からは福島・中京・函館の3場での開催。本格的な夏競馬(ローカル)がやってくるが、残念なことに「G1シーズン以外はお休み」という声も一部には存在する。弊社が常日頃から会員様に向けて発信していることだが、先週の「宝塚記念」でも「未勝利戦」でも、一部の特例を除いて馬券の控除率は一律ということ。すなわち、どのレースを的中させたところで10倍は10倍。G1レースだから特別に20倍になるということはもちろん、ない。ならばレースの格に拘泥せず、より獲りやすく点数が絞れ、しかも配当に期待できるところで勝負する。それが馬券の鉄則。弊社会員様にはもはや説明の必要がないことだが、ローカルシーズンこそ「馬券の宝庫」。待ちに待った「稼ぎ時」の到来を宣言させていただく。

それでは本題へ。今週斬るのは日曜東京12R「3歳上1勝クラス」ダ1400m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは、最終的に3番人気に支持された12番ラックスアットゼアだった。

『デビュー戦、前走と連続して上がり最速をマークした末脚が武器であり、長い直線の東京コース替わりは大歓迎。また、初戦・中山の芝スタートで行き脚がつかなかったことを考えると、オールダートも好都合だ。ここは4ヵ月ぶりだが、吉澤Sから6日に帰厩後するとひと追いごとにピッチをあげるなどデキも上々。今回は逃げ候補が多いため差し込む本馬には展開利があるし、この距離ならタメを作れる公算も大。クラスにメドは立っており素質的にもV争い必至』という見立て。

レースはほぼ揃ったスタート。13番シアージストが好発から前を伺うが、内から7番イニッツィオが引かない構え。さらに外16番パワポケビーも積極策から前に競りかけるように動いて激しい先行争い。結果的に引く気を一切見せない16番パワポケビーが主導権を握る。そこから2馬身差の好位に1番人気の11番プラチナジュビリーが単独で追走し、その1馬身差の内から8番サザンステート、13番シアージストが並んで先行集団を形成。ここから1馬身差の中団前に6番ドライブアローカス、9番ジェイケイファイン、軸馬12番ラックスアットゼアもこのポジション。2馬身差の後方前に14番グッドロマンス、15番リングストゥワイス、その後ろは3番グランドライズ以下の4頭が集団。最後方に1番トニトゥルスという隊列となった。
序盤の先行争いが影響してか、1400mにしてはやや縦長の展開。主導権を握った16番パワポケビーの800m通過は47秒1。発表はミドルペースだったが、前日の2勝クラスと同等のタイムであり、クラスを考えれば若干速めの流れだった。案の定、逃げた16番パワポケビーは直線手前でガス欠。変わって番手追走の7番イニッツィオが先頭で直線に進入する。直線を向いた段階でも馬群は縦長のままだったが、ラスト400m付近から一気にレースが動き出した。
粘り込みを図る7番イニッツィオだが、直後で脚を溜めている11番プラチナジュビリー、内に潜り込んだ8番サザンステートの追い上げに全く抵抗できずに後退。一方、先頭に立った11番プラチナジュビリーはジリジリと後続との差を広げにかかる。だが、ここから急追したのが、外に持ち出した13番シアージストと、さらに外から豪快に伸びてきた軸馬12番ラックスアットゼアだった。
残り200m地点で11番プラチナジュビリーには1馬身のリードがあったが、追い上げ2頭の中でも軸馬12番ラックスアットゼアは強力な勢い。脚色が鈍る13番シアージストをアッサリ交わすと、11番プラチナジュビリー目掛けて猛然と襲い掛かる。直線も残りわずかとなり際どい勝負になりそうだったが、最後は力で捩じ伏せるように伸びた軸馬12番ラックスアットゼアが1馬身1/4差の1着入選。そして、またしても勝ちきれなかった11番プラチナジュビリーが2着。3着は渋太く粘り込んだ13番シアージストが入選した。

この結果により、「馬連11-12、720円&3連複11-12-13、2,660円」のダブル的中をお届け。馬連の相手が1番人気ということで配当は落ち着いてしまったが、これは資金の大半を投じた大本線的中だから大丈夫。むしろファインプレーだったのは、地方から出戻りの13番シアージスト(5人気)を「先週の美浦ウッドが超抜の動き」として3連複に組み込んだことだろう。こちらの的中は配当的にも上々であり、週ラストの勝負鞍で大きく回収を果たすこととなった。
また、この週の厳選勝負鞍は土曜・阪神7Rや日曜・阪神9Rなどマルチヒットを繰り出して猛打賞をマーク。さらに新馬未勝利予想の日曜・東京3R「馬連2-8、1,380円」の的中も含めて、今春ラストの東京・阪神開催を綺麗に締めくくった。

さて、冒頭でもお伝えした通り、今週末から約2ヵ月に渡って夏季ローカル開催が行われる。確かに、秋の大舞台を狙うG1クラスは放牧に入るため、出走馬のレベルは見劣りする。だから『各馬の強さが良くわからない』と嘆く競馬ファンも少なくないわけだが、もちろん、春秋のようなアプローチでは出走馬の比較すら難しいことも確かだろう。だが、そんな状況だからこそ、弊社のようなプロにとっては「オイシイ馬券」が増えてくる。特に弊社が得意としている小回りダート戦においては、長年蓄積してきたデータやノウハウがより生きる場所であり、稼ぎどころを多数ご用意可能だ。というわけで、アスコットではローカル開幕週からエンジン全開の提供をしていく所存。会員様におかれましては、“(馬券的に)アツい夏競馬”の開幕を楽しみにお待ちください。

6/17 6/18 ・3回東京5日6日目分・3回阪神5日6日・3回函館3日4日分

得意の3歳重賞で好配当 ~日曜東京11R・ユニコーンS~

日本ダービーがつい先日のことのようだが、23年の新馬戦はすでに3週目を消化した。今年も多数の新種牡馬が揃っており、記念すべきデビュー戦にファンも関係者も胸が高鳴る。中でも種付け頭数が多かったのはレイデオロ。父はキングカメハメハで、ディープインパクトやブラックタイド、ゴルトブリッツなどの近親にあたる超良血馬である。2番目に種付け頭数が多いのはヘニーヒューズの後継種牡馬となるモーニン。ヘニーヒューズが日本に導入される以前の競走馬であり、現役時代には秀逸時計でフェブラリースSを制した。賞金高騰で活況なダート戦線に有力馬を送り込めるのか、注意深く見守りたい。
また、米国の年度代表馬に輝いたブリックスアンドモルタルや、ドバイワールドカップを連覇したサンダースノーなど、海外から輸入された大物種牡馬の産駒もデビュー年。前者はすでにテラメリタ(牝2=須貝)とゴンバデカーブース(牡2=堀宣行)が初戦勝ちを決めている。これは7月のセリの前に勝たせたかったという見方(早い仕上がりで6月に勝てば同産駒の落札価格に影響する)もできるが、それできっちり勝ち切るのはやはり才能の高さゆえだろう。
今年は他にも書ききれないほどたくさんの魅力的な血統がスタンバイしているため、本欄でも追って触れていきたい。ちなみに、今週のデビュー馬で注目は、24日・東京芝1800mを予定しているルージュスエルテ(牝2=国枝)。同馬は、14日の1週前追い切りで美浦ウッド・5ハロン65秒6。時計が出やすい馬場とはいえラストは10秒7と速く、併走した3歳未勝利馬を5馬身突き放した。種牡馬ハーツクライのラストクロップという意味でも、どんな競馬を見せてくれるのか興味深い。

それでは本題へ。今週斬るのは日曜東京11R「ユニコーンS」ダ1600m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは1番人気に支持された3番ペリエールだった。

『前半のペースが流れやすくバテ合いになるケースが多々あり、前走同距離もしくは距離短縮組が優勢(過去5年の馬券内15頭中13頭が該当)。軸馬ペリエールの前走・UAEダービー(ダ1900m・4着)は折り合いに専念するも、結果的に前有利の競馬で最後は離されてしまった。しかし、当時は検疫時点で落ち着かず馬体が寂しかったうえに距離も長かったから、これはノーカウントにできる。一方、前々走・ヒヤシンスS(東京ダ1600m)は前半3ハロン34秒9秒の速いペースで流れ、中団からキッチリ差し切っての勝利。それも余裕のある勝ち方だったから、前傾戦になりやすい今回は極めて高く評価できる。
ドバイ遠征後ということもあり、気になるのはそのコンディション。しかしいつも通りウッドで6ハロンからみっちりと乗り込んできた。最終追いは気合い十分に古馬1勝クラスのセブンフォールドを追走し、直線で手前を替えるとギアを変えてグンと加速。上がり3ハロン36秒9、ラスト11秒5は秀逸なうえに馬体の仕上がりも良好。厩舎で過ごしている時の雰囲気も良く、文句なしのデキといえるだろう。また、東京マイルは、ダート特化よりもキレのある芝血統を含む方が好走する舞台。そうなると、本馬の父ヘニーヒューズは説明不要として、母系に皐月賞馬キャプテントゥーレなど芝重賞の活躍馬がいることがプラスに働く。そもそも本馬は新馬戦で大物ユティタムを下しており、中央場所ではまだ無敗の逸材。3歳同士なら重賞でも勝ち負け。
相手は、1勝クラス組は不振だが、ハイレベルな相手に完勝した前走は高く評価できる13番ブライアンセンス。先週の稽古不満だが近2走は度外視可能であり、3走前・当舞台のハイラップVを好感できる7番サンライズジーク』という見立てだった。

レースは4番ラフエイジアンのタイミングが合わず後手。絶好スタートの11番ニシノカシミヤが先手を主張すると、芝からダートへの切り替わり地点で後続に3馬身差の逃げを展開。やや気合をつけながら7番サンライズジークが追走し、直後も差はなく12番ヘンリー、14番ハードワイヤードなど4頭が先行集団を形成する。だが、隊列は落ち着かず、中団前にいた軸馬3番ペリエール、13番ブライアンセンスなども押し上げ、早くも先行10頭が一団。後方は9番グレートサンドシーなど3頭がバラけて追走し、最後方に15番メイショウモズという隊列となった。
単騎逃げとなった11番ニシノカシミヤは800m通過46秒3、1000m通過58秒0と、想定通りのハイペース。3馬身ほど離れた7番サンライズジークを先頭に依然として大きな先行集団のまま追走する。その後も軽快に逃げる11番ニシノカシミヤが3馬身差を保ち、レースは最後の直線へ。
逃げ込みを図る11番ニシノカシミヤを目標に各馬が一斉に追い出しを開始。すると、一団だった先行勢から7番サンライズジークと、内に潜り込んだ軸馬3番ペリエールが抜け出してくる。なんとか粘る11番ニシノカシミヤだったが、迫る2頭との脚色の差は歴然で、残り400mで敢え無くパスされてしまう。
ここからは7番サンライズジーク、軸馬3番ペリエールの争い。そう思ったのも束の間、終始楽な手応えで追走していた軸馬3番ペリエールのエンジンが着火。馬体を併せる間もなく7番サンライズジークを置き去りにすると、結局、後続に3馬身差をつけて1着ゴール。2着は早めの仕掛けから粘り切った7番サンライズジーク。3着は追い込み勢4頭の大接戦となったが、クビ差で13番ブライアンセンスが入線した。

この結果により、「3連複3-7-13、3,050円・馬連3-7、3,360円」のダブル的中をお届け。3連複は大した配当ではないが、2着の7番サンライズジーク(7人気)を対抗評価にしたのは弊社予想部のファインプレーだろう。おかげで、絞った馬連の「大本線」で好配当的中となった。
なお、2024年からは3歳ダート三冠競走が創設される。これにより「羽田盃」・「東京ダービー」がJpnIに昇格され、同時にユニコーンSは「東京ダービー」の前哨戦という位置付けになる。そういう意味では、中央3歳王者決定戦という形のユニコーンSは今年が最後であり、記念すべき的中になったかもしれない。

さて、いよいよ今週は上半期の総決算・宝塚記念。今年はG1馬8頭が揃うが、やはり主役は世界レーティング1位に君臨するイクイノックスだろう。無論、戦歴から国内敵なしの声も否定はしない。だが、近年の宝塚記念は4歳で1番人気を背負った馬は不振傾向であり、実際に22年エフフォーリアや20年サートゥルナーリアでさえ馬券外に沈んでいる。弊社としては、そういった点にも細心の注意を払いながら調査を進めているところだ。
なお、今春の大一番において、弊社が数々の好的中をお届けしてきたことはご存知の通り。つまるところ、会員様におかれましては、大船に乗ったつもりで宝塚記念の当日配信をお待ちください。お楽しみに。

6/10 6/11 ・3回東京3日4日目分・3回阪神3日4日・3回函館1日2日分

狙い通りのダブル的中 ~日曜阪神11R・三宮S~

早いもので、先週から初夏を知らせる函館が開幕。そのオープニング重賞は函館スプリントS。軽い斤量の後押しから3歳牝馬優勢が通説だったが、今年からの斤量補正で50キロ→52キロとなった影響に注目が集まった。
そんな中、外枠から難しい立ち回りをクリアし、直線で差し切って初重賞タイトルを成したのがキミワクイーン。本馬は昨年9月に短距離路線にシフトすると才能を発揮。前走・春雷Sでも、マッドクール(シルクロード3着)と接戦を演じるなど、重賞でも通用する力は示していた。また、近年の本レースは1分7秒台のスピード決着が主流だっただが、今年は1分8秒2と遅めの決着だったことも奏功した格好である。
2着のジュビリーヘッドも得意の洋芝での機動力はさすがで、積極的に勝ちに行った内容は大いに評価できる。3着のトウシンマカオは、最内枠で人気だけに前での競馬を余儀なくされたこと、そしてトップハンデ(58キロ)も大変だった。さらに道中で下がってきた馬の影響を受けるなど今回はツキもなかった印象だろうか。なお、有利と思われた3歳馬で掲示板に入線したのは5着ブトンドールだけということも興味深い。斤量補正による影響なのか、この一戦だけで判断するのは難しいが、近年とはやや傾向が異なり3歳馬が苦戦した函館スプリントSとなった。

それでは本題へ。今週斬るのは日曜阪神11R「三宮S」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは1番人気に支持された1番キングズソードだった。

『昇級だった前走アンタレスS・G3は、特殊な馬場・展開で4角13番手と絶望的なポジション。しかし上がり最速で3着まで持ってきたのは力のある証拠である。オープン特別のここはもちろん相手が弱化するし、ハンデも想定内に収まった。また、今週の併せ馬は遅れたものの、動き自体は良好で伸び盛り4歳らしい活気も大きな魅力。手の合う鞍上との再コンビ、そして引き続き好相性の阪神も歓迎であり、ここも勝ち負け』という見立て。

レースは2番アルサトワがあおって出遅れ。前で競馬をしたいタイプも揃っていたが、各馬が探り合う静かな立ち上がり。その中で、内から3番メイクアリープが行く気をみせるが、外枠の13番ワールドバローズ、さらに押して14番メイショウフンジンも前を伺うような動き。しばらく続いた先行争いは13番ワールドバローズが僅かに前に出るが、14番メイショウフンジンも馬体を併せて並走する。
直後は3番メイクアリープ、その外に15番ニホンピロスクーロ。差がなく10番ジャズブルースが続き、1馬身差に内から6番ビヨンドザファザー、8番コルテジアが先行集団を形成。2馬身開いた中団前に11番エナハツホがいて、そこから4、5頭の集団の最内に軸馬1番キングズソード。後方に人気の一角12番ニューモニュメント、2番アルサトワという隊列となった。
先手を取った13番ワールドバローズは800m通過49秒0、1000m通過61秒2とクラスを考えればスローよりのミドルペース。そのため後続の動き出しも早く、3コーナー手前で馬群は密集。ここから動きはさらに慌ただしくなり、逃げた13番ワールドバローズはここで一杯に。替わりに先頭は14番メイショウフンジンとなるが、外の15番ニホンピロスクーロも押し上げ、馬体を並べて直線へ進入する。
逃げ込みを図る2頭だったが、15番ニホンピロスクーロは早々に苦しくなり徐々に後退。14番メイショウフンジンが単独先頭となり、懸命に後続を引き離しにかかる。だが、3番手追走の3番メイクアリープ、4コーナーからスムーズに外に持ち出した軸馬1番キングズソードの2頭が猛追。残り400mを切ると以降は2頭のマッチレースとなった。
鋭く脚を伸ばす軸馬1番キングズソードに対し、3番メイクアリープも負けずに抵抗。結局、攻防はゴールまで続いたが、軸馬1番キングズソードがハナ差で接戦を制し1着でゴール。2着は昇級初戦ながら力を示した3番メイクアリープ。3着には、直線で進路確保に手間取りつつ懸命に脚を伸ばした6番ビヨンドザファザーが入線した。

この結果により、「馬連1-3、710円・3連複1-3-6、1,340円」のダブル的中をお届け。この週は他にも函館の新馬未勝利予想で土日を連勝を確保。開幕週の函館でも安定的中をお届けできたことは、会員様からも一定の評価をいただいている次第。

さて、長く続いた中央場所も残すところあと2週。上半期の総決算・宝塚記念を楽しみにしている方も多いはずだが、その前に弊社では今週の「ユニコーンS」に注目したい。近年は波乱続きの一戦で今年のメンバーも波乱の要素は十分。もちろんダートを主戦場とする弊社だけに、すでに高配の使者となる伏兵の存在も把握している。おそらくこのユニコーンS、宝塚記念を前に軍資金を調達する大事な一戦となるだろう。会員様も馬券購入の準備きっちりした上で、ぜひとも当日の配信を楽しみにお待ちいただきたい。

6/3 6/4 ・3回東京1日2日目分・3回阪神1日2日分

6月も好スタート ~土曜阪神11R・鳴尾記念~

G1馬10頭が参戦した先週の安田記念。過去最高レベルの豪華メンバーだけにオッズは大混戦だったが、蓋を開けてみればソングラインの強さだけが際立っていた。当日、同馬は大外枠や中2週のローテが懸念されて4番人気だったが、早め中団からの豪快な末脚は見事。また、良馬場とはいえ前日の台風の影響は多少あったはずだから、勝ち時計1分31秒4は考えうる最高のタイムである。なお、安田記念連覇はグレード制導入の1984年以降では史上3頭目、アーモンドアイらが成し遂げられなかったヴィクトリアマイルからの連勝もウオッカ以来2頭目となる。2着の鞍上レーンが「スーパースター」と表現したように、ソングラインの名も競馬史に深く刻まれることとなった。
その2着セリフォスはもう1列後ろからならもっと切れたのでは…という気もするが、昨秋のマイル王としての貫禄は十分示した。また、32秒8の最速上がりで3着まで迫ったシュネルマイスターの地力も立派だが、ポジションを取れない面はこの先も課題といったところか。
かくして、終わってみればマイルG1馬が3着までを独占するハイレベルな結末。とはいえ、マイル初挑戦ながら残り100メートルまで先頭を守ったジャックドールの地力も大いに褒めるべきである。また、4着ガイアフォース、6着レッドモンレーヴなど経験を積めば面白そうな4歳馬がいたことも見逃せないだろう。なおこのレース、弊社では的中をお届けしている。

それでは本題へ。今週斬るのは土曜阪神11R「鳴尾記念」芝2000m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは3番人気に支持された4番フェーングロッテンだった。

『中距離G1の狭間だけに立ち位置が難しい一戦。今年も前走・重賞で結果を出せずに回ってきた者や、秋へのステップを目論むタイプなど多士済々だ。しかし、台風の後の開幕週であり、内から乾く馬場を考えるとインを進む先行タイプを優勢にとりたい。
軸馬フェーングロッテンはここで賞金を得て飛躍を狙う一頭であり、本レースと相性抜群の生きのいい4歳馬。距離不適合のうえに前に行けなかった菊花賞を除いて一度も崩れていないことは特筆できるし、すんなり先行できた時の強さも現役屈指のもの。幸いにもここは先行手薄で単騎まで見込めるし、小回りコーナー4つの舞台も大歓迎。
また、この中間の4歳らしい活気も強調ポイント。実際、今週の栗東坂路は単走で4ハロン53秒4(馬なり)と上々で、ラスト2ハロン24秒3は自己ベストをマーク。先週のCWでも6ハロンからきれいな加速ラップを踏めており、全体を通して素晴らしい動きかつ逞しさの増した体も頼もしい。なお、読みづらい馬場とはいえ、ブラックタイド×キングヘイローなら予測以上に雨が残ってもなんら心配はない(そもそも近年の阪神芝は馬場状態を問わず先行有利になりやすい)。すでに重賞実績は十分の好素材が、先手必勝の運びで後ろを完封する』という見立て。

レースは全馬揃ったスタート。内から2番カラテが出を伺うがハナを取る気は皆無。外からジワッと7番マリアエレーナが行く気をみせるが、内から仕掛けながら軸馬4番フェーングロッテンがハナを主張する。
序盤の探り合いが長引いたため、先団はごった返しているが、番手に収まった7番マリアエレーナの直後に9番アドマイヤハダル、10番サトノルークス、14番ソーヴァリアントの3頭も差がなく追走。続いて1馬身差に8番ワンダフルタウンを挟んで直後に内から1番グラティアス、外12番ボッケリーニと並んで追走。そこから半馬身差に5番モズベッロ、6番インプレス。さらに15番スカーフェイス、11番ヒンドゥタイムズ、13番マイネルファンロンが続き、大きく離れたシンガリに後方待機を決め込んだ3番ディアマンミノルという隊列。
コーナーリングで馬群は縦に伸びるが、隊列はほぼそのまま。先手を取った軸馬4番フェーングロッテンは1000m通過59秒6とマイペースに持ち込み、しかもプレッシャーのない楽な展開。ここから徐々にレースが動き始める。
まず、12番ボッケリーニが早めにマクッて前を射程に入れる4番手に浮上。3コーナー入口から徐々に馬群が固まり始めるも、軸馬4番フェーングロッテンは先頭をキープ。だが、後続との差が徐々になくなり、4コーナー出口では先団追走の7番マリアエレーナ、14番ソーヴァリアント、12番ボッケリーニが並びかけ、4頭が馬体を併せる追い比べに突入。
そこで強気に仕掛けたのが12番ボッケリーニ。これに7番マリアエレーナ、14番ソーヴァリアントも懸命に喰い下がるなか、唯一下がり始めたのが軸馬4番フェーングロッテンだった。
残り400m、12番ボッケリーニが一完歩ごとにリードを広げ、14番ソーヴァリアントはここで脱落。その矢先、態勢を整えて盛り返してきたのが軸馬4番フェーングロッテンで、そのまま7番マリアエレーナをパスすると12番ボッケリーニを差し返す勢いを見せる。…しかし、積極的に動いた12番ボッケリーニのアドバンテージは大きく、両者の差がクビ差まで近づいたところがゴール。
結局、1着は12番ボッケリーニ、盛り返した4番フェーングロッテンが2着。大混戦となった3着争いを制したのは、最後に渋太く脚を伸ばした9番アドマイヤハダルだった。

この結果により、「3連複4-9-12、7,010円・馬連4-12、2,060円」のダブル的中をお届け。また、上記の日曜・東京11R安田記念でも「3連複4-14-18、2,290円の的中となった。
これで重賞予想は、5/13京王杯SC「馬連2,720円&3連複8,090円」を起点として、実に9連勝という快挙を達成。なにより、6月はじめの重賞でスタートダッシュを決められたことは極めて大きい。また、注目の集まる春のG1シーズンでの的中ラッシュには、会員様から多くの賛辞を頂戴した次第である。

さて、長かったG1シーズンは先週でひと休みとなる。しかし、さっそく今週から函館競馬が開幕するように、弊社はとっくに夏競馬モード。事実、以前から「レースに格あれども、払戻し金に格はなし」と申し上げている通り、これから迎えるローカル開催はまさに“宝の山”という見解だ。そんな函館開幕週は、サマースプリント第1戦「函館スプリントS」に大注目。何せ高配当が珍しくない一戦であるから、重賞予想の連勝継続と併せて“お宝配当”にもぜひご期待いただきたい。

5/27 5/28 ・2回東京9日10日目分・1回京都9日10日分

5月最終週の的中ラッシュ ~日曜東京12R・目黒記念~

先週の日本ダービーは実に4頭がタイム差なしでひしめき合う大混戦となった。そんな大混戦を制して第90回日本ダービーの栄冠を手にしたのは、残り1ハロンで先頭に立って押し切ったタスティエーラ。結果的に皐月賞馬のソールオリエンスと着順が入れ替わったわけだが、その要因がペースにあったことは想像に難くない。
当日の芝コースは1600mの未勝利戦で1分32秒8という高速馬場。ダービーもある程度は流れると多くの人々は考えたが…蓋を開ければ逃げたパクスオトマニカの1000m通過は60秒4。しかも番手追走のホウオウビスケッツは先頭から5馬身後方であり、実質的にはかなりのスローペースとなった。実際、勝ち時計2分25秒2はレイデオロが勝利した17年の2分26秒9に次ぐ遅い決着。先行有利の展開が勝負を分ける格好となった。
勝利したタスティエーラは皐月賞と同じような積極的な競馬をしたことが奏功。また、それが可能な高い競馬センスも持ち合わせていた。もちろん、才能を如何なく発揮したレーン騎手の手綱も見事のひと言。これで「テン乗りは勝てない」というダービーの不思議なジンクスをまんまと覆してみせた。
対して、単勝1.8倍と断然1番人気だったソールオリエンスの横山武騎手は、21年のエフフォーリア(ハナ差・2着)に続いて苦杯を舐めることに。残念ながら、大半のメンバーが上がり33秒台を使う特殊な展開を突き破るほどの力は人馬ともになかったということになる。とはいえ両者とも才能は確か。近い将来、再びタイトル奪取のチャンスは巡ってくるはずだ。
そんな日本ダービーで弊社予想は的中をお届けすることができたが、それを振り返るのはどうしても気が重い。青葉賞組は勝てないというジンクスを破る存在として弊社も対抗指名したスキルヴィングのことである。堂々の2番人気に支持された実力馬がターフに散ったことは悲劇という他なく、関係者やファンのことを想えば言葉も出ない。4角の位置取りや手応えを見ると、青葉賞組初のダービー戴冠を果たしていた可能性はかなり高かった。母の父シンボリクリスエスに似た雄大な馬体を誇る名馬の挑戦を、勇姿を、誰もが忘れないだろう。ご冥福をお祈りする。

それでは本題へ。今週斬るのは土曜東京12R「目黒記念」芝2500m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは4番人気に支持された10番ヒートオンビートだった。

『ダービーの余韻の中行われる難解なハンデ重賞。ダービーから100m延びるだけだが、直線の坂を2回登るためスタミナ要求度はグンと上昇。それでいてスピードも求められるため、内枠が有利な傾向である。また、近年は4歳馬の台頭も目立ってきたが、一方でリピーター出現の傾向も出てきた。
そうなると一昨年のここで2着しているヒートオンビートの実績が光る。スタミナはあるが前走のような道悪は苦手で、しかも休み明けだったから度外視は可能。一転して今回は良馬場で、しかも全2戦すべて馬券内に好走している東京2500mに替わるのは大きなプラス材料だ。中でも、前々走・アル共杯は決して良いデキではなかったが、それでも3着に持ってきた地力は大したもの。休み明け2戦目の今回はその当時より気配良好だけに好走率は極めて高くなる。なお、本馬は終いが甘くなる点がネックだけに追えるレーン騎手を迎えることも大歓迎。キングカメハメハ系、あるいはディープインパクト産駒、そしてステイゴールド系の好走が目立つレースというのも強調ポイントであり、父キンカメ・母父ディープの本馬はこれにも合致する。10番枠はギリギリのところだが、この鞍上ならポジション確保の算段も立つ。好走濃厚』という見立て。

まずまず揃ったスタートから2番バーデンヴァイラー、7番ディアスティマ、14番バラジが積極策。3頭がしばらく並走するが1コーナー手前で並ぶ2頭を制して7番ディアスティマがハナを主張する。番手に14番バラジ、内から並ぶように2番バーデンヴァイラーが続き、1馬身差に11番アーティット、3番カントル。これらを見る位置で18番ラストドラフト、15番アリストテレスまでが先団を形成。中団も差がなく6番プラダリア、13番セファーラジエル、その後ろにいた軸馬10番ヒートオンビートは手綱をガッチリ抑えてコース最内まで誘導される。1番人気の16番サリエラも中団に位置し、その後方に5番ユーキャンスマイルや4番ライラック。後続3頭はバラけて、最後方に12番プリマヴィスタという隊列となった。
主導権を握った7番ディアスティマは1000m通過62秒1のスローに落とし込み完全にレースを支配する。こうなると後続は動くに動けず以降も1ハロン12秒台中盤から13秒の淡々としたペースで進んで行く。ようやく3コーナー手前からペースが上がると、これを合図に後続も押し上げて馬群が徐々に凝縮。直線入り口では全馬が5馬身ほどの圏内におさまり、各馬が横に広がって直線の追い比べに突入した。
先頭のまま直線に入った7番ディアスティマの余力は十分。早めスパートからの逃げ込み態勢に突入するが、番手追走の14番バラジも簡単には引き下がらない。残り400mでは2頭が後続を2馬身ほど引き離したが、ここからレースは急展開へ。
横に広がった馬群をこじ開けるように脚を伸ばしてきたのは、軸馬10番ヒートオンビート。脚色に陰りをみせる14番バラジをアッという間に飲み込むと、さらに前を行く7番ディアスティマに襲い掛かる。結果、これまでにない決め手を発揮した軸馬10番ヒートオンビートが7番ディアスティマを測ったようにゴール寸前でアタマ差捕らえて重賞初制覇。鞍上のレーン騎手はダービーに続く重賞2連勝を決めた。そして2着は、完璧なレース運びも勝ち馬の決め手に屈した7番ディアスティマ。3着は馬場中央から最後に猛然と追い込んできた1番人気の16番サリエラが入選した。

この結果により、「3連複7-10-16、7,770円」の的中をお届け。先週のラスト勝負を好配当できっちり締めくくった次第である。この週は他にも、上記の日曜・東京11R日本ダービー「3連複5-11-12、4,700円や土曜の葵Sなど、先々週に続いてふたたびの土日重賞パーフェクト的中を達成。また、新馬未勝利予想も土日連勝とまさに怒涛の的中ラッシュで月末を締めくくった。こと、春競馬最盛期となる5月の注目重賞で高打率をお届けできたことは、極めて高い評価がいただけるだろう。

さて、長かった東京G1・5連戦もいよいよ今週末の『安田記念』でひと区切りとなる。同レースは世代も路線も違う実績馬が揃う難解な一戦(しかも今年は出走順位18番目までが重賞ウイナーという超のつく豪華メンバー)。とはいえ、前哨戦でも数多の的中をお届けしてきた弊社のこと、会員様はどうぞ大船に乗った気持ちでご期待いただきたい。まずは6月の好スタートを決する今週土曜の配信をぜひお楽しみに。