9/28-9/29 4回中山・3回中京8日9日目

高打率で締めた4回中山開催 〜日曜中山8R・3歳上2勝クラス〜

1ハロン9秒9という驚異的なスピードが刻まれたのが先週のスプリンターズS。同ラップは前半の2ハロン目で、次の3ハロン目が10秒4。前半3ハロンは実に32秒1(1986年以降の同レース最速)とは恐れ入る。極限の流れを作ったのはピューロマジックだ。今回は横山和生騎手から父・横山典弘騎手への手替わり。これまで通り序盤から飛ばすのか、もしくは何か別の作戦があるのか…。多くのファンが乗り替わりの“意図”を探ったはずだ。だが思い返せば、この日の同馬はややイレ込んでいた。対して、鞍上の典弘騎手は馬のリズムを重視するタイプである。この2点を踏まえると、ピューロマジック逃げを無理やり抑え込む選択肢は、そもそもなかったのかもしれない。

その過酷なペースを好位から流れに乗って押し切ったのがルガルだ。同馬は今春の高松宮記念1番人気だったが、レース後に骨折が判明し、不完全燃焼の10着からのカムバックだった。今回はそれから6ヵ月ぶりの実戦のも関わらず、好メンバー相手にこのパフォーマンスならケチのつけようがないだろう。4代母ミエスクはG1を10勝、BCマイルを連覇したスピード自慢の牝馬であり、その初仔キングマンボは日本国内お馴染みの主流種牡馬。父ドゥラメンテにもトニービン、エアグルーヴ、サンデーサイレンス、キングカメハメハといった名馬の血が凝縮されている。しかも本馬はまだ4歳。これからさらにタイトルを重ねて、真のチャンピオンになる期待は十分だ。

2着トウシンマカオも現在の充実ぶりを表すかのような好走だった。差しに回る脚質から内枠が危惧されたが、インベタで伸ばしてくる、まさにこれしかないというレースぶりだった。もちろんピューロマジックが作ったハイペースに助けられた部分はある。それでも、かつてよりいい位置をとって巧みに馬群を捌いてきた点を高く評価すべき。前走のセントウルS(1着)で課題の左回りを克服したこともしかり、ここにきて器用さや操縦性に磨きがかかってきた。

対称的に、ナムラクレアは外を回しての3着。レース後に鞍上横山武史騎手が述べたように、本来はトウシンマカオのようにイン差しを実行したかったはず。それでも直線は目を惹く伸び脚だった。これでG1は〈0-2-1-1〉。またしても“負けて強し”の勲章を増やすことになった。なお、4着ママコチャ、5着ウインマーベルまではいずれも一線級の力を発揮している。こと2~5着までの順番は展開のアヤであり、序盤のペースがコンマ数秒遅ければまた違った着順になっていたはずだ。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜中山8R「3歳上2勝クラス」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった11番ウンガイソウテンだった。

『昇級戦の前走は五分の発馬から少し押して楽に先手。道中を折り合い良く進むと、ラストでさらにグイッと伸ばしての押し切りVだった。終始後続にマークされるキツイ展開だったことはもちろん、勝ち時計1分52秒6も昇級即通用のタイム。先手から全体2位の上がりを使えたことも大きな加点材料である。この中間は体全体を使って素軽さ抜群。ここは昇級も先行馬が兼ね合いそうな組み合わせだし、引き続きの同舞台&同騎手。連勝濃厚』という見立て。

レースは13頭立ての良馬場。およそ揃ったスタートから9番カンジが飛ばしていくと、外から軸馬11番ウンガイソウテンも続いて2番手を確保する。その後ろには3番人気の6番ブレイゼスト。2番人気の12番アラレタバシルや5番デフィニティーボは中団待機となった。
レースは淡々と進み、1000m通過は1分03秒4のスローペース。こうなると先行有利は明白であり、結末もあっけないものだった。後続馬が押し寄せてくるラストの直線手前で“持ったまま”だった軸馬11番ウンガイソウテンが追い出すと、あとは独走態勢である。4馬身差の2着は遅れ差しの12番アラレタバシル。3角手前でマクリ気味に進出した5番5番デフィニティーボが3着に粘り込んでいる。

この結果により、「馬連11-12、680円&3連複5-11-12、1,650円の的中をお届け。馬連は1点目の大本線、3連複も目数を絞っていたため、弊社らしい安心の回収劇といえるだろう。だがこのレースは直前までオッズが乱高下していたことが興味深い。特に的中した馬連11-12は午前中の9倍台から、レース1時間前に5倍台へ急騰。最終的に約7倍に落ち着いたとはいえ、肝を冷やしたことに違いはない。何があったのかはおよそ見当つくが、ことG1開催日のオッズ変動は油断ならないと改めて感じた次第である。
この週は他にも、土曜中山11R・秋風S「3連複1-12-14、1,780円の本線的中や、特注で挙げた日曜中山10R・サクラバクシンオーC「馬連3-10、4,140円&3連複3-6-10、8,370円などなど、土日を通じて数々の回収鞍を届け。メインレースをふたつ仕留めたうえに、厳選勝負鞍の軸馬成績も〈1-2-1-0〉なら、無事に4回中山開催を締めたと言って差し支えないだろう。とはいえ、我々の攻勢はまだまだこんなものではない。東京開催に入り、むしろここからが本番と捉えている。そう断言できるだけの材料が我々には確かにある。勝負どころ目白押しの今週末以降に、なお一層のご期待をお寄せいただきたい。