11/6 11/7 5回東京・5回阪神・2回福島1日2日目分

7週連続G1・8連戦の大勝負どころ ~日曜阪神9R・もちの木賞~

例年と比較してもかなり小粒なメンバーとなった「アルゼンチン共和国杯」。前々の位置取りからアッサリと抜け出したオーソリティの勝利は順当そのもの。1000m通過63秒4のスローペースからの抜け出しだっただけにレース内容はそう強調できるモノではないが、それでもトップハンデを背負いながら勝ち切ったところには一定の評価はできる。相手関係を考えれば当然だが、文句のつけようがない完勝だった。元々期待の大きかった馬だが、昨年に続き同レース連覇を成し遂げ、これで重賞3勝目。この勝利によって以降のG1戦線でも注目を集めることになりそうだ。2着マイネルウィルトスも初距離ながら目下の充実振りを存分に感じさせる力走。高速決着にならなかったこともプラスになっただろうが、勝ったオーソリティが強すぎただけ。素質馬フライライクバードあたりをおさえて先着したのだから距離適性も高いのだろう。レースレベル的には微妙だっただけに、この一戦だけでは測れないが、いずれにしろ、勝ったオーソリティは今後も目の離せない存在であることは間違いないだろう。

それでは本題へ。今週斬るのは日曜阪神9R「もちの木賞」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に4人気に支持された13番クラウンプライドだった。

『クラウンプライドの前走はテンから頭を上げて気難しさを出し、向正面では行きたがり折り合いを欠き、さらに直線では手前を替えずに内にモタれながらも、楽々と抜け出して後続に6馬身差。若さタップリの荒削りな走りながら完勝してみせたようにポテンシャルは相当高い。この中間は騎手騎乗とはいえ、坂路で終いもしっかりまとめて自己ベストを大幅に更新。一度使われたことでガス抜きができただろうし、折り合い面を考えればクラスが上がった方が走りやすいはず。キャリアの浅い2歳若駒戦なだけに、力関係が明確でなく今回も実戦に行ってどうかだが、逆に言えば馬券的妙味は十二分。持っている能力はこのメンバーに入っても見劣りは一切ないと判断しているだけに、ここは先物買いとして軸馬に抜擢する』という見立て。

逃げたのは内枠から果敢に行った3番コパノニコルソン。5番アニージョと横並びで外から軸馬13番クラウンプライドが横並びで2番手追走。それに続いて9番アトラクティーボ、1番ウェルカムニュース、2番シュガーソルト、さらに8番コンスタンティンと、ここまでがほぼ一団で先行集団を形成。軸馬13番クラウンプライドは多少、ハミを噛んで力みながらの追走だったが、向正面に入って落ち着いたレース振り。前半1000m通過62秒1の淡々とした平均ペースで流れて4コーナーへ。終始、好位で流れに乗った軸馬13番クラウンプライドの手応えは抜群で、スーッと糸を引くように持ったまま、逃げる3番コパノニコルソンに並びかけて直線早め先頭に躍り出る。そこからがさらに圧巻。満を持して追い出しを開始するとグングン後続を引き離していく。3番コパノニコルソンがジリジリと置いて行かれる代わりに浮上してきたのが、1番ウェルカムニュース。唯一、一頭だけ軸馬13番クラウンプライドに食らい付いていくが、それでも差が詰まることなく、最後は後続に3馬身差を付けて軸馬13番クラウンプライドが優々と1着でゴール。2着に1番ウェルカムニュース。そこから8馬身差の3着争いを制したのが9番アトラクティーボ。この結果により、「馬連1-13、1,220円」の的中。まだキャリアも浅く、力関係が明確でない2歳戦をキッチリとものにするあたり、仕上がりを重視する、ある意味アスコットらしい的中鞍と言えよう。

開催替わりとなった先週末。残念ながら軸馬3着や痛恨の対抗抜けなど、精彩を欠く提供が目立ち、勝負鞍での的中は今回斬った日曜阪神9Rのみのひと鞍にとどまったが、レース選定にブレはなく、右肩上がりに精度を上げる傾向があるだけに今週以降の巻き返しは想像に難くない。今週末の「エリザベス女王杯」から年末の「ホープフルS」まで、7週連続8連戦で行われるG1戦線。まずは勝負鞍候補満載の今週末を楽しみにお待ちいただきたい。