12/14-12/15 5回中山・7回京都・4回中京5日6日目

明暗を分けた経験値の差 〜日曜京都9R・小倉山特別〜

先週日曜は朝から驚きのニュースが飛び込んできた。岩田康誠騎手のスマホ使用による即日騎乗停止。JRAは少しずつ情報を公開したが、それとともに同情の声もネット上に溢れた。何名かの騎手が無言の抗議ともとれる振る舞いを見せたことも合わせ、本件には様々な懸念が浮かぶ。騎手会ならびにJRAは早急に認識を整えたい。

上記により、メインの朝日杯FSは、1番ダイシンラーに騎乗予定だった岩田康成騎手から横山典弘騎手へ乗り替わり。3連敗中ということで伏兵の立場だったが、これが大仕事をやってのける。最内から主導権を握った人馬は、前半600mをなんと35秒4のどスローを展開。こうなると明らかに前残りの競馬だろう。案の定、12番人気に過ぎなかったダイシンラーはあわやの4着。重賞218勝の大ベテランによる見事なヘッドワークであった。

なお、異例のスロー展開とはいえ、今年の朝日杯FSを凡戦として片づけるのは危険である。実際、ラップ構成を改めて見ると、上がり3ハロンどころか残り1000m地点で急激にペースアップしている。特に出遅れから2着したミュージアムマイルは推定58秒2ほどで後半1000mを走ったことになる。早め先頭から押し切ったアドマイヤズームもおよそ58秒8ほど。ある意味、特殊なロングスパート展開であり、これなら4着以下が脱落したとことも納得がいくはずだ。上記2頭の持久力は当然高評価。着外に沈んだ下位の中にも、違った展開なら巻き返せる素材が含まれているかもしれない。全体時計は平凡とはいえ、今年の朝日杯には各馬の個性を知るヒントが隠されている。

それでは本題へ、今週斬るのは日曜京都9R「小倉山特別」ダ1800m。ここで弊社予想部が軸馬として期待したのは最終的に1番人気となった5番コトホドサヨウニだった。

『近2走は相手が強かったものの自身もきっちり連対確保。休み明けの前走も勝ち馬の目標にされたとはいえ、今回も対戦する有力馬には明確な差をつけている。着実に地力強化されており、展開問わず好位に取りけるうえに、ラストもしぶとく脚を使えるようになった。一度使った今回は馬体のハリがグンとアップしており、脚取りの素軽さ、前向きさともに上積み十分。力は明らかに現級上位であり、今回は勝ち切り期待』という見立て。

レースはややバラついたスタートとなったが、軸馬5番コトホドサヨウニは無難に好位を確保。2番ウイニンググレイスが逃げ、好発を決めた10番スリリングチェイスが2番手。2番人気の3番キャピタルサックスは中団という隊列となった。
向こう正面に入っても先行馬の位置取りは変わらず、1000m通過1分3秒0という淡々とした流れ。この時点で好位4番手にいた軸馬5番コトホドサヨウニはじっくり機を窺っている。
レースが動いたのは勝負どころの4角手前だった。ここで内にいた3番キャピタルサックスがずるずると後退し、替わりに軸馬5番コトホドサヨウニがエンジン全開。直線入り口で外に進路を切り替えると、先行する10番スリリングチェイスを楽々パスして独壇場となった。3馬身1/2差の2着に10番スリリングチェイス。逃げ粘った2番ウイニンググレイスは3着入線となった。

この結果により、「馬連5-10、870円」の的中をお届け。それにしても、2番人気の3番キャピタルサックス(最下位11着)はどうしたのだろうか。弊社予想部は同馬の実力を認めつつも「砂を被った際の経験値不足」を指摘していただけに、やや心配な敗戦である。反面、ここまで強敵と戦ってきた軸馬の強さが際立つ的中劇となった。他にもこの週は冒頭の日曜京都11R「朝日杯FS」などで回収局面を提供した次第。とはいえ、好調に水を差すような土曜の不発はいただけない。師走競馬に入って難解なレースが増えてきたとはいえ、予想部にはいま一度気を引き締めるよう強く要望する。幸いにも、あとに控えるのは数々の良績を残してきた有馬ウイーク。その大一番「有馬記念」は近4年ですべて的中をお届けしている。会員様におかれましては、アスコットがプライドをかけて臨む本年最終開催に絶大なるご期待をお寄せいただきたい。