1回中山・1回京都7・8日目・1回小倉3・4日目

ダブル的中は果たしたが ~日曜中山12R 4歳上1000万下~

例えばディープインパクトでもない限り「展開不問の◎」などという馬は存在しない。オープン馬が500万に出るのなら話は別だが、クラス分けがされている以上そんなことは不可能。だから現在の競馬にとって展開は最重要ファクター。勝負の八割はこれが決めると言って構わないと思う。物事には全て反対の事、あるいは反対の言葉があるもので、今回の「アメリカJCC」はまさに『展開のアヤ』が勝敗の分水嶺となった。逃げたアドマイヤメインのペースは1000m通過61秒2。全然速くない。一流の乗り役ならペースの緩急は瞬間的に判断できるもの。無論ドリームパスポートに乗る松岡にしてもそれは同じ。「ダービー」2着馬アドマイヤメインが、この緩ペースで4コーナーまで保たないとは夢にも思わなかったはず。それがあにはからんやの急失速、ドリームパスポートは立ちたくもない先頭にこの時点で立ってしまった。ドリパスを徹底的にマークしていたブラックアルタイルも大外をブン回って早仕掛け。結果は内で脚をタメ、最後に脚を使ったエアシェイディ、トウショウナイトの1・2着。かつて武豊が言った「レースは生き物」という言葉を改めて痛感する一戦、ではあった。
それでは本題へ。今週斬るのは日曜中山12R「4歳上1000万下」、ダート1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは2番人気の12番ヴァンデグローブ。「いわゆる『藤沢流』の調整で丹念に乗り込まれてきた。仕上がりは文句ないし、休養中に降級し過去2・1着の実績がある1000万からの再スタートはどう考えても有利。キャリア浅くまだまだ上が望める馬。モノの違いを見せつけるはずだ」という見立て。この馬からの馬連と、「前走が非常に強い内容だった」15番ダイワルビアとの2頭軸3連複という二本立ての買い目提供であった。
レースはフサイチカムーン、タカラトゥルー、サールドサンボーイという3頭のハナ争いで始まった。その3頭を3コーナー過ぎから動いたダイワルビアが4コーナーで捕らえる。しかし残り200m、軸馬ヴァンデグローブの脚が違った。並ぶ間もなくダイワルビアを交わし、最後は手綱をおさえて余裕綽々のゴール。まさしくモノが違う大楽勝だった。そして2着はダイワルビアが確保。次いで逃げたフサイチカムーンが3着に残った。「馬連12-15、460円。3連複7-12-15、1410円」、弊社お馴染みのダブル的中となった。配当面で物足りなさは残るものの、それはあくまでも的中してからの話。まず的中ありきということでご勘弁願いたい。ただし弊社予想部には苦言がひとつ。このレース、3連単提供という選択肢はなかったのか? 結果論ではなく、見解を読めば上位2頭の力が抜けていると判断したことは容易に想像できる。それだけに惜しい気がしてならない。会員の皆様の立場に立てば週の最後の勝負が『的中』で終わるのと、『不的中』で終わるのとでは雲泥の差である。週単位での勝負であるため、必要以上に週の最終提供となるレースが『配当』よりも『的中』を重視するのも解からなくはない。ただ、このレースにおいては、買い目が増えるリスクを負ってでも考える余地は十分にあったはずだ。
正直なところ、不的中のレースにしても弊社らしからぬ精細を欠く予想が目立った開催最終週。開催通じて大収穫には至らなかったが、そんな不完全燃焼の翌週、つまり今週末には『根岸ステークス』での勝負も準備万端。さらに替わって、今週末開幕の1回東京開催はレース日程の9割をダート戦が占める。『ダートのアスコット』は今さら言うまでもないところだし、会員の皆様にとっては既存の事実でもあるはず。無論、以前からお伝えしているように、その先の『G1フェブラリーS』を頂点とする勝負鞍も満載。より以上のアツいご期待をお寄せいただきたい。