5/27 5/28 ・2回東京9日10日目分・1回京都9日10日分

5月最終週の的中ラッシュ ~日曜東京12R・目黒記念~

先週の日本ダービーは実に4頭がタイム差なしでひしめき合う大混戦となった。そんな大混戦を制して第90回日本ダービーの栄冠を手にしたのは、残り1ハロンで先頭に立って押し切ったタスティエーラ。結果的に皐月賞馬のソールオリエンスと着順が入れ替わったわけだが、その要因がペースにあったことは想像に難くない。
当日の芝コースは1600mの未勝利戦で1分32秒8という高速馬場。ダービーもある程度は流れると多くの人々は考えたが…蓋を開ければ逃げたパクスオトマニカの1000m通過は60秒4。しかも番手追走のホウオウビスケッツは先頭から5馬身後方であり、実質的にはかなりのスローペースとなった。実際、勝ち時計2分25秒2はレイデオロが勝利した17年の2分26秒9に次ぐ遅い決着。先行有利の展開が勝負を分ける格好となった。
勝利したタスティエーラは皐月賞と同じような積極的な競馬をしたことが奏功。また、それが可能な高い競馬センスも持ち合わせていた。もちろん、才能を如何なく発揮したレーン騎手の手綱も見事のひと言。これで「テン乗りは勝てない」というダービーの不思議なジンクスをまんまと覆してみせた。
対して、単勝1.8倍と断然1番人気だったソールオリエンスの横山武騎手は、21年のエフフォーリア(ハナ差・2着)に続いて苦杯を舐めることに。残念ながら、大半のメンバーが上がり33秒台を使う特殊な展開を突き破るほどの力は人馬ともになかったということになる。とはいえ両者とも才能は確か。近い将来、再びタイトル奪取のチャンスは巡ってくるはずだ。
そんな日本ダービーで弊社予想は的中をお届けすることができたが、それを振り返るのはどうしても気が重い。青葉賞組は勝てないというジンクスを破る存在として弊社も対抗指名したスキルヴィングのことである。堂々の2番人気に支持された実力馬がターフに散ったことは悲劇という他なく、関係者やファンのことを想えば言葉も出ない。4角の位置取りや手応えを見ると、青葉賞組初のダービー戴冠を果たしていた可能性はかなり高かった。母の父シンボリクリスエスに似た雄大な馬体を誇る名馬の挑戦を、勇姿を、誰もが忘れないだろう。ご冥福をお祈りする。

それでは本題へ。今週斬るのは土曜東京12R「目黒記念」芝2500m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは4番人気に支持された10番ヒートオンビートだった。

『ダービーの余韻の中行われる難解なハンデ重賞。ダービーから100m延びるだけだが、直線の坂を2回登るためスタミナ要求度はグンと上昇。それでいてスピードも求められるため、内枠が有利な傾向である。また、近年は4歳馬の台頭も目立ってきたが、一方でリピーター出現の傾向も出てきた。
そうなると一昨年のここで2着しているヒートオンビートの実績が光る。スタミナはあるが前走のような道悪は苦手で、しかも休み明けだったから度外視は可能。一転して今回は良馬場で、しかも全2戦すべて馬券内に好走している東京2500mに替わるのは大きなプラス材料だ。中でも、前々走・アル共杯は決して良いデキではなかったが、それでも3着に持ってきた地力は大したもの。休み明け2戦目の今回はその当時より気配良好だけに好走率は極めて高くなる。なお、本馬は終いが甘くなる点がネックだけに追えるレーン騎手を迎えることも大歓迎。キングカメハメハ系、あるいはディープインパクト産駒、そしてステイゴールド系の好走が目立つレースというのも強調ポイントであり、父キンカメ・母父ディープの本馬はこれにも合致する。10番枠はギリギリのところだが、この鞍上ならポジション確保の算段も立つ。好走濃厚』という見立て。

まずまず揃ったスタートから2番バーデンヴァイラー、7番ディアスティマ、14番バラジが積極策。3頭がしばらく並走するが1コーナー手前で並ぶ2頭を制して7番ディアスティマがハナを主張する。番手に14番バラジ、内から並ぶように2番バーデンヴァイラーが続き、1馬身差に11番アーティット、3番カントル。これらを見る位置で18番ラストドラフト、15番アリストテレスまでが先団を形成。中団も差がなく6番プラダリア、13番セファーラジエル、その後ろにいた軸馬10番ヒートオンビートは手綱をガッチリ抑えてコース最内まで誘導される。1番人気の16番サリエラも中団に位置し、その後方に5番ユーキャンスマイルや4番ライラック。後続3頭はバラけて、最後方に12番プリマヴィスタという隊列となった。
主導権を握った7番ディアスティマは1000m通過62秒1のスローに落とし込み完全にレースを支配する。こうなると後続は動くに動けず以降も1ハロン12秒台中盤から13秒の淡々としたペースで進んで行く。ようやく3コーナー手前からペースが上がると、これを合図に後続も押し上げて馬群が徐々に凝縮。直線入り口では全馬が5馬身ほどの圏内におさまり、各馬が横に広がって直線の追い比べに突入した。
先頭のまま直線に入った7番ディアスティマの余力は十分。早めスパートからの逃げ込み態勢に突入するが、番手追走の14番バラジも簡単には引き下がらない。残り400mでは2頭が後続を2馬身ほど引き離したが、ここからレースは急展開へ。
横に広がった馬群をこじ開けるように脚を伸ばしてきたのは、軸馬10番ヒートオンビート。脚色に陰りをみせる14番バラジをアッという間に飲み込むと、さらに前を行く7番ディアスティマに襲い掛かる。結果、これまでにない決め手を発揮した軸馬10番ヒートオンビートが7番ディアスティマを測ったようにゴール寸前でアタマ差捕らえて重賞初制覇。鞍上のレーン騎手はダービーに続く重賞2連勝を決めた。そして2着は、完璧なレース運びも勝ち馬の決め手に屈した7番ディアスティマ。3着は馬場中央から最後に猛然と追い込んできた1番人気の16番サリエラが入選した。

この結果により、「3連複7-10-16、7,770円」の的中をお届け。先週のラスト勝負を好配当できっちり締めくくった次第である。この週は他にも、上記の日曜・東京11R日本ダービー「3連複5-11-12、4,700円や土曜の葵Sなど、先々週に続いてふたたびの土日重賞パーフェクト的中を達成。また、新馬未勝利予想も土日連勝とまさに怒涛の的中ラッシュで月末を締めくくった。こと、春競馬最盛期となる5月の注目重賞で高打率をお届けできたことは、極めて高い評価がいただけるだろう。

さて、長かった東京G1・5連戦もいよいよ今週末の『安田記念』でひと区切りとなる。同レースは世代も路線も違う実績馬が揃う難解な一戦(しかも今年は出走順位18番目までが重賞ウイナーという超のつく豪華メンバー)。とはいえ、前哨戦でも数多の的中をお届けしてきた弊社のこと、会員様はどうぞ大船に乗った気持ちでご期待いただきたい。まずは6月の好スタートを決する今週土曜の配信をぜひお楽しみに。