3/18 3/19 ・2回中山7日8日目分・1回阪神11日12日・2回中京3日4日分

捲土重来を期する春G1 ~日曜阪神11R・阪神大賞典~

先週は皐月賞への切符を賭けた最終戦のスプリングSが施行された。戦前からしばしば話題に上がっていた「今年の3歳のレベルは…」というお話。振り返ると、弥生賞は共同通信杯4着のタスティエーラが勝利したものの、重賞初出走のワンダイレクトとは0秒2差。また、スプリングSにおいては重賞初出走組が上位を独占。2歳G1を経験したセブンマジシャン、オールパルフェが掲示板すら確保できなかったわけで、世代レベルが低いと言われるのも仕方がないかもしれない。とはいえ、ややインパクトに欠けた弥生賞も時計だけ見れば過去10年で上位2位だったことは忘れてはならない。そもそも、早春の時点で年長馬と比べるのはナンセンスであり、本番で混沌ムードを断ち切る一頭を探すことに力を割くべきだ。
クラシック本番といえば、「皐月賞にぶつけるかもしれない」と一部で囁かれたストライキにも触れないわけにはいかないだろう。先週末は弊社も開催の可否に揺れ動き、一時は「中止」にほぼ傾いた次第だが、開けて見ればまさかの「スト決行で開催」という異例の事態。その顛末は各マスコミ(協賛レースがある企業は書きにくいだろうが)にお任せするが、主催者・馬主・調教師・厩務員が複雑に絡み合った構図、現状の賃金体系となった経緯をファンも知るところになったはずだ。無論、ストを決行しても開催を強行されてしまった以上、組合に残された手段は多くない。とはいえ、前述の噂のように「晴れの舞台」に合わせての最悪の事態(例えば平日のトレセン業務を全面放棄するといった)だけは避けてほしいものだ。無論、手塩にかけた管理馬を放って置けない厩務員の心情を慮ると早期の解決を願わずにはいられないし、普段から労働者の味方を標榜する団体が沈黙する理由も勘ぐってしまう。

それでは本題へ。今週斬るのは日曜阪神11R「阪神大賞典」芝3000m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは圧倒的な1番人気に支持された1番ボルトグフーシュだった。

『天皇賞・春の最重要ステップだが、3000mという距離はもちろん内回りの適性も問われる。軸馬ボルドグフーシュは昨秋にグンと力をつけて有馬記念も2着と充実一途。阪神3000mは菊花賞でレコード決着のハナ差2着があるから、コース適性は言わずもがなだ。
内回りは直線一気とはいかずスパートが早くなるが、本馬は有馬記念で後方(3角手前で後ろから2番手)から動き、直線入り口では勝ち馬イクイノックスの直後まで詰め寄った驚異のまくり能力がある。この中間の調教も出色で、今月初旬の時点で自己ベストに迫る坂路4ハロン51秒9をマーク。川田騎手がまたがった先週CW併せ馬では本気で回している様に見えなかったが、実際の時計を見ると6ハロン全体79秒9、ラスト11秒4という好時計。見た目以上に時計が速いのは身体を伸び伸び使っている証拠であり、ここにきて一段とパワーアップした印象である。最内枠で極端なスローになった場合はやや気になるが、今回のメンバーで斤量56キロなら勝ち負け』という見立て。

レースは揃ったスタート。外枠から13番ディープボンドが出を伺うが、11番アフリカンゴールドが主張してそのまま主導権る。無理に競り合わず控えた13番ディープボンドが番手におさまり、半馬身差で3番ジャスティンパレス、7番ブレークアップ、軸馬1番ボルトグフーシュなど上位人気馬を含む4頭も先行集団。中団先頭の8番アイアンバローズはジリジリと先団に取り付く構え。直後の4番サンレイポケット、2番ユーキャンスマイルは慌てず前を見る形で折り合いを付ける。以降はバラけ気味に14番アケルナルスター、9番ゼーゲン。1馬身後方に10番メロディーレーン、6番ノーチカルチャート。最後方にポツンと5番メイショウテンゲンという隊列。
前半から13秒前後のラップが淡々と続き1000m通過が64秒9の超スローペース。全馬が折り合いに専念し、先手を握った11番アフリカンゴールドには申し分のない展開。同馬は1000m過ぎにペースを若干上げたが、1400m~1600mでは再び13秒2。ここで息を入れると徐々に加速を始め2000m以降は11秒台のラップを持続する盤石の逃げに持ち込む。完全にレースを支配した11番アフリカンゴールドは3コーナーでも1馬身差を保っていたが、余力ある後続も一気に追い上げを開始。4コーナーでは先頭から5馬身差内に10頭が密集する混戦状態。一旦リードがなくなった11番アフリカンゴールドだが、楽な展開から勢いは止まらず、再び1馬身ほど差をつけて逃げ込み態勢に突入した。しかし、これを追撃するのは先行して脚を溜めていた人気の3頭。内から3番ジャスティンパレス、13番ディープボンド、軸馬1番ボルトグフーシュが並んで襲い掛かる。一瞬、前が詰まる形になった3番ジャスティンパレスだが、進路が開けると一気に加速。並んでいた2頭を置き去りにすると、粘る11番アフリカンゴールドも捕らえ一気に先頭へ。以降は後続の追撃を一切許さず1馬身3/4差をつけて1着で入線。神戸新聞杯以来の重賞2勝目をもぎ取った。注目の2着争いはその後も予断を許さず、懸命に粘る11番アフリカンゴールドに軸馬1番ボルトグフーシュがジリジリと迫り、さらに後ろから7番ブレークアップが急襲。接戦となったが、先に抜け出したマージンを活かして後続を抑えた軸馬1番ボルトグフーシュが2着を死守。3着には追い上げもクビ差及ばずの7番ブレークアップが入線。11番アフリカンゴールドは完璧なレース運びだったが、人気上位馬の決め手に屈して惜しくも4着となった。

この結果により、「3連単3→1→7、3,860円」の的中。ここは人気サイドの決着を想定し3連単提供。軸馬と対抗1点目3番ジャスティンパレスとの差は僅かと読んでフォーメーションでの購入指示が奏功した。天皇賞・春を占う上で重要な一戦だけに、きっちり的中をお届けできたことには一定の評価をいただけるだろう。

さて、ここまで的中を重ねてきた開催ではあったが、残念ながら先週の土日を通じての結果は寂しい限りだった。まずは、期待された会員様に対してこの場でキッチリお詫び申し上げたい。想定以上の降雨で難しい開催であったことは確かだが、当然ながらそれは織り込み済みだったし、むしろ馬場の影響は少なかった。だが、肝心カナメの軸馬がどれもこれも出遅れてばかりで勝負の土俵に上がることすらできなかったのは痛恨。さすがにここまでツキの無い週は年間を通しても稀であり、当然ながら即反撃をお約束する。幸いにも今週から春のG1戦が開幕と、気持ちを新たにする絶好のタイミング。また、不本意な結果の次週は驚くような巻き返しをお届けしてきた弊社の「伝統」もお忘れなく。春G1初戦となる「高松宮記念」を筆頭に的中量産でお返しをする準備はできているので、会員様は弊社の反転攻勢に大きくご期待のうえで、週末の配信をお待ちいただきたい。