2回福島・3回阪神・1回函館3日・4日目

この的中を契機に ~日曜阪神11R 鷹取特別~

先週末をもって今年の中央競馬も前半戦が終了した。この間行われた重賞レース68鞍中20勝、G1レース12鞍中4勝を挙げたのが地方競馬出身騎手だ。個人的な勝ち鞍では「天皇賞・春」「安田記念」を含む8勝の岩田がトップ。安藤勝も6勝を挙げ横山典と並んで2位。対して武豊の勝ち鞍は「フェブラリーS」「ファルコンS」の2重賞のみ。武豊が衰えた、などと言うつもりは毛頭ないが、少なくとも、かつてのように『高いところは全部ユタカ』の時代は完全に終焉を告げた。最近の武豊の騎乗で一番気になるのが、時として「脚を余す」ケースがあること。「ヴィクトリアマイル」のウオッカが象徴的だが、馬券を買っているこちら側の人間にとってあの乗り方は一番ストレスがたまる。結果はともかくとして、常に絶対脚を余さない乗り方をする岩田とはそこが全然違う。関西有力厩舎の騎乗依頼を見ても、最近は『一に岩田、二にアンカツ、それがダメなら仕方なくユタカ』という感じ。それでもリーディングトップなのだから、さすがと言えばさすがだが……。
それでは本題へ。今週斬るのは日曜阪神11R「鷹取特別」3歳上1000万下・ダート2000m。このレースで弊社予想部が軸馬としたのは1番人気に推された6番クリーン。「58キロのトップハンデを課せられているように、1000万に降級すればクリーンの力は抜けている。印象とは違い、重・不良馬場の高速決着にも全く不安のない馬。と言うより、むしろ得意にしている。自然と体が絞れる夏場にデキを上げてくる馬。豪快な差し切りに期待して軸馬とする」という見立て。
レースはダンシングタイガーが先導する平均速めの流れ。軸馬クリーンは序盤、例によって後方待機。しかし鞍上武豊は馬場状態を意識したのか、向正面に入り外に持ち出し早目に追い上げていく。4コーナー回って直線、道中インの絶好位で脚をタメていたアドマイヤマジンが余裕の手応えで抜け出す。焦点は2着争いに移った。2番手から粘り込み策す3歳馬グランシュヴァリエ。それを懸命に追うクリーン。両頭のハンデ差はなんと6キロ。しかも馬場を考えるとクリーン大ピンチかと思えたが、最後の最後、地力の違いでクビ差交わしてゴール。正直なところ冷や汗タラタラものの内容ではあったが、何はともあれ「馬連6-7、880円」の大本線的中となった。
「ユタカ鬼神の追い」で結果的中となったこのレース、開幕週の反省を踏まえ、先々週よりも先週、先週よりも今週と開催単位で尻上がりに軸馬の精度を上げることは評価してもいい。実際にこれまでの開催でも好配当的中は開催後半戦に偏っている。また、勝負ごとである以上、やみくもに配当を追うのではなく、『的中癖』をつけることは大切だし、『流れ』を踏まえてのレース選択は大切なことだ。ただ、再三言っていることだが過程は良くても詰めの部分を誤ると好結果は望めないことは胆に命じて欲しい。事実、今回斬った的中レース「鷹取特別」においても、7番人着で3着のグランシュバリエを対抗視しながら購入法ミスでさらなる好配当を取りこぼしているように、もう一歩詰められる伸びしろは十分にあったはず。『的中ありき』のスタンスはいいが、今週以降はその部分の精度を高めての提供に期待したい。予想部には猛省を促すとともに、先週の的中を契機とし、捲土重来を厳命する。会員の皆様には引き続きご期待をいただきたい。