5/13 5/14 ・2回東京7日8日目分・1回京都7日8日・1回新潟5日6日分

学びあるダブル的中劇 ~土曜東京7R・3歳1勝クラス~

先週は数少ない牝馬限定G1・ヴィクトリアマイルが行われた。当日の読みづらい天候はもちろん、過去の波乱の歴史も相まって大いに注目を集めた。戦前は道悪も想定されていたが、雨の降り出しは昼過ぎ。発走前に雨脚が強まるもJRAの発表は良馬場だった。
これといった逃げ馬不在で展開が読みづらいスタートだったが、ゲートが開くと最内から横山典騎手の1番のロータスランドが果敢に先行する。刻んだ時計は前半600m34秒2という過去3番目に速いタイム。こうなると地力勝負は必然といえ、直線残り400mでは実績で他を圧倒するG1馬3頭の壮絶な叩き合いとなった。
この苛烈な争いを制したのは、昨年の安田記念以来G1・2勝目となったソングライン。ローテは去年と同様ではあるが、昨年は前走・1351ターフスプリント(G3・サウジアラビア・1着)からの本レース5着。一方、今年は同ローテながら前走・10着(後方まま)からの臨戦であり、4番人気に甘んじることとなった。
だが、陣営の丹念なケアも実り、当日は牡馬に匹敵するほどの逞しい馬体。緩くなり始めた馬場をものともせず直線で力強く差し切って見事な復活劇となった。2着のソダシは今年初戦。乗り込み豊富で万全のデキだったが、目標にされやすい先行抜け出しの脚質がアダとなった訳で、当然力負けではない。叩いた次走(安田記念を予定)はさらに動けるはずで、依然として警戒すべき1頭である。3着スターズオンアースは伸びてはいるが、いつものような爆発力は影をひそめた。マイルの流れで先行したため脚が溜まらなかったことは明白であり、実力は確かとはいえ、やはり中距離以上でこその馬といえるだろう。
そんな実力馬同士の決着となった本レースだが、スタート直後のソダシの斜行で多数の馬が不利(被害馬=ルージュスティリア、ナムラクレア、ナミュール、クリノプレミアム・過怠金5万円)を受けたのはいただけない。特に被害の大きかった2番人気ナミュールは、行き場をなくして一時は立ち上がるほど。昨年のチューリップ賞以来、スターズオンアースを含む有力馬を断ってまで本馬に騎乗し続けている横山武騎手の心中は、果たしていかばかりだろうか。「落馬しなくて良かった」という鞍上の言葉の裏には、ここに賭けた決意が透けて見えるだけに…。今年のヴィクトリアマイルは、そんな後味の悪さも残る一戦となってしまった。

それでは本題へ。今週斬るのは土曜東京7R「3歳1勝クラス」ダ2100m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは 1番人気に支持された4番クールミラボーだった。

『きさらぎ賞で3着と芝でも通用する力を示したが、血統(父ドレフォン・母父キンカメ)から適性が高いのはやはりダート。実際、勝ち上がって以降、まだ使っていないダートではまだ底を見せていない魅力がある。ここは久々も今週の栗東Wは格上を寄せ付けない好内容であり、集中した走りからは精神面の成長がうかがえる。念を入れてのチーク着用なら出負けの心配も少なく、今回は鞍上も強力。自己条件に戻っての適舞台ならアッサリも』という見立て。

発馬に課題のある軸馬4番クールミラボーだが、今回はかなり上々のスタート。最内1番グレノークスが好発から前を行くが、鞍上の動きからハナ主張する気配はない。そこにジワッと6番ルクスフロンティアが行く構えをみせるが、9番ワタシデイイデスカも積極的に追走。先行争いの決着がつかないまま5頭が集団で1コーナーに進入するが、ここで内にいた11番レッドプロフェシーが外に膨らんでしまい、15番ラップスターが煽りを受ける。結局コーナーワークで6番ルクスフロンティアが先手を奪い、番手に9番ワタシデイイデスカ、1馬身差に11番レッドプロフェシー、15番ラップスター。その直後の7番クリスプブリーズまでが先団を形成する。中団も差がなく、内から1番グレノークス、8番テンカオーライ、12番ゴッドインパルスの3頭が横並びで追走。その3頭に早めに並び掛ける14番クールブロンなど。後方集団も動きは早く、5番ソムリエの押し上げを合図に、軸馬4番クールミラボー、13番エッグスラットも合わせて進出を開始。
先手を取った6番ルクスフロンティアは向こう正面で後続を4馬身離す単騎逃げで600m36秒4とレースを支配。対する後続勢は14番クールブロンが外目をマクって押し上げた以外に目立った動きなし。結局、マクッた14番クールブロンが先団まで達したところで、各馬の動きが活発化。6番ルクスフロンティアとの差がみるみる詰まるが、キッチリと息を入れた同馬に焦りはなく、先頭のまま直線へ。満を持してスパートした6番ルクスフロンティアが後続を突き放すと、盤石の逃げ込み態勢。追い上げるはずの先行勢はむしろ脚色が劣勢で、替わって後方待機の13番エッグスラット、5番ソムリエがジワジワ脚を伸ばす。だが先頭をかわすほどの勢いはなく、ラスト200mでまだ2馬身差をリードする6番ルクスフロンティアの逃げ切りが濃厚と思えた瞬間、矢のようなキレを発揮して猛追してきたのが軸馬4番クールミラボーだった。脚色の差は歴然だがゴールは残りわずか。差し切れるか息を飲む攻防だったが、最後は測ったように軸馬4番クールミラボーがアタマ差捉えて1着入線。2着は最後の最後に交わされた6番ルクスフロンティア。3着は3コーナーで接触する不利が痛かったが、懸命に走り続けた5番ソムリエが入選した。

この結果により、「馬連4-6、840円・3連複4-5-6、4,280円」のダブル的中をお届け。馬連こそ堅い配当となったが、3着内も対抗馬が独占すると判断しての3連複が好配当を呼び込んだ。一見、堅いと思われるレースでも、配当を注意深く考察する馬券力が表れた一戦ではないか。

また、重賞でも土曜・東京11R「京王杯スプリングC」の「3連複10-12-15、8,090円・馬連10-12、2,720円を皮切りに日曜・東京11R「ヴィクトリアマイル」でも的中と2連勝締め。今週末から2週に渡って繰り広げられる注目の3歳クラシックを前に、さらに勢いを増す弊社予想部の好結果となった。

さて、今週末はいよいよ3歳牝馬決戦『オークス』。今年は桜花賞で次元の違う走りをみせたリバティアイランド1強ムードだが、舞台は未熟な3歳牝馬には過酷な東京2400mである。昨年のスタニングローズ(10番人気)のように距離を伸ばして覚醒する馬がいないとは限らないため、安直な判断は避けるべきだろう。なお、今年の弊社は「今シーズンの3歳戦は、馬券的に近年稀な勝負どころ」と公言しており、ここまでもそれを裏付ける結果をお届けしてきた。果たしてオークスの最終決断はどんな買い目になるのか。ぜひ、レース当日の提供に多大なるご期待をお寄せいただきたい。