3/8-3/9 2回中山・1回阪神3日4日目

特別コラム 〜奇妙なオッズにご注意〜

近2週で高配当的中を量産したアスコット予想班。先週は狭間の2開催場だったこともあり、今回は特別版として最近の競馬事情について少し触れておきたい。

重賞日程や規定斤量が見直されているものの、大枠では変化がないように見える競馬シーン。しかし、馬券に関しては刻一刻と変化が起きている。

最大の要因は、コロナ禍から一気にネット投票の比重が高まったことだ。これにより参加者が増えたことはもちろん、「馬券の売れ方」や「予想方法」も随分変わった。

なかでも影響力を増しているのがSNSやYouTubeなどインターネットの勢力。そこにいる“自称・予想家”たちの推奨する馬が過度に売れるようになってきているのだ。弊社会員様はお気づきかもしれないが、キオスクに並ぶ見出しが人気を左右した時代は過去に追いやられた。

たとえば、先日のチューリップ賞。ネットのタイムライン(その時間に話題の記事が流れる)にやたらと現れたのがフェアリーライクだった。同馬は3戦1勝。前走・未勝利戦(芝1800m)をようやく勝った身分にも関わらず、ネット界隈で“強い強い”ともてはやされ、なんと4番人気・単勝6.3倍にまで支持を集めた。

しかし大前提として、芝1600mのチューリップ賞は「距離短縮組」が苦戦する一戦。それだけではなく「前走・未勝利戦組」もことごとく跳ね返されている伝統のトライアル重賞である。フェアリーライクは上記二つのマイナス要素に引っかかっていたのだが…。結果はご存知の通り。同馬は見せ場なく10着敗退となった。

その一方で、上位3頭は「前走・重賞組」が独占した。しかも1着クリノメイが9番人気、2着ウォーターガーベラは7番人気である。3着に前走・阪神JF・2着のビップデイジーが入線したが、その3連複配当は実に156.6倍。きっちり的中させたアスコット会員様には望外の払い戻しとなった。

想像するに、ネット界隈は“閲覧数稼ぎ=バズる”ことが目的になりがちだ。そのため、視聴者の目を惹きそうな“それっぽい馬”をチョイスすることが目的になっている可能性がある。特に複数の有名配信者が同じ馬を挙げた場合は、上記のように現実のオッズに影響を及ぼすこともあるのだ。

当コラムをご覧の方は“奇妙なオッズ”にご注意というお話。そうした過剰人気に引っかからない為にも、普段から「この馬のオッズは適正なのか?」と検討する習慣をつけておきたいものだ。もとより「売れている=有力」とはならないのが競馬の世界。ネットの影響力が増した今、相馬眼のみならず“適正オッズ”を見抜く力がことに問われている。アスコット会員の皆様は、今後も弊社配信の中身にご注目をいただきたい。

さて、今週の金鯱賞のオッズはどうなるのか。弊社の見立てでは重賞を勝っている実績馬が一歩リードしている印象。天候こそ心配とはいえ、おそらく伏兵が割り込む余地はそれほど大きくないだろう。同レースをはじめ、勝負鞍候補が目白押しの今週末を楽しみにお待ちいただきたい。