10/29 10/30 4回東京・4回阪神8日9日目・4回新潟5日6日目分

公約を果たした一戦 ~日曜東京11R・天皇賞(秋)~

まずは先週土曜の振り返りから。アルテミスSのここ2年の優勝馬(20年ソダシ、21年サークルオブライフ)は共に次走で阪神JFを制覇。その他にも19年の年度代表馬リスグラシュー(16年1着)や、G1を4勝したラッキーライラック(17年1着)などを輩出している出世レース。今年は2番人気ラヴェルが勝利したが、新馬戦のパフォーマンスからして納得の結果。そのデビュー戦は上がり3ハロン12.0-11.7-11.3と加速ラップで差し切ったもので、これは2歳時のドウデュースやクロノジェネシスといった名馬が残した記録に比肩する数字だった。単勝1.4倍に支持されるも2着に屈したリバティアイランドは新馬戦で31秒4という驚愕の上がりをマークしているが、当時の前半3ハロンは38秒2の超スロー。案の定というか、今回の前半35秒8というペースでポジションを下げてしまい、直線で進路を失ってしまった。それでも剛脚はさすがのひと言だったから、重賞経験を積んだ次走以降は逆襲必至。いずれにせよ今回の上位2頭は将来性も含めて楽しみな好素材である。

それでは本題へ。今週斬るのは日曜東京11R「天皇賞」芝2000m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは1番人気に支持された7番イクイノックスだった。

『昨年は19年ぶりに3歳馬が勝利したが、今年も若駒優勢と見てイクイノックスを本命に指名する。同馬は今春のクラシックに連続出走。その初戦・皐月賞は異例となる5ヵ月ぶりのレースで、序盤に他馬にぶつけられる不利があった。そしてダービーでは直線入口でややスムーズさ欠くも後方から上がり最速で鋭進。いずれも2着だったが、両レースとも大外18番枠だったことを考慮すれば立派という他ない。ここは再び5ヵ月ぶりの臨戦となるが、放牧でじっくり英気を養って7月時点で本レース参戦を表明。9月30日に帰厩すると軽めの調整からスタート。先週のウッド併せ馬では、ルメール騎手の手綱でかなり強い負荷を掛けられ、力感たっぷりの伸びを見せた。そして今週の左右からタイトに挟まれる3頭併せでは、プレッシャーをものともせず進んで抜群の集中力を発揮。もともと体質の強い馬ではなくゴリゴリの攻めはできないが、本馬なりに成長の跡も見られるなど現時点では満点のデキに仕上がった。現在の東京芝は外差しも決まるコンディションであり、言わずもがな実績も十分。やっとまともな枠を引き当てたここは雪辱のチャンス』という見立て。

レースは発馬で15番カデナ遅れるが他はまずまずのスタート。東京2000m特有の1コーナーまで距離が短いなかでの先行争い。近走でモタついたスタートから一変した3番パンサラッサが勢いよく先頭で飛び込んでいくが、外から10番ノースブリッジが強引にポジションを取りに仕掛ける(岩田康騎手は2日間の騎乗停止)。2コーナーの手前まで2頭が併走するがコーナーワークで内3番パンサラッサが徐々に出るとノースブリッジは対抗せず一旦2番手。すると12番バビットが10番ノースブリッジを交わして2番手に浮上すると、内にいた1番マリアエレーナがこの争いの煽りを受けて4番手から5番手まで後退。この間隙をついて外から9番ジャックドールが4番手に進出する。中団は8番シャフリヤール、内6番ジオグリフ、内に潜り込んだ2番カラテ、13番アブレイズとひと固まり。この集団を見る形で7番イクイノックスはプレッシャーを受けることなく中団で前を見る形。以下はバラけて5番ダノンベルーガ、4番ポタジェ、1馬身半開いて14番ユーバーレーベン、最後方に15番カデナという隊列。逃げる3番パンサラッサは最初の3ハロンを12秒6-10秒9-11秒2と強烈な逃げで1000m通過57秒4のハイペースを演出。こうなると後続から無理に追い上げてくる馬は皆無。逃げる3番パンサラッサは1000m通過後も11秒台中盤のラップで後続を寄せ付けず、3コーナー中間では約15馬身の差をつける圧巻の逃走劇。ようやくペースの上がってきた後続勢が直線に入り追撃態勢をとるが、前を行く3番パンサラッサとの差はまだ10馬身ほど。直線の坂を迎えてからさすがに3番パンサラッサも脚色が鈍ってくるなか、前目にいた9番ジャックドールを先頭に各馬がポジションを探りながら追い出しを開始。中団で流れていた人気上位馬は、馬場の3分どころから8番シャフリヤール、内に切れ込んだ5番ダノンベルーガ、大外に持ち出した7番イクイノックスらが猛然と脚を伸ばしてくる。なかでも抜群の末脚を披露したのが馬場の真ん中を選択した7番イクイノックス。逃げる3番パンサラッサとの脚色の差は歴然も、迫るゴールまでに届くかどうか手に汗にぎる争いとなるが、ゴール手前で7番イクイノックスが見事捉えて悲願のG1初制覇となった。2着には最後まで良く凌いだ3番パンサラッサ、3着は内に切れ込んで最後まで脚を伸ばした5番ダノンベルーガが入線した。

この結果により、「3連単7→3→5、23,370円」の的中をお届け。配当的にはパンサラッサ勝利の方が良かった(イクイノックスを2着に付けた買い目もあった)だけに、喜び7割、悔しさ3割といったところか。それにしても、パンサラッサの忖度なしの逃げは適当な言葉が見つからないほど強烈だった。「令和のサイレンススズカ」という異名も納得で、おかげでゴマカシの利かない力比べのレースとなった。中でも追い出しをジッと我慢したルメール騎手はさすが。近頃は精彩を欠く手綱もあったが、この大一番で決めるあたり、まだまだその手腕は健在だろう。なお、敗れた上位人気馬のなかには本調子でなかったものやコース適正で屈したメンバーもあり、今後の逆襲には注意したいところ。兎にも角にも、先週の当コラムで述べた天皇賞・秋の的中をお届けするとの約束は果たせた。会員の皆様には改めて的中おめでとうございます、とお伝えしておく。

また、他でも目イチの勝負として提供した混戦ムードの日曜阪神10R「古都S」の「馬連3-4、1,230円で的中を上乗せ。さらに安定的中を継続中の新馬未勝利予想では土曜阪神2R「2歳未勝利」の「馬連1-11、870円もお届けできた。先週の収支は上記3レースで十分プラス域ではあるが、厳選勝負鞍では日曜東京10R「ペルセウスS」の「馬連9-12、310円」のみと反省点もある。プラス収支なら問題なしという意見もあるだろうが、厳選勝負鞍は弊社の看板であり、当然ながら即挽回をお約束したい。
話は変わるが、今週はG1もひと休み。しかし大きな配当に期待ができる重賞が4鞍もスタンバイしており、もちろん弊社ではそれぞれに秘策あり。弊社の会員様ならご存知の通り、G1の谷間にこそ「お宝」が眠っているものである。どうか皆様には、引き続き先週以上の期待をもって配信をお待ちいただきたい。