4/27-4/28 2回東京・3回京都3日4日・1回新潟1日2日目

必然の巻き返し 〜土曜東京7R・4歳上1勝クラス〜

昨今の競馬界で薄れつつある“師弟関係”という言葉を先週の天皇賞・春が思い出させてくれた。勝利したテーオーロイヤルを管理する岡田稲男厩舎、所属する菱田裕二騎手ともに初のG1タイトルだった。
近頃の騎手はデビュー後2、3年でフリーに転向するのが主流。だが、菱田騎手はキャリア13年の間、岡田稲厩舎に所属して研鑽を積んだ。その間に度重なるケガがあったこともファンはよく知っている。そんな長きにわたる二人三脚が伝統のG1で結実するのだからオールドファンならずとも胸が熱くなる。

昨年の菊花賞馬ドゥレッツァと人気を分け合ったテーオーロイヤルは、最終的に1番人気の支持。舞台は騎手の技量が試される淀の長丁場である。G1未勝利の菱田騎手にのしかかる重圧は如何ほどか。だが蓋を開けてみれば完璧といっていい手綱さばきだった。ゲートを決めると好位を確保し、外枠で前に壁がなくても静かにスパートのときを待つ。2周目の4コーナーで3番手に進出した時点で勝負ありだ。おそらくプレッシャーよりも自信の方が上回っていたのだろう。冷静な騎乗に拍手を送りたい。

なお、勝利したテーオーロイヤルが年明け3戦目だったことも印象深い。これは2015年のゴールドシップがAJCC(7着)→阪神大賞典(1着)をステップに勝って以来。3連勝での制覇となると、1999年のスペシャルウィークまで遡る必要がある。トップホースはレース数を絞り、ときには本番直行も辞さないのが現在の潮流。それに比べれば、ロイヤルの過程はむしろ前時代的だといえる。今年の天皇賞春には、様々な意味で古き良き時代の香りが漂っていた。

それでは本題へ、今週斬るのは土曜東京7R「4歳上1勝クラス」ダ1600m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に2番人気となった9番ベネロングポイントだった。

『3走前に敗れたライツフォルはすでに3勝クラス入り、2走前に0秒1差及ばなかったピックアップラインも昇級戦で好走した。そんな強敵相手に接戦してきた本馬も間違いなくクラス上位の実力者である。近走で崩れたのは1400m以下だったことも強調可能だろう。短期放牧を挟んだ今回は2週続けてラスト2ハロン23秒8とデキ万全。大得意のマイル戦に替わり、マイペース先行が見込めるメンバー構成もプラスだ。前走7着で多少の人気落ち見込めるここが狙い目』という見立て。

レースは12頭立ての稍重馬場。各馬が揃ったスタートを決めるなか、先手を主張していったのは1番マンダリンボレロと軸馬9番ベネロングポイントだった。直後の好位に7番トレチーメや8番カムランベイ。この週から参戦してきたT.オシェア騎手が手綱を取る12番ホワイトクロウ(1番人気)は後方待機を選択した。
予想の段階では逃げも考慮していた軸馬9番ベネロングポイントだったが、1番マンダリンボレロも譲らずハナを主張。結局、内枠を利した1番マンダリンボレロが先頭に立って1000m通過1分0秒7というミドルペースを形成する。
レースは4角の勝負どころ。ここで軸馬9番ベネロングポイントが仕掛けると、残り400mで先頭へ。だが好位勢も差がなく追走していたため、情勢はまだ微妙。案の定、追い出しをワンテンポ我慢したトレチーメが迫ってくる。こうなると外目を先行し続けた軸馬9番ベネロングポイントは分が悪いだろう。
結局、残り200m地点で軸馬をパスしたトレチーメが完勝。軸馬9番ベネロングポイントは2着、好位から脚を伸ばした8番カムランベイが3着入線となった。なお、1番人気の12番ホワイトクロウは9着に敗れた。

この結果により、「馬連7-9、590円&3連複7-8-9、2,270円」の的中をお届け。戦前のイメージ以上に配当面の物足りなさはあったが、「当たって文句を言うとツキが落ちる」のがこの世界の通説。こと馬連は資金の大半を投入した本線だったのだから、的中を素直に受け止めるべきだろう。同日は東京8Rでもヒットを飛ばして土曜連勝。この週は厳選勝負鞍、新馬未勝利予想ともに “打率5割”の水準キープとなった。
なお、前述の天皇賞・春では◎テーオーロイヤル(1番人気・1着)→〇ブローザホーン(5番人気・2着)からきっちり回収を達成。さらに土曜京都11R・ユニコーンSでも「3連複4-5-9、3,350円の的中をお届けしている。

先々週の皐月賞に続き、天皇賞春も落とした弊社予想部。ひと息つく間もなく今週は「NHKマイルC」が待ち受けるが、当然ながらこの一戦も有力な勝負鞍候補だ。ひと波乱も珍しくないG1レースだけに、的中のみならず配当面にもぜひご期待いただきたい。弊社のメイン予想となる厳選勝負鞍を筆頭に、引き続き今週末以降の重賞予想にもご注目を。