5/10-5/11 2回東京・2回京都5日6日 1回新潟3日4日目

人気馬総崩れを予告 〜土曜京都11R・京都新聞杯〜

かつて、ダービー出走が叶わなかった外国産馬のためのダービー=「マル外ダービー」と呼ばれたNHKマイルC。先週行われた節目の第30回目は、期せずして、競馬の奥深さと面白さが凝縮されたレースとなった。

確固たる逃げ馬不在のなか、それほどペースは上がらないというのが大方の見方だった。しかし、幕開けから30秒ほどでその考えが間違っていたことを思い知ることになる。

先行勢がお互いにプレッシャーをかけ合うG1特有の緊張感がそうさせたのか。馬群全体が内の前を狙ったことにより、前半600mは12.3-10.4-10.7。NHKマイルC史上最速のハイペースだ。こうなるとマイラータイプは追走するだけで体力を奪われていく。

実際、これを外から豪快に差し切ったパンジャタワーの勝利歴は1200mと1400mのみ。マイル適正を不安視されて、9番人気の低評価だった。「正直、距離は持たないと思っていたので、スプリンターだと思っていました」。レース後にそう打ち明けたのが、同馬を管理する橋口調教師なのだから興味深い。しかしそんな伏兵が勝ってしまうのが競馬の面白さだ。G1は実力だけでなく運がなければ勝てない。

なお、レース後のメモとして2点ほど記しておきたい。
まず、G1初騎乗となったランスオブカオス=吉村誠騎手のレース後のコメント。「きょう芝のレースに乗っていて内外の差がありました。ですがこの枠だったので内を回ってきました。テンションも程良く、具合は本当に良かったです。想定のポジションでは運べたんですが、ペースが流れたのを追走してしまった。外から中団にいた馬が伸びていたので。もっといいところで走らせてあげられなかったのは僕のミスです。それでも5着に粘ってくれましたし、力のあるところは見せてくれたと思う」。
これがレース直後のコメントなのだから素晴らしい。自身の馬だけでなく、レース全体が見えている。まだ若干19歳、このジョッキーの将来が楽しみでならない。

そして18番枠から大出遅れとなったコートアリシアン。東京マイルに関わらず大外枠は外へ逃避しやすい枠だが、それにしてもこの日の立ち遅れは致命的だった。およそ2秒かそれ以上のロスがあったはず。しかし、諦めずに0秒7差まで迫った内容もまた強烈だろう。差し展開が向いたとの見方もあるが、そんなレベルの出遅れではなく、追走にかなりの脚を使っている。まともなら勝ち切っていたのではないか。

それでは本題へ。今週斬るのは土曜京都11R「京都新聞杯」芝2200m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に6番人気となった7番デルアヴァーだった。

『軸馬は成長株のデルアヴァー。ここまで果敢に重賞に挑戦しつつ、休み明けの2走前・若葉Sではジョバンニ(のちの皐月賞で不利を受けて僅差4着)と0秒2差の接戦。もともと高い素質を買っていたが、ここにきてグンと良化しており、前走を豪快に差し切ったことも必然といえる。実際、今春はかつての頭の高い走りが改善し、メンタルや馬体が明らかに成長した。
勢いそのまま、中2週の中間もコース追いで6ハロン80秒5の好時計をマーク。充実ぶりはもちろん、地力的にも今回のメンバー中なら圏内の存在だろう。なかでも1番と9番は一線級だが、それぞれ折り合い・スタート・距離に課題が残る現状でもある。一方、スタミナ豊富な本馬にとって距離延長は大きな魅力。道悪に他が苦しむようなら、一角崩しの期待がより高まる』という見立て。

逃げ馬不在に加えて手頃な頭数。そして稍重の馬場。緩やかな流れで進むと、結果的には4コーナー出口での隊列がそのまま着順に影響することとなった。先手を打った8番ショウヘイが勝ち切ると、インをついた5番エムズが連対を確保。3着は外から伸ばした軸馬7番デルアヴァーが入線した。

この結果により、「3連複5-7-8、9,580円」の的中をお届け。軸馬3着ながら、当レースの本線は3連複。これにより10頭立てのレースとしては望外の大回収となった次第。一方、単勝2.4倍の9番トッピボーンは掛かり通しで伸びきれずの4着。2番人気・単勝3.4倍の1番キングスコールはゲートこそ出たが、全くいいところなく9着に沈んだ。「人気馬、危うし」とみた予想部の判断ズバリの結末であり、多くの評価のお声を頂戴した次第。

あいも変わらず好調をキープする重賞戦線。会員様の収益はもちろんのこと、佳境に入った春G1シリーズに向けてかつてないレベルの勢いを感じる次第。その好調を支えているのが“攻めに攻めた本命馬”の存在だ。

会員様ならご存知の通り、今年の重賞で弊社予想部は人気馬にほぼ本命を打っていない。実際、京都新聞杯の本命が6番人気、NHKマイルCも◎モンドデラモーレ=6番人気・4着だった。後者はほんのわずかの差(勝ち馬パンジャタワーと0秒1差)で獲り損なったとはいえ、“一番儲かる馬から買う”というポリシーとしては悪くない選択だったと自負している。

現在の予想部なら、引き続き“攻めの本命馬”を抜粋してくれること必至。そういう意味では、時に大波乱の顔をみせる「ヴィクトリアマイル」も楽しみでしかない。会員様は、首を長くして今週末の配信をお待ちいただきたい。